保育園で働く看護師さんは子どもたちを安全に保育するうえで欠かせない存在です。病院から保育業界への転職を考える看護師さんも多く、魅力的な職業のひとつですよね。今回は保育園の看護師さんが果たす役割や仕事内容、給料などを詳しく紹介します。あわせて、働くうえでの辛いことや大変なこと、やりがいなどもまとめました。
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目次
保育園で働く看護師の必要性や配置基準
看護師資格をお持ちで保育園で働いてみたいという方はいませんか?
看護師さん
子どもが好きだから、病院を退職して保育園で勤務してみたいです。子どもの健康管理や体調不良時のお世話などをして成長をサポートしたいですね。
看護師さん
病院勤めだったけれど、夜勤が多くて仕事と子育てとの両立が難しくて….。保育園は日勤が多くて働きやすいイメージです。出産後の復帰先に保育園を考えています。
中には、保育園で働いてみたいけれど「看護師を募集する園はあるのかな?」と心配になる方もいるでしょう。
保育園は保育士さんが働く場所というイメージがありますが、積極的に看護師を募集する園もたくさんあります!
なぜ保育園で看護師さんが必要とされているのか、国が定める配置基準とあわせて見ていきましょう。
保育園における看護師の必要性
近年、職員の一人として看護師さんを配置している保育園が増えているようです。
その理由として、乳幼児は体調を崩しやすく、医学的な知識がない保育士さんだけでの対応が困難なことが挙げられます。
看護師さんがいれば、子どもの急な体調の変化にも適切に対応できるでしょう。
また、看護師さんの指導によって子どもたちの健康管理が進んだり、保育の質が向上したりすることが期待できるため、必要性が高まっているようです。
保育園での看護師の配置状況
これまで、乳児が4人以上いる保育所の場合、1人に限り看護師や保健師を保育士としてカウントすることが認められていました。
しかし2015年より、准看護師についても1人に限って保育士としてみなされるようになったことで、正・准看護師を配置する保育所の割合は、2014年から2017年にかけて7%増加しました。
准看護師の配置が認められたことで、保育の質向上や准看護師の就職の選択肢の拡大などといった効果がもたらされているようです。
保育園で働く看護師の役割・仕事内容
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続いて、保育園で働く看護師さんの役割や仕事内容について紹介します。
役割
保育園に勤める看護師さんは、一般的に以下のような役割を担っているようです。
- 子どもへの健康支援
- 職員への保健指導
- 保護者の健康相談対応
看護師さんは、子どもだけでなく職員や保護者の健康についてフォローする役割を果たしています。
仕事内容
保育園看護師さんの仕事内容を、上記で紹介した3つの役割に沿ってまとめました。
子どもたちの健康管理
保育園看護師さんの仕事の一つに、子どもたちの健康管理があります。
具体的には以下の業務を行なうようです。
- 体調不良児への対応
- ケガをした子どもへの応急手当
- インフルエンザやノロウイルスなど感染予防の保健指導
- 健康診断や歯科健診の補助
- 手洗いうがいなどの指導
- 園内の衛生管理
このように、子どもが毎日健やかに保育園生活を送れるようサポートすることが、看護師さんの主な仕事内容といえるでしょう。
職員への保健指導やサポート
保育園で働く看護師さんは、職員への保健指導も行います。
特に感染症などは保育士さんも気を遣う必要があるため、職員に対して流行りの病気や予防方法に関する適切な知識を周知することも大切な業務です。
また、園内で医療に関する研修会や勉強会を開催する際はサポートを行なうこともあるかもしれません。
保護者との連携や健康相談への対応
保育園に勤める看護師さんは、保護者への保健指導や相談対応なども行なうようです。
具体的には、子どもの病気やケガについて不安を抱える保護者の相談に応じたり、子どもの健康状態について連絡を取り合ったりします。
また、「保健だより」を作成して流行りの病気や予防接種について情報提供をするのも、看護師さんの仕事内容の一つでしょう。
このほかにも、保育補助や乳児クラスの担任として保育業務を任されることもあるようです。
手が空いているときは担任保育士さんのサポートに回って、園児や保護者と密接にかかわることもあるかもしれませんね。
