保育士さんに向けて来年度の就業意思を確認する意向調査では、どんなことに配慮して進めるとよいでしょうか。今後の園の運営や保育士さんの育成に関わることなので、慎重に行なうことが大切です。今回は、意向調査の目的やいつ行うか、意識したいポイントについて紹介します。来年度へ向けた配置の検討・採用活動への活かし方もまとめました。
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目次
保育士向けに行なう意向調査とは
意向調査を行なう目的
保育士さん向けに実施する意向調査とは、来年度の就業意向について調査をする場です。
意向調査で園にいる保育士さん全員の進退を確認して、来年度の職員配置を検討したり、採用活動の必要性を判断したりします。
すなわち、意向調査には来年度の人事に向けた準備と調査を兼ねた役割があります。
意向調査を行なう時期
一般的に9月~11月に意向調査を行なう園が多いようです。
ただ、8月頃に実施して早めに来年度の準備を進める園、保育士さんにじっくり判断してもらうため12月頃に行なう園なども存在するため、いつ実施するかはさまざまと言えます。
自園がいつ頃から来年度の採用・職員配置を検討するか、年間のスケジュールを確認したうえで意向調査の時期を決定するとよいでしょう。
意向調査でヒアリングする内容
意向調査で保育士さんに聞くのは、一般的に以下の内容が多いようです。
- 来年度の就業を継続する意思
- 系列園や本部などへの異動希望
- 職場への不満・懸念の有無
進退の希望を確認するとともに、現在職場で困っていることや不安なことはないかヒアリングするよい機会でもあります。
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保育士に向けた意向調査の進め方
意向調査の進め方について、実施のポイントとともに順を追って紹介します。
1.全体に向けて来年度の意向に関するアンケートを行なう
まずは、職員全体に向けて来年度の意向についてのアンケートを取ります。
回答期間には1週間~2週間ほど余裕を持たせておけば、保育士さんもしっかり考えたうえで回答できるかもしれません。
2.気になる回答があった保育士に向けて面談を設定する
アンケートの回答が集まったら退職・異動希望などを出している保育士さんと個別で面談をします。
仮に意向調査の時点で退職希望を出していても、勤務時間や配置の調整などを行なうことで継続を選んでもらえることも。その際にはしっかりと思いや事情を聞き取り、寄り添いながら面談を進めることが大事です。
なお、職員数が少ない場合は、全員を対象に来年度の仕事について話し合う面談を行なってもよいですね。
3.意向調査の内容をもとに来年度の配置・採用方針を策定する
意向調査のアンケートや面談結果をもとに、来年度の職員配置や採用方針について検討を進めます。
意向調査の面談を通じて、単純な職員数や採用の有無はもちろんですが、今の園で改善するべきポイントが見えてきているかもしれません。
来年度、どのような方針で園を運営していくかについてもセットで考えていくことで、よりよい園作りに向けて対策できるでしょう。
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保育士向けに意向調査を行なう際に配慮するポイント
意向調査の実施にあたって、保育士さんに配慮するとよいポイントをまとめました。
保育士さんが安心して回答できる形式を取り入れる
進退にはプライベートな事情が関わるため情報が漏れないよう慎重に行なう必要があります。
意向を回収するアンケートは、内容が他の保育士さんに見えてしまわないよう、書類を封筒に入れて園長に直接提出するなど配慮をしましょう。
アプリやICTシステムを利用して、スマートフォンから回答できるようにするのも一つの手ですよ。
退職・異動希望の保育士さんがいても無理な引き止めはしない
退職や異動を希望する保育士さんに対して、面談を通じて退職せずに済む方法がないか相談することもあるでしょう。
ただし、強く引き止めすぎると保育士さんに無理をさせてしまい、結局体調を崩すなど取り返しのつかないケースに至る可能性もあります。
保育士さん一人ひとりの事情や思いに配慮し、寄り添いながら今後の働き方についてすり合わせることが大切です。
意向調査の実施後に予定が変わることも念頭に入れておく
意向調査は秋頃に行なう園が多いですが、ヒアリングを実施してから保育士さんの意向が変化する可能性も考慮しておくとよいでしょう。
秋~冬の行事ラッシュを経て業務量の多さから退職を決意する保育士さんや、急な家庭の事情の変化によって退職を余儀なくされる保育士さんもいるかもしれません。
念のため保育士さんには「なるべく意向調査の場で来年度の進退を確定させてほしい」と伝えつつも、もしものケースに備えて心構えをしておくことが大切ですね。
意向調査の結果、保育士の採用が必要になったら?
保育業界は採用難が続いていることもあり、退職希望の保育士さんがいた場合、早期に来年度の採用活動を始める必要があります。
特に、経験年数の長いベテランの保育士さんや人手不足の時間に入ってくれている保育士さん、正職員の保育士さんが退職する場合、なかなか代理の人材が見つからないことも。
現行の求人手法だけではなく、新しい方法も検討したいですね。
ハローワークや求人サイトなど検索型のツールだけでなく、人材紹介などの導入も検討して柔軟に採用活動を進めていくことが大切です。
意向調査は保育士に配慮しつつ計画的に行なうことが大切
今回は、保育士さん向けの意向調査をいつ行なうか、目的や進め方、意識するポイントについてまとめました。
意向調査を通じて来年度の進退を確認するとともに、来年度の職員配置・採用活動に向けた準備を進めていきましょう。
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