交通費(通勤手当)は、勤務先への通勤にかかる必要な費用のことをいいます。保育士さんが業務上で公共交通機関などを利用した場合、園側は条件にあわせて交通費を支給する義務がありますが、通勤手当の支給は任意です。今回は交通費(通勤手当)の種類や計算方法を徹底解説します。支給する際のチェックポイントも確認し、適切な交通費支給に役立てていきましょう。
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交通費(通勤手当)とは
交通費は、通勤や出張などで公共交通機関や自家用車などを利用する場合に必要な費用を支給する、福利厚生の一つです。
園側は、業務上で出張などの費用が発生した場合、条件にあわせて支給する義務があります。一方で、通勤にかかる費用に関しては法的な義務はなく、支給するかどうかは園側の判断に委ねられています。
ここでは、通勤手当に関する支給パターンを見ていきましょう。
全額支給
全額支給とは、通勤にかかる全ての費用を支給する方法です。
保育士さんの経済的な負担が軽減されますが、園側の負担が大きいというデメリットがあります。
一部支給
一部支給とは、園側が日別単位で支払う額の上限を設定し、その範囲内で支給する方法です。
園側の経済的負担が軽減されますが、上限が超えてしまう保育士さんに追加の負担がかかってしまいます。
一律支給
一律支給とは、設定された通勤手当をすべての従業員に均等に支給する方法です。
日月単位で決まった金額を支給するため、園側は計算する手間が省けるというメリットがあります。
ただ、一律支給では、実際に通勤にかかった費用よりも少なく済む場合もあれば、超過する場合もあります。
このように通勤手当の支給パターンはそれぞれメリット・デメリットがあります。園側の人件費の予算などを踏まえて、交通費(通勤手当)の支給についてルールを決めていきましょう。
交通費(通勤手当)の計算方法
交通費(通勤手当)の支給に関してルールを決めたら、具体的な費用を計算して算出しましょう。
通勤手段により非課税限度額や計算方法が異なるため、以下の3つのパターンで説明します。
公共交通機関を利用する場合
まず、保育士さんに自宅から勤務場所までのルートを申請してもらいます。合理的なルートとして申請内容に問題がないか確認しましょう。
一般的には利用区間にあわせて1カ月の定期代を支給することが多いようです。場合によっては3カ月や6カ月の定期代を一括で支給することもあります。
公共交通機関を利用する場合は、非課税限度額は1カ月15万円以下です。限度額を超えた金額については1カ月あたりの給与として課税されます。
自家用車を利用する場合
自家用車を利用する場合は、地図などを用いて合理的な通勤ルートを申告してもらいましょう。
通勤に要する自宅から勤務場所の往復の距離を基に、通勤費を算出します。
一般的な算出方法は以下の通りです。
「自宅と園の往復距離×1カ月の平均労働日数×ガソリン代÷平均燃費」
また、交通費は一定の限度額まで非課税とされていますが、限度額を超えた場合は1カ月あたりの給与として課税されます。
以下のように片道の通勤距離により非課税限度額は異なります。
出典:No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当/国税庁から引用
公共交通機関と自家用車を併用する場合
公共交通機関と自家用車を併用して通勤している場合は、それぞれの規定方法で費用を算出し、合算したものを支給しましょう。
この場合も合理的な通勤ルートかチェックすることが大切です。
交通費(通勤手当)を支給する際のチェックポイント
最後に、交通費(通勤手当)を支給する際の注意点を紹介します。
通勤ルートは適切か
公共交通機関を利用した交通費を計算する場合は、出発駅が「保育士さんの自宅の最寄りの駅」、到着駅が「園の最寄りの駅」でなければなりません。
通勤ルートを確認し、正しい経路なのかをチェックしましょう。
また、経済的なことを考えて最安のルートを申告してもらったものの、実際には他のルートよりも通勤時間が長く、保育士さんに負担がかかっている場合があるかもしれません。
その際は保育士さんと話し合いを行ない、総合的に判断したうえで適切な通勤ルートを決め、費用を支給しましょう。
申請内容と通勤経路に相違がないか
交通費(通勤手当)は、実際の通勤経路に対して支給します。申請内容と実際の通勤経路に相違があった場合に不正受給が起こる可能性があります。
きちんと申請内容と通勤経路が一致しているのかを確認しましょう。定期的にICカードの利用履歴の提出を求めるというのもひとつの手段かもしれません。
出典:No.2585マイカー・自転車通勤者の通勤手当/国税庁
交通費計算を適切に行ない、保育士さんに支給しよう
交通費(通勤手当)の支給には法的義務はないため、各園で支給方法は異なります。
通勤ルートが適切か、申告内容と通勤経路に相違はないかを確認し、適正な額を支給することが大切ですね。
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