保育士の指導方法についてお悩みの園長先生や担当者の方は多いのではないでしょうか。新人・後輩をきちんと育てていくためには、職場全体で方針を統一し、成長を見守る雰囲気作りをすることが必要です。今回は、現場ですぐに使える教え方のコツと、園における指導マニュアルについて徹底的に解説します。
maroke/stock.adobe.com
保育士の指導・育成にはどう取り組む?
現場の保育士さんの指導や育成方針に悩んでいる園長先生・担当者の方も多いでしょう。
保育士の資質向上は保育の質に直結する大切なものです。
とはいえ、人材育成は一朝一夕で叶うものではないため、長期的な視点で計画的に取り組む必要があります。
自園の保育士さんに身につけてほしい能力を整理したうえで、どのように指導を実践していくか計画していきましょう。
お問合せ&資料ダウンロード
採用課題・経営課題に関する個別ご相談受付やサービスガイドなどの資料DLはこちらからどうぞ。
まずはお気軽にお問合せください!
指導者が知っておきたい保育士が持つべき能力とは
子どもと関わるうえで必要な「保育スキル」
まず保育士さんに身につけてほしいのが、子どもとの関わりで必要な「保育スキル」です。
子どもの発達や健康に関する知識から、子どもへの関わりや声かけといった技能など、保育のスキルは多岐に渡ります。
知識として知っておくべきものは研修などの場で学ぶのも手ですが、保育の実技に関しては現場で実践しながら身につけていく部分が大きいと言えるでしょう。
保護者と関わるうえで必要な「コミュニケーション能力」
保護者対応をする際に、適切に情報を伝えたり保護者の思いを汲み取ったりするコミュニケーション能力が必要になります。
正しい敬語の使い方や電話対応、伝わりやすい話し方については研修で身につけることができる部分です。
基本的なコミュニケーション能力を身につけたうえで、実際に保護者とやり取りしながら関係を作っていくことが大切かもしれません。
同僚と関わるうえで必要な「チームワーク」
保育現場で同僚の先生たちと協力して保育を行ううえで、チームワークが求められます。
声を掛け合いながら保育を進めたり、活動の準備や書類作成といった業務を相談しながら行ったりする能力が必要になるでしょう。
上司や先輩のサポートのもと、ケースバイケースの対応力を身につけてもらうとよいですね。
読んでおきたいおすすめ記事
【採用担当者向けコラム】保育士の新卒採用やることリスト。テンプレに使えるチェックシートを紹介
新卒採用は計画的に進めることが重要。保育士を目指す学生の動きは年々早期化しているとも言われるため、事前に「やることリスト」をまとめておくとスムーズです。そのうえで、早め早めに動くことが採用成功の近道で...
【採用担当必見】保育施設のお悩み対策診断。今、あなたの園に必要な対策は?
保育施設の運営にまつわる課題は、採用・定着・園児集客など、園によって本当にさまざまです。一体、自園にとって必要な対策は何なのか?「保育施設のお悩み対策診断」を使って調べてみましょう。 &n...
【採用担当者向けコラム】保育士の意向調査実施マニュアル。来年度に向けた準備のポイント
保育士さんに向けて来年度の就業意思を確認する意向調査では、どんなことに配慮して進めるとよいでしょうか。今後の園の運営や保育士さんの育成に関わることなので、慎重に行なうことが大切です。今回は、意向調査の...
【採用担当者向けコラム】意向調査で「退職希望」を示している保育士の引き止めはできる?
意向調査で退職の希望を示している保育士さんの引き止め方を知りたいと感じる採用担当者の方もいるでしょう。保育士不足が続く中、頼りにしていた保育士さんが抜けてしまうと運営が苦しくなりますよね。今回は、意向...
【2024最新】保育士不足が続く原因は?解消に向けた国・自治体・園の対策も解説
なぜ保育士不足が続くのでしょうか。子育て支援の重要性が増す中で、資格を持ちながらも保育士として就業する人が少ない状況を受け、国や自治体ではさまざまな対策を行なっています。今回は、深刻な社会問題でありな...
【2024年最新】学童保育の補助金はいくら?開業や運営に関わる助成金について
全国的に共働き家庭が増えたことで、小学生の居場所となる学童保育の拡充が求められています。実際に学童保育の開業や運営を目指す場合、国や自治体からいくらの補助金を受け取れるのでしょうか。今回は、学童保育の...
【採用担当者向けコラム】保育士の人材紹介手数料は高い?相場や会社による違いを解説!
保育士採用でも利用される「人材紹介」。手数料が何十万にも上ったという話を聞き、利用を迷っている採用担当者の方もいるかもしれません。今回は、保育士の人材紹介について、手数料の相場と費用が高いと言われる理...
