保育士の採用選考で面接官が聞いてはいけないタブーな質問には、どのようなものが挙げられるのでしょうか。求職者に向けて不適切な問いかけを行うと、公正な選考に支障をきたす可能性があるでしょう。今回のコラムでは、採用面接時に聞いてはいけないNG質問例や採用選考の際に注意することなどを詳しく紹介します。
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目次
面接官が質問する際のタブーな質問を知ろう
保育士さんを選考するうえで大切な「採用面接」。
面接を担当する方は、事前に不適切(タブー)な質問は避け、公正な選考を行うことが重要になります。
基本的なルールや考え方をきちんと把握して、人材確保に役立てていきましょう。
まずは、厚生労働省の資料をもとに採用選考における注意点を紹介します。
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面接官が保育士さんの採用選考で気をつけること
公正な採用選考を意識する
採用選考では、「公平性を保つこと」を重視することが大切です。
厚生労働省の公正な採用選考の基本の資料においても、求職者の就職の機会の均等の確保や基本的人権を尊重するために、公正な採用選考を行うことの重要性について言及しています。
そのため、保育園で採用選考を実施した際も「面接で応募者と話したが、相性が自分と合わなそうだ」、「面接をした際に、この園のイメージと合わないと感じる」など、抽象的な判断で採用の合否を決定しないように心がけましょう。
このようなあいまいな判断を避けるためにも、自園ではどのような人物を求めているのか、選考基準を明確にするとよいかもしれません。
求職者の適性・能力のみを基準に選考する
採用選考の公正を保つためには、求職者の適性・能力のみを基準として選考することが重要でしょう。
例えば、面接時に「家族構成を教えてください」、「出身地はどこですか」など、求職者の適正や能力に関係のない事柄を質問すると、応対の仕方によって採用選考に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
実際に2019年にハローワークが採用選考の実態を調査したところ、以下のように多くの事業者が不適切な質問を投げかけていることがわかりました。
面接時に家族に関する事柄の質問してしまう事業者が約4割と最も多く、次に「思想11.3%」、「住居状況7.6%」など、求職者の適正・能力に関係のないことを聞いてしまう場合があるようです。
そのため、保育士さんの面接時においても面接官はタブーな質問を事前に把握し、適切に採用選考が行われるように気をつけていきましょう。
出典:自社の採用選考における質問事項をチェックしてみましょう!/厚生労働省
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面接官が聞いてはいけないタブーな事項
ここで面接時に聞いてはいけないタブーな事項について詳しく紹介します。
質問時に気をつける項目は以下の通りです。
- 求職者に責任がない事項
- 本来自由であるべき事項(思想や信条にかかわること)
- 男女雇用機会均等法に抵触する可能性のある事項
面接時に場を和ませようと、無意識に不適切な問いかけをしていることもあるかもしれません。保育士さんの採用面接の際においても、タブーな問いかけとならぬよう、心がけていきましょう。
面接時に不適切な質問例を各事項に基づいて具体的に紹介いたします。
【NG質問例】求職者に責任がない事項
求職者に向けて、出身地や家族に関することなど責任のない事項の質問は避けるようにしましょう。
本籍や出生地に関すること
-
- あなたの出生地はどこですか
- 言葉になまりがありますが、どこの出身ですか? など
本籍や出身地は大切な個人情報のため、このような事柄は聞かないように気をつけましょう。
家族に関すること
- 家族はどんな仕事をしていますか
- 家族構成を教えてください
- 世帯収入を教えてください
- お子さんはどこの高校に通っていますか など
家族の職業や続柄、健康面や学歴などに関する質問は避けましょう。
住居状況に関すること
- ご自宅はマンションですか、それとも一軒家ですか
- ご自宅の間取りは3LDKですか など
住宅の種類や間取り、部屋数など住居に関するさまざまな事柄の質問をしないように気をつけましょう。
生活環境・家庭環境に関すること
- お子さんがまだ小さいので、育児と仕事の両立は難しいですか
- 家の近くにスーパーがあると便利ですよね。よく行かれるんですか など
求職者との話の流れで生活や家庭環境に関する質問をしてしまう場面もあるかもしれません。保育士さん面接する際も十分注意しましょう。
【NG質問例】本来自由であるべき事項(思想や信条にかかわること)
宗教や思想に関すること
- 信仰している宗教はどこですか
- 宗教の集会に参加することはありますか など
宗教の自由が認められていますので、上記のような質問は避けましょう。
支持政党に関すること
- どこの政党を支持しますか
- 以前の選挙ではどこに投票しましたか など
政党や投票に関する質問をしないように気をつけましょう。
人生観、生活信条に関すること
- 尊敬する人物について話をしてください
- いままで働いた場所で尊敬する人はいましたか など
求職者自らが尊敬する方のお話をされることもありますが、面接官が積極的に質問することは避けましょう。
上記の他にも労働組合や購読新聞・愛読書など、本来求職者の自由であるべき事項について尋ねることがないように注意することが大切です。
【NG質問例】男女雇用機会均等法に抵触する可能性のある事項
男女雇用機会均等法では、採用選考の際の性差別が禁止されています。
そのため、面接時に差別につながる質問は避けるようにしましょう。
例えば、「子どもが産まれたときに女性には就業継続意思を確認するが、男性には確認しない」、「男性には力仕事を任せることを伝え、女性には伝えない」といった状況にならないよう、気をつける必要があります。
また、保育士さんの面接時に男性の方に向けて「女性はクラス運営を任せるが、男性は力仕事を主に行ってもらう可能性がありますが大丈夫ですか?」など、性差別と捉えかねない質問などもNGです。
男女で異なる取り扱いにならないように十分注意しましょう。
出典:自社の採用選考における質問事項をチェックしてみましょう!/厚生労働省
保育士採用の成功に向けて、面接官のタブーな質問事項を把握しよう
面接時には求職者の緊張をほぐそうとつい、家族や生活環境に関することなどを話題に出すケースもあるかもしれません。
しかし、不適切な事柄を質問すると職業差別につながる可能性があります。
保育士さんの面接時においても、職歴やこれから遂行する業務に関することを中心に尋ね、不適切な質問とならないように気をつけることが大切です。
面接官は事前にタブーな質問事項や聞いてはいけないNGワードなどをきちんと把握し、公平な採用選考が行われるよう、心がけていきましょう。
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