採用活動を進めるうえで、転職活動を行っている保育士さんが重視するポイントについて把握することも大切でしょう。転職先に求める条件としては、通勤時間や勤務日数、労働時間などさまざまな項目が挙げられます。今回は、保育士さんの再就職に向けて重視するポイント、希望条件を意識した採用活動の取り組み方について紹介します。
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目次
採用活動では保育士の求めていることを知る必要がある
保育士の人材不足の中、採用を成功させるためにはどうすればよいのかと悩むこともあるかもしれません。
採用活動をする際にまず、求職者が転職活動の際に重視するポイントについてきちんと把握することが大切です。
保育士さんがどのような希望をもって再就職に望んでいるのかをきちんと知ることによって、要望を意識した求人票の作成や面接の応対ができ、採用の成功にもつながるでしょう。
厚生労働省の資料をもとに、どのような点を保育士さんが重視して転職活動を行なっているのかを紹介します。
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保育士が転職活動で重視している希望条件とは
厚生労働省「保育士さんの現状と主な取組」の資料を見てみると、「過去に保育士として就業した者が再就業する場合の希望条件」は以下のようになっています。
出典:保育士さんの現状と主な取組/厚生労働省から抜粋
全体で「通勤時間」が(79.9%)で最も多く、次いで「勤務日数」(77.8%)と「勤務時間」(76.3%)と、保育士さんが労働条件に重視して転職活動を行っていることが分かります。
そのほか、「給与」などの待遇面(63.7%)、「雇用形態 パート・非常勤採用」(56.0%)といった自身のライフスタイルに合った雇用を希望している方が多いという結果になりました。
このようなことから、保育士さんが転職活動の際に重視するポイントを具体的に考え、それぞれの項目に沿って、採用活動を進めるうえで必要な取り組みを考えてみましょう。
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保育士が転職活動で重視するポイント:通勤時間
「通勤時間」を重視する理由
保育士さんだけでなく、一般企業に再就職する際も「通勤時間」を重視して転職活動を行っている方は多いことでしょう。
保育士の仕事は子どもの保育活動だけでなく、園児の管理、連絡帳の記入、月案、日案、指導案などの文書作成、行事の企画、準備など多岐に渡り、仕事量が多いことから労働時間が長くなることも考えられます。
持ち帰り残業が発生する場合もあり、業務負担を考えて、通勤時間はせめて短い方がよいという気持ちをもった保育士さんが多いのかもしれません。
施設によっては、早朝保育や夜間保育などさまざまな時間帯で保育を担当することを考えると、通勤時間を短時間にすることで、きちんとプライベートの時間を確保したいという思いもあるでしょう。
「通勤時間」を意識した取り組み
採用活動を進める際に、求職者が「通勤時間」を重視して転職活動を行っている場合にどのような点を意識すればよいのでしょうか。
求人票の作成
求人票の作成する際に、就業場所の欄に住所の記載はもちろん、「最寄り駅から徒歩〇分」、「〇駅から〇〇バスで〇分」など求職者が通勤をイメージできるように具体的に記載するとよいでしょう。
車通勤可能の場合は求職者が安心して通勤できるように「駐車場有り」、「ガソリン代支給」などの内容を具体的に求人票に記載しましょう。
そうすることで、仕事先への通いやすさを重視している求職者の目に留まりやすくなるかもしれません。
面接の応対
面接において、求職者の方から通勤時間について、通いやすいか、通勤時間はどのくらいかかるのかなど、確認されることが多いでしょう。
その際はできるだけ通う立場に立って話を聞き、何か通勤において不安はないか採用担当者側から声をかけることも大切です。
中には「少し家から遠く、転職に迷いがある」など、不安を抱えて面接に来る保育士さんもいるかもしれません。
実際に通勤した際のことを想定して相談に乗れるような雰囲気を作り、面接の応対を行いましょう。
保育士が転職活動で重視するポイント:勤務日数、労働時間
「勤務日数、時間」を重視する理由
保育士さんは勤務日数が多さや労働時間も長い職種というイメージがあり、なかなか休日が取れないのではないかという不安を抱えながら、転職活動を行っている方もいるでしょう。
子育て中の保育士さんなどは特に、子どもの行事の参加を考えると、休日の取りやすさや勤務日数、労働時間の融通が効くことを重視する傾向にあるかもしれません。
そのため、転職活動において就業先の「勤務日数、労働時間」といった労働条件は、重視するポイントのひとつでしょう。
「勤務日数、労働時間」を意識した取り組み