【採用担当者向けコラム】真面目な人ほど急に辞めるのはなぜ?保育士が突然退職する理由と対策
真面目な人から急に辞めると告げられて、「何がよくなかったのか…」と頭を抱える採用担当者の方もいるのではないでしょうか。おとなしい人や優秀で勤勉な保育士さんほど、職場にストレスを抱えているかもしれません...
【採用担当者向けコラム】人材紹介会社が保育士さんを紹介してくれないのはなぜ?原因と対策
人材紹介会社を利用したにもかかわらず「保育士さんを紹介してくれない」と悩みを抱える方はいませんか?採用活動がスムーズに進まないと人材不足が解消されず、運営に支障をきたすケースも。今回は人材紹介会社から...
転職フェア出展は意味がない?採用できない?保育士を集客するためのポイント
多くの保育士さんと出会い、自園の魅力を直接伝えられる「転職フェア」。人材確保のチャンスになる機会ですが、出展しても意味がないのでは、採用できないのではと不安を抱く方もいるでしょう。今回は、転職フェアで...
放課後等デイサービスの職員採用の方法は?求める人材に出会うコツ
保育・福祉業界では人材不足が深刻化しており、放課後等デイサービスについても採用に苦戦する施設があるでしょう。特に児童発達支援管理責任者(児発管)の不足は、全国的に大きな課題となっています。今回は、放課...
時短勤務とは?保育園が導入するメリット・デメリットや注意点
2009年度の育児・介護休業法によって制度化された「時短勤務」。正式には短時間勤務制度と呼ばれ、3歳に満たない子を療育する労働者を対象に多くの方が利用しています。今回は時短勤務の概要や対象者、導入状況...
学童保育の経営に必要な基礎知識!開業の流れや必要コスト、成功のポイント
学童保育の開業を考えている方は、開業の流れやランニングコストの目安を把握しておくことが大切です。学童保育を経営するうえで必要な基礎知識をチェックしていきましょう。今回は、学童保育の経営に関する内容や成...
【採用担当者向けコラム】保育士採用で合同説明会に出展するメリット。成功の秘訣
保育事業者にとって合同説明会への出展には、どのようなメリットがあるのでしょうか。採用の成功率をアップするために、出展を検討する採用担当者の方もいるかもしれません。今回は保育士さん向けの合同説明会の活用...
学童保育の採用に人材紹介サービスを利用するメリットと注意点。活用するポイント
学童保育の採用に人材紹介サービスを利用するべきかと悩む事業者の方はいませんか。「手数料が高いのでは?」「希望する人材の紹介が受けられるのか」と不安を抱くこともあるでしょう。今回は、学童保育の採用に人材...
【採用担当者向けコラム】退職代行を使われた時はどうする?保育園に連絡が来た時の対処法
職員から退職代行サービスを利用して退職の申し入れがあった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。連絡が来た時点で直接該当の職員とやり取りすることが難しいため、戸惑ってしまいますよね。今回は退職代行...
ジョハリの窓とは?4つの窓の内容や注意点、具体例をわかりやすく解説
「ジョハリの窓」という自己分析ツールはご存じですか。「開放」「秘密」「盲点」「未知」の4つの窓を用いて、自分や他者からの印象を認識していく手法です。今回は、ジョハリの窓の概要や企業内での導入時の注意点...
今、重要視される「学び直し」は保育士に必要?園側が取り組む具体例
社会人の学び直しが注目されている昨今、雇用側の環境整備が求められます。今回は、保育士の学び直しが必要なのか、園側の取り組みや具体例についてわかりやすく解説します。保育士がやりがいをもって働ける職場を作...
人的資本経営とは?保育園経営に活用するメリットや保育士育成のポイント
人的資本経営とは、企業の人材を「資本」と捉え、人材の価値を高めることで企業価値の向上を目指す経営手法です。近年注目されている経営手法のひとつで、さまざまな企業で導入されています。今回は、人的資本経営の...
学童保育を開業するために必要な資格・条件・補助金制度について徹底解説!