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病院勤務の看護師と保育園勤務の看護師の違い
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続いて、病院勤務の看護師さんと保育園勤務の看護師さんの違いについてくわしく説明します。
健康な子どもを相手にする
病院で働く看護師さんが相手にするのは、病気やケガを抱えた患者がメインでしょう。
回復に向かうために食事を提供したり、身の回りの世話をサポートしたりするのが看護師さんの仕事内容です。
一方、保育園では健康な子どもと接するのが基本。子どもたちが健康でいられるように、様子を観察したり体調を管理したりするのが看護師さんの主な業務内容です。
このように、病院勤務と保育園勤務ではかかわる相手や仕事内容に違いがあるといえます。
医療行為を行なわない
保育園勤務の看護師さんは、基本的に医療行為を行ないません。
病院勤務の場合、医師の指示のもと患者さんに注射を打ったり薬を投与したりするでしょう。
しかし、保育園では子どもの健康管理がメインの業務となるため、病院勤務の場合と仕事内容が大きく異なると言えそうです。
主に個人で仕事を進行する
病院勤務の看護師さんの場合、複数人の看護師や医師と連携して仕事をするケースが多いでしょう。
自分の判断だけで進めることはほとんどなく、医師の指示に基づいて患者に適切な処置を行なう場合が多いかもしれません。
一方、保育園勤務の看護師さんは一つの園につき1~2人といった少人数配置がスタンダードであるため、自分の判断によって主体的に仕事を進めていく姿勢が求められるようです。
また、医学的な専門知識を持っている人材が自分のみの場合もあるため、しっかりとした技術や知識を身につけていることが必要かもしれませんね。
【相談】保育園の看護師求人を知りたい保育園で働く看護師に必要な資格やスキルはある?
保育園で看護師として働くために必要となる資格やスキルについて紹介します。
必要な資格
保育園看護師として働くには、看護師免許が必要です。
小児科での勤務経験や子どもと接した経験があれば選考時にアピールポイントになりそうですね。
しかし、そういった経験がなくても小児医療の知識、感染症や食事、アレルギーなどの知識があれば選考の際に有利かもしれません。
ちなみに、保育補助の業務を任されることはあるものの、保育士資格を求められることはあまりないようです。
ただし、保育士資格を持っていれば人手が足りないときに保育に入れるなど、貴重な人材として重宝されるかもしれませんね。
役立つスキルや経験
保育業務をすることもある保育園看護師さんが、身につけておくと役立つスキルや経験の例を以下にまとめました。
- ピアノや楽器を弾ける
- 絵本の読み聞かせに慣れている
- お絵かきや工作が得意
- 体力がある
- 子育て経験がある
このようなスキルや経験があれば、保育補助として仕事をした際に活かせるでしょう。
看護師でありながら保育士さんの仕事もフォローできれば、園にとって貴重な存在となりそうですね。
ただし、保育に関するスキルがなくても保育園看護師として働くことはできます。
なによりも子どもを好きな気持ちを持っていることが大切なので、転職活動の際は積極的にアピールしてみましょう。
保育園で看護師として働くメリット・やりがい
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初めて保育園看護師として働くことを希望している方にとってはどのようなやりがいがあるのかも気になりますよね。働くメリットや楽しいポイントをまとめました。
ワークライフバランスを取りやすい
保育園で働く看護師さんは、日勤がほとんどであるケースが多く、夜勤シフトはあまりないようです。
また残業も少ないようなので、プライベートと仕事のバランスを取りやすいかもしれません。
専門的な知識を活かして働ける
保育園看護師として働くやりがいとして、医学の専門的な知識を活かせることが挙げられるでしょう。
通常、看護師さんは一つの園につき1人あるいは2人程度配置されています。
そのため、保育士さんや保護者から医療のプロとして頼られることも多いかもしれません。
病院勤務の看護師さんのように医療行為は行なわないものの、病気の予防やケガの処置など、看護師としての知識や技術を活かして働けるのは、仕事が楽しいと感じられるポイントといえそうです。
