長年見直しがなされていない保育士の配置基準。保育の質の向上のためにも、見直しが提言されていますが、具体的にいつ頃に変更されるか、どのような基準になるのか気になる方も多いでしょう。今回は、保育士の配置基準の見直しについて、2023年の最新情報をもとに詳しい現況と、今後園側で取り組んでいきたいことについて紹介します。
kapinon/stock.adobe.com
目次
なぜ保育士の配置基準の見直しが必要?
保育の質向上が課題となっている昨今、保育士の配置基準の見直しが話題となっています。
園の職員や管理者の方々の中にも、ニュースを目にした方は多いかもしれません。
そもそも配置基準とは、保育士一人が見守ることができる子どもの人数を定めたものです。
ただ、現状の基準では子どもに寄り添った保育の実現・安全性の確保は難しいという声が現場から寄せられているようです。
子どもの年齢 | 子どもの人数:保育士の人数 |
---|---|
0歳児 | 3:1 |
1~2歳児 | 6:1 |
3歳児 | 20:1 |
4~5歳児 | 30:1 |
中でも、4歳児・5歳児の配置基準については1948年の制定から75年も同じ基準のまま運用されているという実態があります。
時代によって保育に要請される内容は変化する一方で、現状に即した基準への見直しが急務と言えます。
また、自治体によっては独自の配置基準を設けているところもあるものの、自治体による配置基準の格差も問題視されており、国による制度拡充が待たれる状況となっています。
では、実際に配置基準の見直しはどれほど進んでいるのでしょうか?
お問合せ&資料ダウンロード
採用課題・経営課題に関する個別ご相談受付やサービスガイドなどの資料DLはこちらからどうぞ。
まずはお気軽にお問合せください!
【2023年版】保育士の配置基準の見直しは進んでいる?
現在、政府内で配置基準の見直しが検討されている状況で、具体的には下記のような動きがあります。
- 4・5歳児クラスの配置基準の見直しに関わる要望が提言される
- 基準以上に職員配置を充実させる園に対し、補助金を支給する法案が提出される
これらの提言や法案は、今後の少子化対策の土台として検討されるため、引き続き政府の動向に着目する必要がありますね。
読んでおきたいおすすめ記事
【採用担当者向けコラム】保育士の新卒採用やることリスト。テンプレに使えるチェックシートを紹介
新卒採用は計画的に進めることが重要。保育士を目指す学生の動きは年々早期化しているとも言われるため、事前に「やることリスト」をまとめておくとスムーズです。そのうえで、早め早めに動くことが採用成功の近道で...
【採用担当必見】保育施設のお悩み対策診断。今、あなたの園に必要な対策は?
保育施設の運営にまつわる課題は、採用・定着・園児集客など、園によって本当にさまざまです。一体、自園にとって必要な対策は何なのか?「保育施設のお悩み対策診断」を使って調べてみましょう。 &n...
【採用担当者向けコラム】保育士の意向調査実施マニュアル。来年度に向けた準備のポイント
保育士さんに向けて来年度の就業意思を確認する意向調査では、どんなことに配慮して進めるとよいでしょうか。今後の園の運営や保育士さんの育成に関わることなので、慎重に行なうことが大切です。今回は、意向調査の...
【採用担当者向けコラム】意向調査で「退職希望」を示している保育士の引き止めはできる?
意向調査で退職の希望を示している保育士さんの引き止め方を知りたいと感じる採用担当者の方もいるでしょう。保育士不足が続く中、頼りにしていた保育士さんが抜けてしまうと運営が苦しくなりますよね。今回は、意向...
【2024最新】保育士不足が続く原因は?解消に向けた国・自治体・園の対策も解説
なぜ保育士不足が続くのでしょうか。子育て支援の重要性が増す中で、資格を持ちながらも保育士として就業する人が少ない状況を受け、国や自治体ではさまざまな対策を行なっています。今回は、深刻な社会問題でありな...
【2024年最新】学童保育の補助金はいくら?開業や運営に関わる助成金について
全国的に共働き家庭が増えたことで、小学生の居場所となる学童保育の拡充が求められています。実際に学童保育の開業や運営を目指す場合、国や自治体からいくらの補助金を受け取れるのでしょうか。今回は、学童保育の...
【採用担当者向けコラム】保育士の人材紹介手数料は高い?相場や会社による違いを解説!
保育士採用でも利用される「人材紹介」。手数料が何十万にも上ったという話を聞き、利用を迷っている採用担当者の方もいるかもしれません。今回は、保育士の人材紹介について、手数料の相場と費用が高いと言われる理...
【採用担当者向けコラム】真面目な人ほど急に辞めるのはなぜ?保育士が突然退職する理由と対策
真面目な人から急に辞めると告げられて、「何がよくなかったのか…」と頭を抱える採用担当者の方もいるのではないでしょうか。おとなしい人や優秀で勤勉な保育士さんほど、職場にストレスを抱えているかもしれません...
【採用担当者向けコラム】人材紹介会社が保育士さんを紹介してくれないのはなぜ?原因と対策
人材紹介会社を利用したにもかかわらず「保育士さんを紹介してくれない」と悩みを抱える方はいませんか?採用活動がスムーズに進まないと人材不足が解消されず、運営に支障をきたすケースも。今回は人材紹介会社から...
転職フェア出展は意味がない?採用できない?保育士を集客するためのポイント
多くの保育士さんと出会い、自園の魅力を直接伝えられる「転職フェア」。人材確保のチャンスになる機会ですが、出展しても意味がないのでは、採用できないのではと不安を抱く方もいるでしょう。今回は、転職フェアで...
