「保育士修学資金貸付」や「潜在保育士の再就職支援」など、保育士向けの貸付事業があるのをご存じでしょうか。採用活動を行ううえで、国や自治体が策定した支援制度を活用することで保育士さんの就職や復職の後押しになることも考えられます。今回のコラムでは、保育士向けの貸付事業の概要について詳しく紹介します。
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目次
保育士向けの貸付事業を人材確保に役立てよう
人手不足が取りざたされるいま、保育士さんの労働環境の改善のために「家賃補助」や「修学資金」などの貸付事業制度が充実しています。
しかし、求職者の中には制度の存在を知らずに転職活動を行っている場合や現場復帰を躊躇しているケースもあるかもしれません。
国や自治体より制定された保育士向けの支援制度を活用することができれば、働きやすい環境作り上げ、人材確保を行う際に役立てられるでしょう。
まずは、厚生労働省の資料をもとに貸付制度について詳しく紹介します。自治体によって要件が異なる場合ため、お住まいの地域で制度内容を確認するとよいでしょう。
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保育士修学資金貸付
保育士養成施設に通う学生に対して修学資金の一部を付ける制度です。
対象者
厚生労働省が指定する保育士を養成する学校の学生
貸付額(貸付期間:最長2年間)
- 学費月額5万円
- 入学準備金20万円(初回のみ)
- 就職準備金20万円(初回のみ)
- 生活費加算月額4~5万円程度
※生活保護受給者及びこれに準ずる経済状況の者に限ります。
※卒業後に5年間の実務従事により返還を免除されます。
採用活動に活用するメリット
求職者の方の中には、卒業後に生活が困窮している中で、就職活動を行っている方もいるかもしれません。
保育士修学資金貸付は卒業後に5年間保育施設に働くことで返還の免除を受けられます。長期的な人材確保にもつながるため、面接などで制度の活用について話し合いを設けるとよいかもしれません。
出典:児童福祉法/厚生労働省
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対象者
保育所等に雇用されている未就学児をもつ保育士であって、保育施設に新たに勤務する方または産後休暇又は育児休業から復帰する者
貸付額(貸付期間:1年間)
5.4万円の半額(月額)
※再就職後、2年間の実務従事により返還を免除されます。
採用活動に活用するメリット
現場復帰を考えてはいるものの、月数万円の保育料がかかることを考えると一歩踏み出せないという求職者の方もいるかもしれません。
この制度を活用することで復職の後押しになることも考えられるため、制度の利用を促すことで人材確保に役立ちそうです。
潜在保育士の再就職支援
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潜在保育士が再就業する場合の就職準備金の一部の貸付けを行う制度です。
対象者
保育士養成施設の卒業または、保育士試験の合格から再就職日まで1年以上経過している方
貸付額
40万円以内
※2年間の実務従事により返還を免除されます。
採用活動に活用するメリット
潜在保育士の方の中には再就職に不安を感じている方もいるかもしれません。この制度を活用すると、保育所で使用する服や勤務先に移動のための自転車購入費などに充てることができます。
子どもの預け先を探すための活動費用も対象となるため、面接時などで制度の紹介をすることで、復職の後押しにつながりそうですね。
未就学児を持つ保育士の子どもの預かり支援
未就学児をもつ保育士が勤務時間(早朝または夜間)において、自身の子どもの預け先がない場合にファミリー・サポート・センター事業やベビーシッター派遣事業などを利用する料金の一部を支援します。
対象者
未就学児をもつ保育士で保育所を利用し、預かり事業を利用する方
貸付額(貸付期間:2年間)
事業利用料金の半額
採用活動に活用するメリット
採用活動の中で早朝や夜間を担当する保育士がなかなか見つからず、応募が集まらないケースもあるかもしれません。
この制度を活用することで、保育士の費用負担が減るだけでなく、職員の募集もしやすくなるでしょう。
自治体独自の保育士向け貸付事業、支援制度(奈良県奈良市)
自治体独自の保育士向けの貸付制度を設けているところもあります。
ここでは、奈良県奈良市の保育士試験による資格取得支援事業を紹介します。
奈良市では保育士試験により資格を取得後に、保育所などの対象施設で1年以上保育士として勤務した方に対し、受験のための学習に要した費用の一部を支援しています。
※年度ごとに支援を終了している場合もあります。
対象者
保育士試験合格後、1年以内に保育士登録を行い、奈良市内の対象の施設(保育所や小規模保育事業A型など)で1年以上保育士として勤務する方
※奈良市外居住者も対象
補助額
対象経費の50%(上限額150,000円)
採用活動に活用するメリット
保育学生さんの中には、資格取得のために費用(受講費用、入学料など)に多額の費用がかかっている場合もあるでしょう。
求職者の中に学生の方がいる場合は制度を活用することで、補助を受けられることをお話してみるとよいかもしれません。
支給申請し、1年間勤務することで交付申請を受けられるため、自園での就職を決めるきっかけとなることも考えられます。
保育士人材の確保に貸付事業を役立てよう
保育士の資格取得や復職を支援するために、国や自治体ではさまざまな貸付事業を策定しています。
貸付事業を活用することで採用活動の幅が広がり、求職者の職場復帰を後押しにもつながるかもしれません。
また、事業者向けの支援制度などもあることから、年度ごとに厚生労働省や自治体のホームページをチェックして保育に関する制度を把握しましょう。
保育施設の採用課題へのお取組み支援
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