保育園でお月見製作をする際、指導案をどのように書けばよいのでしょうか。ねらいなどをふまえて活動すれば、子どもが秋の行事により親しめるかもしれません。今回は、お月見製作の指導案について、0歳児から5歳児の年齢別に導入や保育士の援助などのポイントを紹介します。あわせて、お月見行事の由来もまとめました。
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目次
保育園で行うお月見の行事とは
秋になると、日本の伝統行事であるお月見にちなんだ活動をする保育園もあるかもしれません。
絵本の題材や製作に、お月見のモチーフである月やうさぎ、だんごなどを取り入れると、気分が盛り上がりそうですね。
お月見製作に入る前に、導入として保育士さんが子どもにお月見の説明をする場面もあるでしょう。
まずは、お月見とはどのような行事なのか、みていきましょう。
お月見はいつ?
お月見とは、「中秋の名月」を鑑賞しながら秋の収穫に感謝する行事です。
旧暦では7月から9月が秋にあたり、秋の真ん中である8月15日の「中秋」は最も月が美しいとされていることから、「中秋の名月」と呼ぶようになったと言われています。
そのため、お月見は旧暦の8月15日の十五夜に行われており、新暦の現代では日程が毎年変動します。
ちなみに2021年は9月21日、2022年は9月10日となっているようです。
由来や起源
お月見は平安時代に中国から伝わった行事で、貴族が月見の宴を催して楽しんでいたことが始まりのようです。
やがてお月見が庶民へと広がり、実りに感謝する行事へと変化しました。
ススキを飾り、満月を表現する月見団子をお供えするという風習には、豊作を祈るという願いが込められているようです。
子どもがよりお月見行事に興味を持てるように、製作に入る前の導入として、お月見の由来や起源などを工夫して伝えてみましょう。
子どもが意欲的にお月見製作に取り組めるよう、事前に子どものとる行動などを予測しながら指導案を作成しておくことが大切です。
では、指導案の書き方を、「ねらい」「導入」「保育士の援助」の3つの項目に分けて紹介します。
【0歳児・1歳児向け】お月見製作の指導案作成のポイント
0歳児・1歳児クラスに向けた、お月見製作の指導案作成のポイントをまとめました。
ねらい
- お月見製作を通して、うさぎや月などに興味を持つ
0歳児や1歳児の子どもが、お月見製作を通して行事の雰囲気を感じられるようなねらいを定めてみましょう。
子どもに馴染みのあるお月見のモチーフを製作に取り入れれば、子どもが親しみをもって取り組めるかもしれません。
導入
0歳児や1歳児の子どもの場合、お月見についてよく知らない子どもが多いかもしれません。
そのため、意味や由来を説明するよりもお月見にまつわる絵本や手遊びなどを導入とすれば、行事の雰囲気を楽しむことができそうです。
お月見にちなんだ月やうさぎなどのモチーフを活用し、製作に関心を持てるような導入を考えるとよいでしょう。
保育士の援助
「ペタペタ」「ギュッギュ」などの擬音を用いながら保育士さんが楽しそうに製作する姿を見せれば、子どもたちもワクワクした気持ちになって製作意欲が高まるかもしれません。
製作に絵の具を使うときは手拭きタオルや雑巾などを用意し、汚れたらすぐ拭けるように準備しておきましょう。
0歳児や1歳児クラスでは、指スタンプなどの指先を使った製作を取り入れるとよいかもしれません。
以下で0歳児や1歳児が楽しめるお月見製作をいくつか紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
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【2歳児・3歳児向け】お月見製作の指導案作成のポイント
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2歳児・3歳児クラスに向けた、お月見製作の指導案作成のポイントを紹介します。
ねらい
- お月見の雰囲気を味わいながら製作を楽しむ
好奇心旺盛な2歳児や3歳児の子どもには、お月見がどのような行事なのかわかりやすく話してみましょう。
製作を通して、ハサミやのりなどの道具にも興味が持てるとよいですね。
導入
子どもが夢中になってお月見製作ができるように、事前に準備できることを工夫してみましょう。
月やうさぎなどを用いた絵本やシアターを見てから製作に入れば、お月見のイメージが膨らむかもしれません。
また、お散歩中に拾い集めた落ち葉をお月見製作で活用すると、秋の風情をより楽しむことができそうですね。
保育士の援助
2歳児や3歳児クラスでは、まだハサミやのりを上手に使いこなせない子どももいるでしょう。
使う道具の扱い方を丁寧に説明してからお月見製作に入り、戸惑っている子どもには個別に伝えるとよいかもしれません。
また、折り紙製作をするときは、大きめの紙を使って折り方の見本を示すと子どもが理解しやすくなりそうです。
【4歳児・5歳児向け】お月見製作の指導案作成のポイント
4歳児・5歳児クラスに向けた、お月見製作の指導案作成のポイントを紹介します。
ねらい
- 製作を通して、日本の伝統行事であるお月見に興味を持つ
- お月見について自分でイメージし、工夫しながら製作を楽しむ
4歳児や5歳児クラスでは、お月見行事の意味などをわかりやすく説明すれば、どのような行事なのかある程度理解できるかもしれません。
お月見に関心をもち、身近にある素材を活用して自分なりに考えながら製作を進められるとよいですね。
導入
4歳児や5歳児の子どもには、製作の前にお月見行事の由来や起源などに触れる時間を設ければ、より製作に興味を持てるでしょう。
内容が具体的に伝わるよう、キャラクターがお月見をしている様子をえがいた絵本などを用意するとよいかもしれません。
製作に入る前に、影絵でうさぎを作るなどお月見にちなんだ楽しい遊びをすれば、行事のイメージが膨らむきっかけになりそうです。
保育士の援助
お月見製作を通して子ども一人ひとりのアイデアが広がるように、さまざまな素材を用いて製作できる環境を整えましょう。
身近な素材を多く用意したり、多彩な折り紙や画用紙などを準備したりすれば、子どもは工夫しながらオリジナルの作品に仕上げることができるかもしれません。
保育士さんは、子どもの自由な発想を最大限尊重できるよう、子どもが戸惑っている場合のみフォローするとよさそうですね。
お月見製作の指導案の書き方を知り、保育園で秋の行事を楽しもう
今回は、お月見製作の指導案を書くときのポイントを、0歳児から5歳児までの年齢別に紹介しました。
0歳児や1歳児の子どもは、行事の意味を理解するのは難しいかもしれませんが、お月見にまつわる製作活動を通して、日本の伝統行事の雰囲気を感じられるかもしれません。
5歳児では、お月見の由来や意味を知ることで、より製作活動に興味を持つことができそうです。
お月見製作の指導案では、子どもの年齢に沿ったねらいや導入、援助を書くと、子どもに寄り添った活動につながるでしょう。
お月見製作を通して子どもが保育園で日本の風情を体感できるよう、保育士さんは指導案の書き方のポイントを押さえておきましょう。