子育ての経験を活かせる
保育園で働く看護師さんは、場合によっては保育士さんのサポート業務を行ないます。
保育補助として子どもたちとかかわるなかで、自身の育児で得た知識を発揮できる場面は多いでしょう。
これまでの経験を活かして働けるのは、子育て経験のある看護師さんにとって楽しいと感じられるかもしれません。
保育園で働く看護師が辛い・大変と感じること
さまざまなやりがいやメリットがある一方で、保育園勤務の看護師さんは、仕事のなかで悩みを抱えたり辛い・大変だと感じたりすることもあるようです。
病院勤務に比べると給料が低め
病院勤務の看護師さんと比べると、保育園看護師さんの給料は低いようです。
そのため、初めて病院から保育園へ転職した方の中にはギャップを感じることもあるかもしれません。
待遇面では辛いと感じるかもしれませんが、保育園では夜勤や休日出勤などが少ないため、私生活とのバランスを保った働き方を実現できるでしょう。
病院勤務ならではの不規則な勤務時間や休みの取りづらさに悩みを抱えている方にとって、保育園はぴったりな職場かもしれません。
一人で判断することもあり責任が重い
保育園では、医学的な知識を持つ職員が自分のみという場合も。
その場合、自分一人の判断で体調不良やケガの子どもへ対応するのは大変だと感じるかもしれません。
また、人数の少なさから同じ看護師という立場で相談できる相手がいないことを辛いと感じる方もいるようです。
責任の重さに悩みやすいものの、看護師として必要とされている実感を得ながら働けることは、仕事へのやりがいにもつながりそうですね。
保護者対応が難しい
保護者とのかかわり方に悩む看護師さんもいるようです。
保護者は子どもの健康状態について敏感になってしまうもの。看護師としては問題ないと判断した場合でも、保護者に不安を残してしまっている場合もあるかもしれません。
保護者対応が大変な場合は、コツを保育士さんに相談するなどして悩みや辛いことを1人で抱え込まないようにしましょう。
ほかにも、看護師としての仕事より保育業務が多く悩みを抱えている方もいるようです。
なかには保育士不足などを理由として担任を任されているという声も。本来の保健業務に支障が出る場合もあるため、担任業務を避けたい方は園側と話し合う必要がありますね。
保育園で働く看護師の給料・求人事情
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続いて、保育園看護師さんの給料や求人状況についてくわしく見ていきましょう。
給料
保育園で看護師として働いた場合、給料はいくら程度になるのでしょうか。保育園勤務の場合と病院勤務の場合を比較しました。
保育園勤務
2019年の内閣府「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】」の資料によると、私立保育園と公立保育園の常勤・非常勤(パートや派遣)看護師の給料、年収は以下のようになります。(※月給は賞与込み、年収は月給×12で算出)
常勤看護師 | 非常勤看護師 | |||
---|---|---|---|---|
私立 | 月給 | 34万142円 | 月給 | 24万8833円 |
年収 | 408万1704円 | 年収 | 298万5996円 | |
公立 | 月給 | 39万6931円 | 月給 | 20万8389円 |
年収 | 476万3172円 | 年収 | 250万668円 |
表を確認すると、公立保育所で働く常勤看護師さんは、私立保育所の常勤看護師さんよりも年収が約70万円高いことが分かります。
一方、パートや派遣など非常勤で働く看護師さんの給料は、公立よりも私立の方が高くなっています。
病院勤務
2022年の賃金構造基本統計調査によると、男女を合わせた全国の看護師の「決まって支給する現金給与額」と「年間賞与その他特別給与額」は以下のようになります。
決まって支給する現金給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | |
---|---|---|
看護師(男女計) | 29万3000円 | 86万2100円 |
これらの数字を用いて計算すると、年収は437万8100円円となります。
保育園勤務の常勤看護師さんと比べると、病院勤務の看護師さんの方がやや給料が高いことが分かります。
しかし、病院勤務の場合は夜勤シフトや早朝シフトがあるため、手当がついて給料が高くなっている可能性が考えられるでしょう。
