テレビなどのメディアでたびたび取り上げられる保育士不足は、日本の深刻な社会問題のひとつです。しかし、実際にどのくらい不足しているのかまでは、詳しく知らない人のほうが多いでしょう。そこで今回は保育士不足の現状はもちろんのこと、その原因も併せて解説します。保育士不足解消に向けた国の取り組みについても確認しておきましょう。
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保育士不足の現状とは
保育士不足の現状について、最新のデータをもとに詳しく解説していきます。
全国的に保育士が不足している
厚生労働省が発表したデータによると、令和4年10月の保育士の有効求人倍率は2.49倍となっていました。
全職種の有効求人倍率が1.35倍であるのに比べると、保育士は1.14倍も高くなっているため、保育士を探している保育施設がたくさんあるという状況がうかがえます。
各都道府県別に保育士の有効求人倍率を見ても、その大半が2~3倍を超えている状況です。このことから、全国的に保育士不足になっていることがわかります。
保育士登録者数は多いが従事者は少ない
厚生労働省が発表したデータによると、令和2年時点で保育士登録者数は約167万3000人となっています。
しかし、これはあくまでも保育士登録が済んでいる人数を示しているデータです。実際に保育の現場で働く保育士従事者数は、約64万5000人しかいないという結果となりました。
つまり、保育士資格を取得していても、約102万8000人が保育士として働いていない状況であることがわかります。このような保育士のことを潜在保育士といいます。
離職率は私立保育園のほうが高い
保育士の離職率は、厚生労働省が発表した令和2年時点のデータによると保育所全体で9.3%となっています。
公立と私立で分けると、公立が5.9%なのに対し、私立が10.7%と公立よりもはるかに高い結果となりました。
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保育士不足になってしまう原因
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全国的に保育士不足となってしまう状況には、いくつか理由があります。ここでは、保育士不足になってしまう主な原因を確認しておきましょう。
給与が低い
厚生労働省が発表したデータによると、令和4年の保育士の平均給与額は約26万8000円でした。
全職種の平均給与額が約34万円であることを考えるとかなり低い給与であることがわかります。
保育士という仕事の負担の大きさや責任の重さに比べて、給与がかなり低いことが保育士不足の原因に直結しているということでしょう。
責任が重い
保育士はたくさんの子どもたちの命を預かる仕事のため、プレッシャーを感じることが多いといいます。
また、保育中に子どもがケガをしてしまったり、事故が起きてしまったりすると、さらに精神的な負担を感じてしまうこともあるようです。
このような命を預かるという責任の重さに耐えることができず、保育士を辞めてしまうという選択をする人も少なくありません。
負担が大きい
保育士は子どものお世話をすることが主な業務だと思われがちですが、連絡帳の記入や保護者に渡すおたよりの作成などの事務作業などもこなします。
これらの業務はまだシステム化されていないものが多く、手書きでの記入が必須なものもあります。
特にイベント時期は業務が集中するため、勤務時間内に仕事を終わらせることができず、自宅に持ち帰って残業する人もいます。
人間関係に悩んでいる
保育士は子どもたちだけでなく、その保護者や上司、同僚など多くの人と接するため、コミュニケーション力が必要です。
多くの人と関わるため、人間関係に苦労する可能性も考えられます。気を遣う場面が多いところも、保育士不足に繋がっている原因のようです。
就業時間が合わない
共働き世帯の増加に伴い、多くの保育所では子どもの受け入れ時間を長めにしたり、土日祝も対応していたりするところが増えつつあるようです。
子どもを預ける側の保護者にとっては嬉しいですが、働く側の保育士にとっては早朝・夜間勤務、土日出勤などが発生しやすくなってしまいます。
この場合、ワークライフバランスが取りにくくなってしまうため、特に家庭がある人にとっては就業時間が合わないと感じてしまうようです。
休みが取りにくい
保育士は週休2日制のところが多いですが、実際に休めるタイミングは保育園によって異なります。まとまった休みが取りにくいところが多いのが現状です。
特にイベント時期だと準備をする時間も必要となるため、休日出勤をする保育士も少なくありません。
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出典:令和4年賃金構造基本統計調査/e-Stat政府統計の総合窓口
働きやすい環境をお探しの方は保育士バンク!にご相談を
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この状況を解決するためにも、国はさまざまな施策に取り組み、保育士として働きやすい環境の整備を目指しています。
保育士バンク!では、保育士の仕事をお探しの方のためにその人に合った保育園をご提案します。現在の環境にお悩みの方はぜひ保育士バンク!にご相談ください。
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