保育におけるデイリープログラムは子どもたちの成長や発達を促し、充実した一日を過ごすための重要な指針です。しかし、作成方法に悩む方も多いのではないでしょうか? 今回は、保育におけるデイリープログラムの作成手順やポイント、具体例を解説します。子どもたち一人ひとりに寄り添った、笑顔あふれるデイリープログラムを作成しましょう。
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保育におけるデイリープログラムとは?
保育におけるデイリープログラムは、子どもたちが心身ともに健全に成長するための一日の活動計画のことをいいます。別名「日案」と呼ばれることもあるようです。
保育園や幼稚園では、子どもたちの発達段階に応じてさまざまな活動を用意します。事前にデイリープログラムを作成し、活動や休息、食事などの時間をバランスよく配置することで、子どもたちの健全な成長を促すことができそうです。
具体的なデイリープログラムの作成の目的は以下の通りです。
安全で充実した一日を過ごすための基盤を作る
デイリープログラムは、子どもたちに一日を安全に過ごしてもらい、充実した園生活を支えるために作成します。
子どもの発達段階にあわせた活動内容や適切な休息時間、食事時間の確保などを考え、安心して活動に参加できる環境を整えることに役立ちます。
保育の質の向上に役立てられる
デイリープログラムを作成すると、どのようなねらいをもって保育に取り組むかが明確になります。
例えば、子どもたちの運動能力を高めるために縄跳びや徒競走などの活動を取り入れることもあれば、想像力や創造力を育てるために折り紙やお絵描きなどの製作遊びを取り入れることもあるでしょう。
デイリープログラムを通じて、その日の保育のねらいを明確にしたうえで子どもと向き合えるため、保育の質の向上に役立ちます。
保育士間の連携を強化する
デイリープログラムは、保育士さん同士の連携を強化するための重要なツールのひとつです。
プログラムに基づいて日々の活動を計画し、実施することで、保育士同士が情報を共有しやすくなるでしょう。
これにより、保育士さんが適切な対応を考えたうえで言葉がけなどを行なうことができ、子どもたち一人ひとりに寄り添う保育を実践できそうです。
保護者との情報共有を促進する
保育士さんは日々、保護者と協力して子どもの成長を見守ります。
保護者とデイリープログラムを共有すると、その日の活動内容や子どもたちの様子を伝えやすいでしょう。
デイリープログラムを通じて、コミュニケーションの機会が増え、信頼関係の構築にも役立ちます。
保育におけるデイリープログラムの作成手順
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先述の通り、デイリープログラムは保育を行なううえで重要な役割を担います。
ここからは、保育におけるデイリープログラムを作成する場合の手順を詳しく見ていきましょう。
1.目標を設定する
まず、子どもたちの年齢や発達段階に応じた目標を設定します。
年齢別の目標例は以下の通りです。
- 0歳児:ふれ合い遊びを通して保育士とのスキンシップを図り、安心感を得る
- 1歳児:居心地のよい環境の中でお気に入りの遊びを見つけるよろこびを知る
- 2歳児:園生活のなかで短いフレーズや簡単な言葉を使って友だちとコミュニケーションを図る
- 3歳児:規則正しい生活リズムの中で過ごし、ルールのある遊びを楽しみながら協調性を養う
- 4歳児:友だちと遊ぶ楽しさを感じながら、お互いに気持ちを伝えあう大切さを知る
- 5歳児:グループ活動の中で自分が興味のあることや関心のあることを友だちに伝え、自己表現の大切さを知る
子どもたちの普段の様子をふまえて、目標を立てましょう。
2.活動内容を計画する
次に、設定した目標を達成するための具体的な活動内容を計画します。
子どもたちの成長や発達にあわせて、運動遊びや製作遊びなどの中から活動を選びましょう。子どもの興味や関心がある事柄をピックアップして、取り入れてみるのもよいですね。
そのうえで、予想される子どもの姿や保育士さんの援助、必要な言葉がけなどを記載していきましょう。
3.時間配分を決める
一日の中でいくつかの遊びを取り入れるため、各活動にどのくらい時間がかかるのかを予想したうえで、十分な時間を確保しましょう。
子どもたちの集中力や体力にあわせて、時間配分を調整します。
4.環境設定をする
デイリープログラムを作成するときは活動内容にあった環境設定を行なうことが大切です。
安全面に配慮しながら、子どもたちがのびのびと活動できる環境を用意しましょう。
遊具や教材の配置、部屋のレイアウトなどを考え、図などを記載するとよさそうです。
5.振り返りを行なう
活動終了後には振り返りを行ない、改善点を見つけることが大切です。
振り返りを行なうことで次回のデイリープログラムの作成に活かすことができるでしょう。
保育士同士で意見を交換し、今後の保育に役立てられるとよいですね。
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子どもたちの普段の様子を振り返りながら、必要な援助や言葉がけを記入するとよいでしょう。
また、個別に支援が必要な子どもへの対応があれば記載し、保育士さん同士で共有しておくとよさそうです。
保育におけるデイリープログラム作成のポイント
最後にデイリープログラムを作成するときのポイントを紹介します。
多様な活動を取り入れる
デイリープログラムには、さまざまな種類の活動を取り入れることが大切です。
子どもたちそれぞれの能力を引き出せるような活動を取り入れていきましょう。
室内遊びや戸外遊びの活動を取り入れる際は、以下の記事を参考にしてくださいね。
柔軟性を持ち、常に改善する
デイリープログラムは、子どもたちの様子や状況にあわせて、ねらいを変えたり活動内容を入れ替えたりしましょう。
例えば、予定していた活動がうまくいかない場合や子どもたちの気分が変わった場合には、プログラムを調整する必要があるでしょう。
柔軟性をもって対応し、改善点があれば次のデイリープログラムの作成時に活かしていきましょう。
保育の質の向上を目指してデイリープログラムを作成してみよう
デイリープログラムは、子どもたちの成長を支えるうえで重要な活動計画です。
子どもたちが充実した園生活を送れるよう、デイリープログラムを通じて計画を立て、保育の質の向上を目指していきましょう。
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