求人
保育園で働く看護師さんは需要が高いこともあり、求人は豊富にあるようです。
正社員のほかにも、パート・アルバイト、派遣などさまざまな雇用形態での募集があるため、初めて転職を考える方にとっても自分のライフスタイルに合った働き方を選べるでしょう。
また、正看護師と准看護師のどちらも求人はあるものの、園によっては給料に差があるケースもあるようです。
応募条件として正看護師のみと限定している保育園もあるので、求人内容をきちんと確認しましょう。
また、転職先の園で研修や定期的に勉強会などが開催されると安心ですよね。その点もチェックすると働きやすい園か判断しやすいかもしれません。
【無料】保育士バンク!に転職相談>保育園看護師になりたい方必見!転職に役立つ志望動機の書き方・例文
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続いて、転職に役立つ保育園看護師の志望動機の書き方や例文を紹介します。
志望動機作成のポイント
志望動機を作成する際は、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
看護師としての経験をアピールする
これまでの看護師経験をもとに、子どもの健康を保つためにどんなことに取り組めるのか具体的にアピールしましょう。
勤務経験が少ない、または未経験の場合でも、仕事を通じてどのように子どもとかかわっていきたいかなど、保育園看護師として仕事に取り組む姿勢や決意をしっかり伝えることが大切です。
保育の現場で役立つスキルがあれば伝える
保育園では看護師としてだけでなく、保育補助としての役割を求められることもあります。
そのため、ピアノや歌といった保育に役立つ実践的なスキル、保育全般に対する興味や積極的な姿勢を伝えると、「自分たちの園で活躍してくれそう」といった印象を残せるかもしれません。
条件面を伝えるのは控える
早朝シフトや夜勤がないことは保育園勤務のメリットの一つでしょう。
しかし、待遇や勤務スタイルなどを志望動機に記載するのは、条件面を重視していると捉えられる可能性があるので控えましょう。
あくまでも、保育園で看護師として働きたい理由をポジティブに伝えることがポイントです。
志望動機の例文
私は、保育園で子どもたちの健康管理の手助けをしたいと考えたため、貴園に応募いたしました。
前職で5年間勤めていた小児科病棟では、日々治療を必要とする子どもたちと接していました。しかし、その前段階として子どもたちの健康を守ることが大切なのではないかと考えるようになりました。
貴園での園見学の際、子どもたちが心身ともに健やかに育つような環境作りに力を入れていることを知り、大変魅力的に感じました。
自身の看護師経験を活かし、貴園で子どもたちが毎日安全に楽しく生活するためのサポートをしたいと考えております。
保育園看護師の志望動機を作成する際は、どうして保育園で働きたいと思ったのかを明確にすることがポイントです。
子どもの安全や健康を守りたいという気持ちが伝わるように、具体的な経験やエピソードを添えると説得力のある内容に仕上がりそうですね。
また、研修や勉強会を開催している保育園の場合はその内容にふれることで、向上心があることをアピールできそうですね。
出典:保育の担い手となれる看護師の対象拡大により、健康管理など保育の質が向上/内閣府
出典:保育所等における准看護師の配置に係る特例について(通知)/厚生労働省
出典:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】/内閣府
出典:令和4年賃金構造基本統計調査/厚生労働省
知識や経験を活かして、保育園で看護師として働いてみよう
子どもたちの健康を管理、保護者や職員への保健指導などの役割も担う保育園看護師。
かわいい子どもたちの成長を見守りながら、専門的な医療の知識を活かして働くことができそうですね。
ただ、初めて保育園看護師として働く場合に、どのように転職活動を進めるべきか迷うこともあるでしょう。
保育士バンク!では、
- 小規模園で少人数の子どもたちの健康管理を行ないたい
- 残業少なめで准看護師OKの園を探している
などの希望条件にあわせてあなたにぴったりの園をご提案致します。「給与はあまり下げたくない..高収入の園はある?」といったお悩み相談もOK!まずは保育業界に詳しいキャリアアドバイザーに相談してみませんか?