子どもといっしょに保育園で楽しむ読書週間のアイデアを探している保育士さんもいるのではないでしょうか。読書週間は子どもが本を読むことで想像力を養ったり、いろいろなことを考えたりと、成長を育むよい機会といえるでしょう。今回は子どもへの読書週間の伝え方や図書館に出かけるなど、保育園での行事の楽しみ方を紹介します。
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目次
読書週間とは
2022年の読書週間は、10月27日から11月9日です。
読書週間は、「読書の力で平和な文化国家を創る」ことを目的に制定され、公益社団法人読書推進運動協議会が主催しています。
現在では、読書週間の標語が公募から決定されており、読書の大切さを広く呼びかける活動を行っているようです。
ここでは、読書週間の歴史やロゴマークについて詳しくみていきましょう。
読書週間の歴史
読書週間が誕生した背景には、1923年に発生した関東大震災が深く関係しています。
震災によって、多くの出版物が建造物の倒壊から起きた火災などによって消失されたといわれています。
震災の翌年に、日本図書委員会が本を読む大切さを呼びかけるための読書運動を始めました。この運動が読書週間の原点となったようです。
終戦後の1947年には、数多くの出版社や書店図書館が参加し、新聞社やマスコミの協力を得て、現在の読書週間の第1回目が開催されました。
当初の実施期間は1週間でしたが、大きな反響があり現在の2週間に拡大されたといわれています。
また、毎年の読書週間の初日が文字・活字文化の日になっており、第1回目の読書週間から12年後の1957年には「こどもの読書週間」が始まりました。
5月のこどもの日を中心に考えられ、現在では4月下旬から5月上旬に開催されています。
読書週間のロゴマーク
出典:読書週間マーク/公益社団法人読書推進運動協議会から抜粋
読書週間のマークは、ふくろうがモチーフとなっています。
ギリシャ神話ではふくろうが学問や芸事、知恵を司る女神の使者となった動物とされているようです。
読書推進運動協議会においても、賢さが感じられるすまし顔のふくろうの姿をシンボルマークとしてふさわしいものとし、長い間、読書週間のロゴマークとして使用しています。
保育園で読書週間を子どもに伝えるポイント
ここでは、保育園でより読書週間を楽しむために、子どもへの伝え方のポイントを紹介します。
読書週間の意味をわかりやすい言葉で伝える
まずは、読書週間は何をする日なのか、子どもにわかりやすい言葉で話しましょう。一例を紹介します。
【読書週間の意味の伝え方例】
- 「読書週間というのは、本を大切にする日のことだよ。」
- 「保育園には本がたくさんあるから、みんなが本をいっぱい読んで楽しめるように読書週間の期間は長いんだよ。今日から〇〇日までいっしょにいろいろな本を読んでみよう。」
読書については、「子どもが読むもの」というよりも「みんなでいっしょに読むもの」といった姿勢で伝えると、本にあまり関心がない子どもも受け入れやすいかもしれません。
工作やお絵かきなど日常の保育活動と区別せずに、みんなで楽しむ気持ちを大切にできるとよいですね。
読書週間の歴史について簡単に説明する
震災や戦争について詳しく説明するのではなく、「過去にたくさんの本が失われたできごとがあったこと」「本を大切にする気持ちをもつこと」などを中心に話すとよいでしょう。
【読書週間の歴史の伝え方例】
- 「昔、大きな地震があってたくさんの本が燃えてしまったんだよ。でも今はたくさんの本があるから、大切にしようね。」
- 「みんなも大好きな絵本が地震で全部なくなってしまったら悲しいよね。大好きな絵本を大事に使っていこうね。」
- 「昔地震があったときとは違って今は本がたくさんあるね。だから今ある本を大事にしようね。」
読書週間ができた理由を話すことで、子どもが改めて本を読む楽しさに気づいたり、本を大切にする気持ちを持ったりできるかもしれません。また、どんな本を読んでみたいか意見をきいてもよいでしょう。
子どもがたくさんの本を読んで、好きな本が増える楽しさを味わえるとよいですね。
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保育園でできる読書週間に楽しみ方アイデア
