転職先の一つとして、児童養護施設を検討している保育士さんもいるかもしれません。児童養護施設とはどのような場所なのか、また働くうえで保育園とどのように違うのかなど気になりますよね。今回は、児童養護施設で働く保育士さんが求められる役割や仕事内容などを紹介します。あわせて、給料事情などもまとめました。
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目次
児童養護施設とは?
保育士資格を活かして働ける児童福祉施設はさまざまありますが、なかでも児童養護施設に興味を持っている方もいるでしょう。まずは、保育士として働くうえで知っておきたい施設の概要について紹介します。
施設の概要
児童養護施設とは、保護者がいない、あるいは虐待を受けているなどの理由から養護が必要とされる児童を入所させる施設です。
安定した生活環境を整え、生活指導や学習指導を通して子どもたちの成長と自立をサポートするのを目的として設置されています。
主に保護者が死亡、行方不明になっている児童や、育児放棄・虐待などを受けている児童が養護の対象です。
厚生労働省の資料によると、入所児童の65.6%が虐待を受けており、何らかの障がいをもつ子どもが36.7%を占めているため、職員同士が密に連携し、より専門的なケアを施すことが求められています。
施設数・利用児童数
厚生労働省の「社会的養護の施設等について」によると、2020年3月末時点で児童養護施設は612カ所あり、2万4539人の子どもが入所しています。
入所児童の平均在籍期間は5.2年ですが、全体の14.6%が10年以上在籍しているのが現状です。
働いている職員
児童養護施設では、以下のような専門資格を持つ職員が働いています。
- 施設長
- 児童指導員
- 保育士(0・1歳児1.6:1、2歳児2:1、3歳児以上の幼児4:1、小学生以上5.5:1)
- 嘱託医
- 個別対応職員
- 家庭支援専門相談員
- 栄養士(40人以下の施設は配置しなくても可)
- 調理員(調理業務を全部委託する場合配置しなくても可)
- 看護師(乳児がいる場合 乳児1.6:1)
- 心理療法担当職員(必要な児童が10人以上いる場合)
- 職業指導員(職業指導を行う場合)
児童養護施設では、さまざまな分野における専門家が連携し合い、協力体制を築いて子どもたちの養育に当たっています。
児童養護施設で働く保育士の役割・仕事内容
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では、児童養護施設で働く保育士さんの役割や仕事内容を見ていきましょう。
役割
児童養護施設は子どもを社会的に「養育」する施設です。
そのため、児童養護施設で働く保育士さんは父親や母親としての役割を求められることがあるようです。
子どもの成長を手助けするのはもちろん、将来施設を退所したあとに生きていけるよう、自立に向けた援助をするのが主な役割となります。
仕事内容
食事や排泄、入浴などの補助を行い、基本的な生活をサポートするのが主な仕事内容です。
また、掃除や洗濯など身の回りのことを身につける生活指導を行ったり、学習状況を把握し学力に応じたサポートを行う学習指導をしたりするのも仕事内容に含まれます。
他にも、子どもの学校行事に参加したり病院に付き添ったり、生活に必要なものを買ったりと、生活全般を支援するのが保育士さんの仕事内容です。
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児童養護施設で働く保育士の給料・求人事情
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続いて、児童養護施設で働く保育士さんの給料や求人状況をまとめました。
給料
児童養護施設で働く保育士さんの給料は、およそ18万円~20万円程度のようです。
施設や地域によって多少の違いはあるものの、保育園で働く保育士さんの給料と大きな差はないかもしれません。
なかには1年に2回、4カ月分以上のボーナスを支給している施設もあるため、月収を20万円と仮定すると年収は約320万円程度となりますね。
ただし、児童養護施設は24時間体制のため、場合によっては夜勤をすることもあるでしょう。
宿直手当や夜勤手当などが支給される施設もあるため、働き方によっては給料の上乗せが期待できるかもしれませんね。
求人
児童養護施設の保育士求人は、保育園や認定こども園に比べると少なめです。
雇用形態に関しては、正社員とパート・アルバイトのどちらも求人はあるものの、正社員募集のほうがやや多いのが現状となっています。
ちなみに、児童養護施設で働ける職種として「児童指導員」があります。
要件を満たして任用資格を取得すればなることができるので、保育士求人だけでなく児童指導員の募集にも目を向けてみるのもよいかもしれませんね。
保育士が児童養護施設で働くメリット・デメリット
続いて、保育士さんが児童養護施設で働くメリットとデメリットをまとめました。
メリット
子どもと深く関われる
児童養護施設で働くメリットとして挙げられるのが、常に子どもと近い距離でふれ合える点です。
食事や入浴、勉強など子どもの生活を全般的にサポートするため、家庭的な雰囲気で関わることができます。
保育園よりも近い距離で子どもと接したい方にとっては、うれしいポイントと言えるでしょう。
幅広い年齢の子どもと接することができる
児童養護施設は、場合によっては乳児から18歳まで幅広い年齢の子どもが入所しています。
保育園では接する機会がない小学生以上の子どもとも密に関われるため、さまざまな子どもへの接し方を学びたい方にとってメリットとなるでしょう。
子どもの成長をじっくり見守れる
子どもの成長を見届けられるのも、児童養護施設で働くメリットと言えます。
児童養護施設に入所する子どもは、保護者がいなかったり虐待を受けて心身に傷を負っていたりします。
そういった子どもたちが職員さんの生活指導や学習指導を通して自立し、退所していく姿を見届けられるのはやりがいを感じられるポイントとなるでしょう。
デメリット
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責任が大きい
児童養護施設で働くうえで、責任の重さを感じる保育士さんもいるようです。
保育士さんは子どもたちにとって親のような存在でもあるため、ときには子育てのような感覚になることもあるかもしれません。
常に子どもと近い距離で接するため、「自分の指導や支援が子どもの人生に影響するかも」と責任の重さを感じる場合もあるようです。
勤務スタイルが不規則になりがち
勤務が不規則になりやすいのも、児童養護施設で働くデメリットの一つです。
児童養護施設は24時間体制で運営されているため、シフトによっては夜勤や土日出勤などがあることも。
不規則な勤務体制では生活リズムを整えにくいため、きちんと休息を取れなかったり体力的に厳しさを感じたりしやすいでしょう。
ただし、その分宿直手当や夜勤手当などが支給されるケースもあるため、体力に自信がある方にとってはマイナスポイントにはなりにくいかもしれませんね。
子どもとの関わり方に悩むことも
児童養護施設で働くうえで、子どもとの関わり方に悩む保育士さんもいるようです。
保育園とは異なり、心理的・身体的に専門的なケアが必要な子どもがいるのが児童養護施設。
これまで保育園以外の施設で働いた経験がない保育士さんにとっては、接し方に難しさを感じてしまうかもしれません。
看護師さんや児童指導員さんなどと密に連携をとって、専門的なケアを学んでいくとよいかもしれませんね。
保育士が果たす役割などを知って、児童養護施設で働くことを検討してみよう
今回は、児童養護施設とは何か、また働く保育士さんの仕事内容や給料事情などを紹介しました。
児童養護施設とは、さまざまな理由によって社会的な養護が必要な子どもを入所させ、成長と自立に向けて支援する施設です。
児童養護施設で働く保育士さんは親のような役割を担い、子どもが自立できるよう生活面・学習面の指導を行っています。また児童指導員や個別対応職員など、専門的な資格を持つ職員と連携しながら子どものサポートに努めているようです。
今回紹介した内容を参考に、転職先の候補として検討してみるのもよいですね。
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