全国的に学童保育の拡充が求められている今、学童保育施設を開業するためには何が必要なのでしょうか。今回は学童保育の開業に必要な条件や手続き、補助金制度などを紹介します。学童保育の開業は主に自治体から業務...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
保育士の指導方法3種類
siro46/stock.adobe.com
保育士に求められる基本的な能力がわかったところで、実際に指導を進める際に有効な方法を見ていきましょう。
初任者研修
初任者研修とは、入職後すぐのフォローアップを目的に行う基本的な研修のことです。
内容としては、園の保育方針や一日の流れの説明、基本的なルールの確認などが多いでしょう。
初任者研修を充実させることで、新しい職場への不安を解消し、スムーズに仕事に慣れていってもらえるというメリットがあります。
ただ、話を聞いたり資料を読んだりするだけでは実際の仕事でうまく動けないことも多いため、実践的な内容も織り交ぜて行うことがポイントです。
OJT
OJTとは「OntheJobTraining」の略で、実際に保育に入って仕事をしながら必要なスキルを身につけていくやり方を指します。
現場の流れに早く慣れてもらえるうえ、その方の得意・不得意や現状のスキルに合わせて教え方を変えられるという特徴があります。
注意点として、現場が多忙だと丁寧な指導が難しかったり、先輩との相性によってはなかなか育成が進まなかったりするため、定期的に指導内容や進度を確認する必要があるでしょう。
園内研修
特定の研修テーマを設定して、自園の保育士さんが参加して相互に学び合う園内研修というやり方もあります。
実施方法の自由度が高く、参加者の関心や必要なスキルに応じて柔軟に内容を変更できるのはメリットです。
ただ、子どもがいる時間帯に開催しようとすると参加できる人数に限りがあるのは懸念です。また、研修内容を保育士さんに考えてもらう場合、負担が大きくなる可能性があるので注意するとよいでしょう。
保育士の指導における6つのポイント
最後に、保育士さんの指導を行うときに意識したいポイントをまとめました。
①クラスごとの人材配置を工夫する
クラス担任の人材配置は、保育士さんの経験や特性をもとに工夫することが重要と言えます。
例えば、若手の保育士さんにはベテランの方といっしょに複数担任クラスに配置する、
スキルが身についてきた中堅保育士さんは一人担任を任せるなどが挙げられるでしょう。
保育士さん同士の相性やコミュニケーションの取りやすさも意識して配置を組むとよいかもしれません。
②日頃からコミュニケーションを取る
保育士さんとの信頼関係を築くため、日常的にコミュニケーションを取ることが大切です。
挨拶に一言付け加えたり、クラスの子どもや受け持っている仕事で不安がないかさりげなく聞いたりなど、こまめに声をかけることで話しやすい雰囲気を作っていきいましょう。
③定期的に話を聞く
定期的に面談を実施して、保育士さんの様子をチェックしましょう。
1カ月~3カ月に一度ほどの頻度で行うことで、変化に気づきやすくなるようです。入職してすぐの方は1週間に一度実施するなど、頻度は状況に応じて変更するとよいですね。
④仕事の目的を説明したうえでお願いする
保育士さんに仕事を頼むときは、行う目的やその方にお願いした背景を説明することが大切です。
なぜやるのかを理解してもらうことで、保育士さん自身が判断基準を持ったり、責任感を持ってまっとうしたりすることにつながるでしょう。
⑤本人のモチベーションを尊重する
保育士さんはそれぞれ、子どもにこんな経験をしてほしい、こんな保育をしたいと意思を持って仕事をしていることが考えられます。
モチベーションをアップさせるためにも、保育士さんが考えた保育内容や行事計画について指導する際は、本人の意思・意欲を認めたうえで指導することが大切です。
また、若手の先生にはあえて行事の担当など責任ある仕事を任せることで、仕事への意欲や責任感につながるかもしれませんね。
⑥全員で話し合いをする場を作る
園の方針や行事の運営方法といった重要なことを決める会議は、役職を持つ保育士さんのみが参加するという園も多いものです。
効率的に話し合いができるというメリットはあるものの、若手の保育士さんにとって園のことがどのように決まっているかイメージしづらいというデメリットも挙げられます。
園全体に関わる内容は、全員が議論に参加できる場を設けてもよいかもしれません。
すぐには難しくても、園の方針がどのような意図・背景で決定しているか説明するなどの工夫をすることで改善しそうですね。
園全体で保育士の指導・育成に力を入れよう
今回は、現場の保育士さんの指導・育成方法やポイントについて紹介しました。
子どもと関わる保育スキルはもちろん、コミュニケーション能力やチームワークなど、保育を進めるうえで必要な力をバランスよく育めるよう計画していきましょう。
「自園の保育士さんの得意・不得意を把握できていない」
「どんな風に指導をすればいいか知りたい」
といったお悩みを抱える園長先生は、保育現場専門のマネジメントツールの導入を検討してみませんか?
保育士バンク!が開発した「保育士バンク!パレット」は、自動アンケートを通じて保育士さんのコンディションや必要なフォローを把握できるマネジメントツールです。
導入費用や活用の方法は、貴園の状況に応じて担当者が丁寧にご説明いたしますので、下記からお問い合わせくださいませ。
保育施設の採用課題へのお取組み支援
保育士バンク!からのご提案
- 人材紹介サービス
- 求人広告制作代行
- 就職・転職フェア
- 認知拡大、情報発信支援
保育施設が抱える人材確保や採用課題について、保育士バンク!の担当エージェントがしっかりとサポートいたします。
各サービスへのご質問、採用課題・経営課題についてのご相談についても受け付けております。
人材紹介&求人広告採用のお問合せはこちら
お問合せ&資料ダウンロード
採用課題・経営課題に関する個別ご相談、お問合せはこちらからお願い致します。