職場の近くで子どもを預かってくれる企業内保育園は、共働きママにとって頼もしい存在です。
そもそも企業内保育園とはどんな保育園なのでしょうか?
実は、いくつかタイプがあるようです。
そこで今回は、企業内保育園にスポットをあて、その特徴を紹介します。
企業内保育園とは?
企業内保育園とは、その名が示す通り、企業内や企業の近くに設置されている保育施設のことで、保育室や託児所なども該当します。
従来は、企業が100%持ち出しで運営する、従業員向けの福利厚生の一環でしたが、
2015年4月から政府の子育て支援策の一環として、事業所内保育事業の制度が導入され、企業内保育園への補助金が支給されるようになりました。
補助金を受けるためには、自治体の認可を受ける、地域の子どもたちの入園も受け入れるなど、いくつかクリアしなければならない条件があります。
また、これとは、別枠の制度として、自治体の認可を受けずに、企業が迅速に開園できる、「企業主導型保育事業」が2016年に導入されました。
この制度の導入を機に、企業内保育園を設置する企業が、今後、ますます増えていくことが期待されています。
現在、主流となっている企業内保育園に該当する保育施設は、さらにその運営スタイルによって、以下のようなタイプに分けられています。
1.企業の従業員の子どもだけが入れる(単独利用型)
企業が独自に設置し、運営していて、従業員の子どもだけが入園対象となっています。
2.企業の従業員の子どもだけでなく地域の子どもも入れる(地域開放型)
企業が独自で設置し、運営して、企業の従業員だけでなく、地域の子どもも入園対象となっています。
必ずしも、地域の子どもたちを受け入れなければいけないという義務はありません。ただし、事業所内保育事業の制度を利用している場合は、その義務が生じます。
3.企業の従業員の子どもだけでなく、近隣の企業の従業員の子どもも入れる(共同利用型)
共同利用型といわれていて、一企業が独自で設置、運営していますが、近隣の企業の従業員の子どもも入園対象となっています。
4.複数の企業が共同設置、共同運営している(共同設置型)
複数の企業が出資し合って設置、運営も共同で行っています。
出資している企業の従業員の子どもが入園できます。
企業内保育園は働くママの強い味方
タイプの違いはあれ、どの企業内保育園も、働きたいママにとって、強い味方になってくれる点においてはほぼ同じです。
企業内保育園は、働くママにとって、以下のようなメリットがあります。
1.保育園が勤務場所と近い
企業内保育園は、ママの勤務場所と近いために、お子さんの急病の知らせを受けても、すぐにかけつけることができます。
また、休憩時間など仕事の合間に我が子の様子を見にくこともできます。
お子さんのほうも、ママが近くにいてくれるという安心感から、情緒が安定しやすくなるようです。
2.職場が子育てに協力的
企業内保育園を設置している企業は、職場も従業員の子育てに協力的な傾向があります。
例えば、子どもが急病という知らせを受け、やむなく欠勤や早退する場合も、職場の人々の理解を得られやすいでしょう。
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■企業内保育園で働くメリットとは?
上記の保育園が勤務場所が近いという点は、働くママだけでなく、保育士の方にとってもメリットになります。
園児が急病になった場合も、保護者にすぐに連絡をとりやすく、対応もスムーズにできます。
また、ママが近くにいることで、園児の情緒が安定しやすいと、その分、園児とのコミュニケーションもとりやすく、保育的にもスムーズでしょう。
企業内保育園は、多くの場合、企業内の一室や近くのスペースに設置されていて、規模的には、小さめです。
預かる園児の数も少人数になる傾向があります。
保育士にとっては預かる園児が少ない分、目が行き届きやすく、園児一人ひとりに対して、手厚い保育にもつながります。
園児一人ひとりとの関わりも密になり、保護者との親交も深まりやすくなるようです。
また、単独型の企業内保育園の場合は、企業がお休みの日は、園もお休みになります。
例えば、完全週休二日制で、土日が休みの企業の場合は、企業内保育園もお休みになります。
また企業内保育園では、多くの場合、運動会や遠足など、保護者が参加する必要のある大がかりな行事は、あまり行われません。
大がかりなイベントは、同じ日に、企業の従業員でもある保護者が一斉に休みをとる必要があるためです。
大がかりな行事は、その準備に、それ相応の時間と労力が必要なもの。
保育士の方にとっては、はりきり甲斐がありモチベーションが上がる反面、やはりどうしても負担になりやすいでしょう。
企業内保育園では、大がかりな行事がない分、そのような負担から解放されることは、ある意味メリットといえるかもしれません。
企業内保育園についておわかりいただけたでしょうか?
待機児童問題に頭を悩ますこともなく、共働きのママたちが安心して働けるように、今後、企業内保育園がどんどん普及してくれることが、大いに期待されているようです。