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ここでは、保育園でできる読書週間の過ごし方アイデアを紹介します。
図書館におでかけしよう
クラスごとにいくつかのグループに分かれて、図書館を訪問してみましょう。
たくさんの本が並んでいる光景を楽しんだり、保育園にはないさまざまな絵本を知ったりと、子どもがいつもとは違う環境で本を楽しめる機会になるかもしれませんね。
大好きな本を紹介してみよう
子どもが自分の好きな本を友だちに紹介したり、友だちから好きな本を教えてもらったりすることで、読む本の幅を広げることができるかもしれません。
また、子ども同士で好きな絵本の感想を伝えあってもよいですね。
読書週間の季節にちなんだ本を読んでみよう
読書週間が行われている秋の季節をテーマにした本を選び、読み聞かせを行いましょう。
読書週間の季節にまつわる本を読むことで、読み聞かせを終えた後も、子どもが絵本の内容や読書週間がどの時期にあったのかを思い出しやすくなります。
また、季節にまつわるモチーフを見たときに本について考えるきっかけとなるかもしれません。絵本への関心を継続することにつなげられるとよいですね。
小さな図書館をつくろう
保育園にある絵本の貸出を行い、「ミニ図書館」を開催するとよいでしょう。
実施可能な範囲で園の本を貸し出す期間を設け、おたよりなどで保護者の方へお知らせするとよいかもしれません。
子ども同士で図書館のスタッフ役を担当する日を決めて交代制で運用したり、実際に貸出カードを作ったりと、本当の図書館のように進めても楽しめるでしょう。
保護者の方と借りた本について話すなど、家庭でも子どもが本に触れる時間を設けられるとよいですね。
保育園での読書週間後の取り組み例
読書週間後も子どもが読書を楽しむ気持ちを保てるように、保育園でさまざまな取り組みができるとよいですね。
ここでは、読書週間後の保育園での取り組みの例を紹介します。
いつも本がそばにある環境を作る
まずは園内の環境を整えるとよいでしょう。
子どもが保育園で過ごす時間帯は机や段ボールなどを使って台を作り、本を並べておくとよいかもしれません。
いつも目に触れやすい場所に置いておくことで、子どもが好きなときに絵本に手をのばしやすく、本に触れる機会も増えるでしょう。
日常的に環境を整えることが難しい場合は、曜日や日程を決めて実施するなど、保育園の状況に応じて進めやすい方法を考えられるとよいですね。
本のジャンルを制限しない
「この絵本を読もう」「このジャンルはダメ」など、大人による本の指定はせずに、子どもが興味を持った本を自身の意思で読める環境を整えることも大切です。
できる限り幅広いジャンルの本に触れることで、子どもの好奇心を養う機会を作りましょう。
絵本の内容が子どもに悪影響を及ぼすのではないかと心配になる場合は、最初から園児の目にふれないように棚に閉まっておくなど、工夫するとよさそうです。
子どもとの日常会話に本の話題を出す
日頃から子どもと話をするときに保育士さんが読んだ本を紹介したり、子どもが読んだ本を教えてもらったりして、絵本についての話題を投げかけましょう。
「すごいね!もうその本読んだんだね!」「次に新しい本読んだら教えてね」など読書に対して積極的に言葉を返すことで、子どもが本への興味が続くような働きかけをするとよいですね。
園のおたよりに絵本についてのコーナーを設ける
子どもに人気のあるジャンルの絵本やおすすめの本の情報を、おたよりを通じて保護者に伝える方法もあるでしょう。
おたよりの内容を元に、自宅でも子どもが絵本にふれることができると、読書の習慣化や興味を持つ本が増えることにもつながるかもしれません。
保育園での読書週間を通して、子どもといっしょに本の世界を楽しもう
今回は、保育園で楽しめる読書週間の過ごし方について紹介しました。
さまざまな絵本を読むことは、子どもが想像力を働かせ、いろいろなことを考えたり感じたりする力を養うことにつながるでしょう。
また、保育園のおたよりを通して、保護者の方と協力するなどして、子どもが本を楽しむ環境作りができるとよいですね。
読書の楽しさを子どもに伝え、園児たちといっしょにさまざまな絵本の世界観を感じていきましょう。