放課後等デイサービスの職員採用の方法は?求める人材に出会うコツ
保育・福祉業界では人材不足が深刻化しており、放課後等デイサービスについても採用に苦戦する施設があるでしょう。特に児童発達支援管理責任者(児発管)の不足は、全国的に大きな課題となっています。今回は、放課...
時短勤務とは?保育園が導入するメリット・デメリットや注意点
2009年度の育児・介護休業法によって制度化された「時短勤務」。正式には短時間勤務制度と呼ばれ、3歳に満たない子を療育する労働者を対象に多くの方が利用しています。今回は時短勤務の概要や対象者、導入状況...
学童保育の経営に必要な基礎知識!開業の流れや必要コスト、成功のポイント
学童保育の開業を考えている方は、開業の流れやランニングコストの目安を把握しておくことが大切です。学童保育を経営するうえで必要な基礎知識をチェックしていきましょう。今回は、学童保育の経営に関する内容や成...
【採用担当者向けコラム】保育士採用で合同説明会に出展するメリット。成功の秘訣
保育事業者にとって合同説明会への出展には、どのようなメリットがあるのでしょうか。採用の成功率をアップするために、出展を検討する採用担当者の方もいるかもしれません。今回は保育士さん向けの合同説明会の活用...
学童保育の採用に人材紹介サービスを利用するメリットと注意点。活用するポイント
学童保育の採用に人材紹介サービスを利用するべきかと悩む事業者の方はいませんか。「手数料が高いのでは?」「希望する人材の紹介が受けられるのか」と不安を抱くこともあるでしょう。今回は、学童保育の採用に人材...
【採用担当者向けコラム】退職代行を使われた時はどうする?保育園に連絡が来た時の対処法
職員から退職代行サービスを利用して退職の申し入れがあった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。連絡が来た時点で直接該当の職員とやり取りすることが難しいため、戸惑ってしまいますよね。今回は退職代行...
ジョハリの窓とは?4つの窓の内容や注意点、具体例をわかりやすく解説
「ジョハリの窓」という自己分析ツールはご存じですか。「開放」「秘密」「盲点」「未知」の4つの窓を用いて、自分や他者からの印象を認識していく手法です。今回は、ジョハリの窓の概要や企業内での導入時の注意点...
今、重要視される「学び直し」は保育士に必要?園側が取り組む具体例
社会人の学び直しが注目されている昨今、雇用側の環境整備が求められます。今回は、保育士の学び直しが必要なのか、園側の取り組みや具体例についてわかりやすく解説します。保育士がやりがいをもって働ける職場を作...
人的資本経営とは?保育園経営に活用するメリットや保育士育成のポイント
人的資本経営とは、企業の人材を「資本」と捉え、人材の価値を高めることで企業価値の向上を目指す経営手法です。近年注目されている経営手法のひとつで、さまざまな企業で導入されています。今回は、人的資本経営の...
学童保育を開業するために必要な資格・条件・補助金制度について徹底解説!
全国的に学童保育の拡充が求められている今、学童保育施設を開業するためには何が必要なのでしょうか。今回は学童保育の開業に必要な条件や手続き、補助金制度などを紹介します。学童保育の開業は主に自治体から業務...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
【2023年版】保育士の配置基準の見直しに向けて園が取り組むこと
siro46/stock.adobe.com
現在進められている配置基準の見直しに向けて、今後保育園はどのようなことに取り組んでいくべきなのでしょうか?
子どもの人数を確認して現状を把握する
預かり時間などをもとに各クラス、各時間帯で何人子どもがいるのか確認しましょう。
そのうえで、現状必要な人員が正しく配置されているか改めてチェックします。
また、基準を満たしていても人員が手薄だと、保育士さんの突然の休みなどに対応できない可能性もあります。
現場の業務の棚卸しをする
配置基準を満たしていても、掃除や書類作成など他の業務が逼迫していると、現場でゆったりと子どもを見守ることができません。
現場の保育士さんにヒアリングを行い、保育以外に発生している業務と必要な工数を洗い出してみましょう。
業務全体に余裕を持って取り組めるような人員配置にすることで、保育士さんに余裕が生まれ、結果的に保育の質向上につながっていきます。
保育士の採用を進める
今後、配置基準が引き上げられることを見越して人材確保を進める必要があります。
入ってほしい時間帯や求めるスキルをもとに、理想の人物像を整理したうえで募集をかけると効率的です。
採用に困った際は、採用支援を行なっている会社に相談してみるのも一手。効果的な求人募集のかけ方や近隣エリアの市況観といった情報の共有を得ながら効率よく採用を進められることがメリットです。
>保育業界専門の採用支援サービス「保育士バンク!」の詳細はこちら
保育士の配置基準の見直しに向けて準備しよう
長年見直しがされていない保育士の配置基準ですが、ようやく見直しが提言されています。
今後、配置基準が引き上げられることを見通して、余剰人員を確保しておくことが重要になります。
保育士の採用にお困りの場合、業界専門の採用支援サービス、保育士バンク!にご相談ください。
まずは費用感を知りたい
質の高い人材を採用したい
といった気になるポイントにお答えいたします。
「まずは相談だけ」「とりあえず話を聞いてみたい」といったご要望も大歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください。
保育施設の採用課題へのお取組み支援
保育士バンク!からのご提案
- 人材紹介サービス
- 求人広告制作代行
- 就職・転職フェア
- 認知拡大、情報発信支援
保育施設が抱える人材確保や採用課題について、保育士バンク!の担当エージェントがしっかりとサポートいたします。
各サービスへのご質問、採用課題・経営課題についてのご相談についても受け付けております。
人材紹介&求人広告採用のお問合せはこちら
お問合せ&資料ダウンロード
採用課題・経営課題に関する個別ご相談、お問合せはこちらからお願い致します。