採用活動を進める際に、求職者が勤務日数や労働時間を重視して転職活動を行っている場合にどのような点を意識すればよいのでしょうか。
求人票の作成
勤務日数について、園によってシフト制や週休2日制などを取り入れており、さまざまな形態があるでしょう。
求人票を作成する際は、「有休休暇〇日取得可能」、「子どもの行事に合わせて休日取得可能」など安心して休日の取得ができることを記載すると、求職者の心をつかむきっかけとなるかもしれません。
また、労働時間においては「9時~14時、15時~19時内で短時間勤務可能」など融通が効く園であることをアピールしたり、園内のシフト体制を整備し、「休憩時間は必ず1時間取得できる」など労働時間に重点を置いた取り組みを行ったりすることも大切でしょう。
面接の応対
面接する際は、勤務日数や労働時間において話を進める中で、求職者の生活状況の聞き取りを行うことは非常に重要になります。
求職者が動きやすい時間帯などを把握せずに採用してしまうと、実際に働いた場合に、ライフスタイルと勤務形態が合わなかったという理由から早期離職につながることも少なくないようです。
勤務日数についても求職者の希望を聞き、実際の園の勤務形態の例などを伝え、求職者が安心して働けるような和やかな雰囲気で応対していきましょう。
保育士が転職活動で重視するポイント:待遇
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「待遇」を重視する理由
保育士さんの処遇改善が注目される中、仕事量や責任量に比べて給料が安いというイメージをもっている求職者も多いことでしょう。
また、キャリアアップなどをした際に、給与アップのシステムがあるのかを重視している保育士さんもいるようです。
転職活動を進めるうえで、仕事内容と見合った給料を取得したいという想いをもつのは当然かもしれません。
「待遇」を意識した取り組み
採用活動の中で待遇面を充実させたいと考えていても、すぐに時給アップ、給与の昇給を行うことは難しい場合もあるでしょう。
国としては、2019年時点で保育士さんの待遇改善に向けて、月額約3000円程度の昇給や、技能・経験に応じて月額5000円から40000円の給与改善の取り組みなどを行っています。
保育士さんの中には、待遇改善の取り組みが行われていることを知らない求職者もいるかもしれません。
まずは、面接などで国からの待遇改善について説明しましょう。
丁寧に説明することで、保育士さん自身がこの園なら安心して働けるのではないかという想いを抱くきっかけとなるかもしれません。
また、求職者を集めるためにも、園として独自に経費の削減やキャリアアップシステムの見直しなど、待遇改善に向けて取り組みを行い、働きやすい環境を作り上げていくことも大切でしょう。
保育士が転職活動で重視するポイント:雇用形態
「雇用形態」を重視する理由
保育士さんの雇用形態は、正社員・非正規社員・パートの3つに分かれます。「長期的に安定した収入を得たい」「長く働いたうえでボーナスが欲しい」などの場合は、正社員を希望する方も多いでしょう。
また、子育てをしている保育士さんの場合は、パートを希望し、自分のライフスタイルに合った雇用形態を重視して転職活動を行うことが考えられます。
「雇用形態」を意識した取り組み
雇用形態である正社員・非正規社員・パートについては、各園によって募集人数は異なります。
採用活動に向けて現場をしっかり把握したうえで、どのような雇用形態の求職者が必要なのかをしっかりと考えて求人票の作成を行いましょう。
また、採用担当者の方が行うべき雇用形態を意識した取り組みとしては、パート、非正規社員がのちに正社員となれるシステムを構築することが大切かもしれません。
子育てをしている保育士さんはパートを希望する方も多いものですが、いずれ子どもが手を離れたときに仕事をより充実させたいと考える場合もあるでしょう。
そういった想いをバックアップする意味でも、システムの構築に目を向けてみるとよいかもしれません。
このようなキャリアアップのシステムを作ることは、採用活動においても自園のアピールポイントのひとつとなるでしょう。
保育士さんが転職活動の際に重視しているポイントを意識して、採用活動を成功に導こう
今回は、採用活動を進めるうえで必要な保育士の転職活動の際に重視するポイントについて紹介しました。
転職者の多くが労働条件や待遇面に目を向けています。
採用担当者の方は、自園のアピールポイントを明確にして、どのような点が求職者の心をつかむきっかけとなるのかを考えたうえで、求人票の作成や面接の応対などを行うとよいかもしれません。
また、待遇面の改善や雇用形態のシステムの構築については時間がかかる場合もあるでしょう。
長期的な計画を立て、現在保育士さんが働きやすい環境を作り上げることも大切にしながら、採用活動に取り組んでいきましょう。
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