求人を探す際に気になるのが勤務地。できれば最寄りの沿線沿いや住み慣れた土地で働きたいですよね。
保育園の求人の中には「勤務地選択可」のものがあるのをご存知でしょうか?
このコラムでは勤務地が選べる保育園にはどのような特徴があるのか詳しく解説します。
「勤務地選択可」の保育園とは?
まず、「勤務地選択可」の保育園とはどのような園のことをさしているのでしょうか?
「勤務地選択可」の保育園は、複数の系列園を展開している園のことです。一つの法人で、複数の園を全国展開していたり、首都圏や都道府県ごとなど、特定の地域で複数の園を運営しているため、保育士が希望する地域にある園を勤務先として選ぶことができます。
「勤務地選択可」の保育園のさまざまな特徴
こうした複数の園を運営している法人は、働く保育士の目線から見てもさまざまな特徴を持っています。次は、そうした特徴を一つひとつ解説していきます。
複数の系列園を展開!
勤務地が選べるということは、運営している法人が複数の園を運営しているということです。こうした系列園は、一般的に法人の目標とする理念や保育の方針を共有しており、園の雰囲気や保育のスタイルが似たものになるでしょう。
求人に掲載している福利厚生も系列園ごとに同じものを採用していて、給与にやや地域差はありますが、待遇はほぼ同じとなります。
保育業界では、全国的にみると依然として一つの法人が一つの園のみを経営していることが多く、こうした複数園を経営している法人の数は限られてきます。
2回の選考面接が一般的
こうした複数の園の人材選考のプロセスは、単体経営の園とは異なり、2回の面接を行うことが多いでしょう。1回目の面接は系列園を統括する法人の本部での面接。ここでは、保育士が自身の法人の保育理念に合っている人材かどうかを主に判断します。
2回目の面接は、保育士が勤務を希望する園での面接です。現場の採用担当者が面接を担当し、現場の目線から保育士がその園にふさわしいかどうかをチェックします。
もちろん、本社と勤務園での面接の順番が逆だったり、時には園面接のみの場合もあります。2回面接があるということは、それだけ多くのポイントを見られるということ。1園のみを運営する法人の場合とは異なり、面接の回数が多く、内定をもらうのはやや難しくなります。
どんな勤務地が選べるのか?ー園のタイプに注目
では、どんな勤務地が選べるのでしょうか?園を展開する法人にもいくつかのタイプがあります。全国に展開しているような大規模な法人の場合は、保育需要の高い地域に一園ずつ展開するような形で運営しており、ほぼすべての都道府県に園を持つ法人もあります。
こうした園は転勤の際に引っ越しが必要になる場合があります。また、地域ごとに差はありますが、どの地域でも、そのエリアの人口の多い場所に展開するので似たような環境で働くことになります。
また、ひとつの地域に特に集中しているような法人もあります。例えば千葉県だったら千葉県内のエリアに複数展開していたり、というようにその地域に密着・集中して展開している法人です。こうした園では、転勤があっても遠くに引っ越す必要がない場合が多いので、なるべく地元を離れたくないという方にはぴったりですね。
ほかにも、人口が密集している関東や関西などのエリアを単位に展開している法人もあり、これは全国展開タイプと、地域展開しているタイプの中間にあたります。転勤がある場合にも、比較的近い園への転勤となる場合が多いでしょう。
こうした法人では、場合によっては転勤もありますが、勤務地が遠方に変わり、引っ越しが必要な場合には引っ越し手当が支給される場合がほとんどです。上限は法人ごとに異なりますが、30~50万円程度に設定しているところが多いでしょう。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
在宅ワークで保育士資格を活かせる仕事とは?自宅でできる保育関係の仕事を徹底解説
通勤時間なく働ける在宅ワークをしたいと考えても「保育士は無理なんじゃないか……」とあきらめている方はいませんか?保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど、保育士の経験や資格を活かして自宅でで...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
勤務地選択可の保育園で働くメリット
こうした系列園を持つ保育園で働くのには多くのメリットがあります。それらのいくつかを見てみましょう。
勤務先を選べるメリット!
働く上で重要なのが、勤務地ですよね。「現在の家に近い通勤の便利な地域」、「実家が近い」、「以前住んだことがある」など勤務地に求める条件は人によってそれぞれ。複数園を運営している法人であれば、その中から自身の勤めたい場所にある園を選ぶことができます。
「この園の考え方がいいな」「自分に合っているな」と思っても、立地の条件で勤めたい園をあきらめてしまうのはよくあること。そんな中で、いくつかある候補先から勤務地が選べるのは大きなポイントです。
一つの法人の社員として一貫したキャリアが積める!
転勤があっても、キャリアを継続して積めるのも大きなポイントです。普通、園を転職した場合だと、前の職場での経験は一定程度考慮されますが、それでも、同じ園で働いてきた同僚と比べると昇進や昇給の点で不利になることもあります。主任や園長などの長い職歴が求められる役職へのキャリアアップに関しては、同じ園で長く務めた経験が評価されることもあり、差がついてしまうことも。
系列園で働くことは、系列園への転勤があっても同じ法人の社員として働き続けることができるため、一貫したキャリアとみられることでしょう。これは将来のキャリアアップを考えても大きなプラスになります。
充実した研修制度
研修制度が充実しているのも勤務地が選べる法人で働くメリットの一つ。複数園をもつ園では、各地の園に保育に関する共通の理念があります。そのため、新人研修や主任研修などの研修制度も系列園を一度に集めて実施する法人が多いです。こうした研修を通じて地域や園は変わっても、なるべく同じ理念、同じ質の保育を提供できるようにしているのです。
こうした研修では、他の園で働く同期入社や同年代の保育士と知り合う機会にもなり、日々の業務や仕事上での悩みを、同じ目線に立って相談できる友人を見つけることもできますよ。
勤務条件・福利厚生に差がない
転職などで園が変われば、福利厚生や勤務条件が変わるもの。ですが、勤務地選択可の保育園では各園での勤務条件や福利厚生を全園で統一しています。地域ごとの保育士の平均と比べて適切な額が異なるため給与面に地域差はでますが、勤務条件や福利厚生には差が出ません。
これは、すべての園で働く保育士さんを同じ職員として差を付けないという大規模な法人ならではの考えで、社会保険完備や社員全員がスパリゾート施設やテーマパークの優待を利用できるなどの、好待遇をしている法人も。どの園に配属になっても勤務条件や待遇が変わらないのは働く保育士さんにとって嬉しいですね。
まとめ
勤務地選択可の保育園には「勤務地が選べる」というだけではなく、転勤があってもキャリアを継続できたり、待遇に差がないというメリットがあります。こうした園は、社会福祉法人・株式会社を問わず、依然として多いとは言えませんが、近年の保育需要の増加から、これからも系列園の数を増やしたり、新たに保育事業を展開する法人が増えることが見込まれています。
気に入った求人があったら、その法人が自分の希望する地域にも系列園を展開しているか、チェックしてみてくださいね。