危機や困難に直面した際の適応能力や精神的な回復力を意味する「レジリエンス」。時代が大きく変化する昨今、ビジネス分野において従業員一人ひとりのレジリエンスの向上が必要かもしれません。今回はレジリエンスの概要や注目される背景をわかりやすく解説します。企業側が従業員のレジリエンスを高めるための方法もまとめました。
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目次
レジリエンスとは
レジリエンスは、危機やストレスが生じたときに乗り越え、適応する「精神的回復力」を表す言葉です。復元力や耐久力、再起力などと訳される場合もあるようです。
レジリエンスは心理学や組織論、リスク管理学などの幅広い場面で使用されており、ビジネス分野においても注目されている用語です。
企業の成長においても職員一人ひとりのレジリエンスを高めていくことが重要視されています。
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レジリエンスおける危険因子と保護因子
レジリエンスを理解するうえでストレスの元となる「危険因子」、危機から立ち直る力「保護因子」についておさえておきましょう。
危険因子
危険因子とは、ストレスの原因となる人間関係のトラブルや離婚、災害、病気、虐待、家庭の不和などがあげられます。
レジリエンスを高められるとこれらの危険因子に対して適切に対応できるようになるとされています。
保護因子
保護因子とは、過酷な環境やネガティブな状況から乗り越えるために必要な要素を指します。例えば、個人のポジティブな性格や思考、家族・友人などからの支援、良好な職場環境などが保護因子に該当するようです。
質のよい保護因子の数が多いことでレジリエンスが高まるとされています。
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レジリエンスが注目される理由
近年は環境問題や新型コロナウイルスの流行、為替変動、物価高など急激に社会情勢が大きく変化し、さまざまな危機や困難に直面しても乗り越える力=レジリエンスが注目され始めました。
このような予想もできない変化の中で企業が成長するためには、職員一人ひとりのレジリエンスの向上が重要になるといわれています。
特に人々の生活に欠かせないエッセンシャルワーカーと呼ばれる医療や介護、保育現場などで働く方々は精神的な負担が大きく、メンタルケア対策として企業側からの働きかけが必要になりそうです。
レジリエンスについて理解を深め、職員一人ひとりの心身の健康について考えていくことが大切ですね。
レジリエンスが高い人の特徴
続いて、レジリエンスが高いといわれる人の特徴には、どのようなものが挙げられるのかを詳しく見ていきましょう。
好奇心旺盛・柔軟性がある
さまざまなことに興味を持ち、柔軟に考えられる方はレジリエンスが高いといわれています。ネガティブな状況に直面してもポジティブに変換し、問題を解決しようと努力することでしょう。
環境に変化があっても柔軟性を兼ね備えていると適応しやすいという長所があります。
感情のコントロールができる
何かトラブルが生じたときに目の前の状況に一喜一憂せずに、多角的に物事を考えられる人はレジリエンスが高いかもしれません。
感情の浮き沈みが激しいとストレスがたまり、精神的に安定することは難しいでしょう。感情をコントロールできれば、ストレスがかかったときも自分を客観視して冷静に対処できそうです。
物事を楽観的に捉えられる
未来を見据えて「自分にはこの先もっとよいことが待っている」と考えられる方は意欲的に行動でき、物事を楽観的に見られるでしょう。
辛いことや困難に直面した時にこの試練を乗り越えれば、自分の成長につながると考えられるとポジティブな気持ちで前に進むことができるでしょう。
保育園で職員のレジリエンスを高めるためにできること
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ここからは保育園を例にして、職員のレジリエンスを高めるために企業側ができることを紹介します。
良好な人間関係を構築する
まず、レジリエンス向上を目指すためには、「良好な人間関係の構築」が必要でしょう。
職員が互いにミスをしても報告や相談がしやすい関係性を築くことができれば、ストレスを一人で抱え込むことは少なくなるでしょう。
信頼できる仲間がいると、何か子どもへの声掛けで不安を感じたり、保護者との間で悩みを抱えたりしても問題を解決しようと前向きに取り組むことができそうです。
良好な人間関係を築き上げるには以下の取り組みを行なってみましょう。
- 職員同士が交流を深められる機会を設ける(ランチ会やお茶会の開催など)
- 学年リーダーや主任に対して、コミュニケーションスキルアップに関する研修を行なう
- 定期的に意見交換を行えるよう、園長が職員と1対1で面談する
特に中間管理職と呼ばれる学年リーダーや主任に向けたコミュニケーション能力の向上を促す研修は大切です。
まとめ役となる役職者に向けて、良好な人間関係の構築の重要性を伝えていきましょう。
職員の強みを活かせる仕組みをつくる
職員それぞれの強みを活かせる場面を作れば、一人ひとりが成功体験を経験することができます。
自身の得意分野で活躍できると自己肯定感の向上につながり、レジリエンスを高められるでしょう。
例えば、手先が器用な職員に壁面製作を頼んだり、話すことが上手な職員に司会をお願いしたりさまざまな試みを行なってみましょう。
ただ、中には業務負担が増え、仕事に対して辛さを感じる方もいるかもしれません。それぞれの仕事量を把握したうえで、平等に業務を分担することも意識するとよさそうです。
職員の頑張りを評価する
保育士は営業職のように売り上げなどがなく、数値で評価を表すことは難しい職業のひとつといわれています。
しかし、職員の頑張りを評価することは一人ひとりの保育スキルの向上に役立ちます。
結果的にレジリエンスが高められ、質のよい保育を展開できるだけでなく、よいチームを作り上げることができるでしょう。
また、保育園の人事評価については数値化することが難しいため、以下のようなシートを活用するとよいでしょう。
職員を評価し、よい部分を褒めるとともに、達成感を感じられるよう給与にも反映することが大切です。
また、改善が必要な点はまず、自身で目標を立ててもらい、どのように取り組めばよいのかいっしょに考えていくことも重要ですね。
保育士として成長できる仕組みを作りあげ、成長を支えることでレジリエンスの向上にもつながるでしょう。
職員のレジリエンスを高めるための工夫を取り入れよう
職員一人ひとりのレジリエンスを高めることは企業の成長に役立つでしょう。
職員一人ひとりの性格や個性を大切にしながら、企業側からレジリエンスの向上に向けて、どのような働きかけが必要かを考え、取り入れていけるとよいですね。
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