保育園での活動に悩む新人保育士も多いかと思いますが、今回は子どもの能力を開花させる保育遊びをご紹介します。子どもたちの能力を引き出すゲームはたくさんあるでしょう。ただ、アイデアがなかなか思いつかない保育士さんもいるかもしれません。さまざまな遊びを保育に取り入れてみましょう。身体を使う遊びなどを紹介します。
物や人にぶつかっても気付かなかったり、体の動かし方がぎこちない子どもなど、まだまだ触覚の発達が未熟な子どもたちに、「自分の体の細部を意識させる」ゲームや、体の部位の名前を覚え、意識させたりする「ボディタッチゲーム」、自分から進んで相手を見つけることが大切になる「コミュニケーションゲーム」をご紹介します。
保育実習でも使えるので、ぜひ参考にしてください。
保育遊び・触覚を意識させる「ノータッチゲーム」
◯準備するもの
市販の大中小のフラフープや、新聞紙をねじって輪を作りビニールテープを巻き付けたものなど、大小さまざまな「輪」を用意しましょう。
◯進め方・ルール
用意した輪を大人が持ち、その輪に体のいろいろな部分をノータッチで通すことができたらオッケーというゲームです。
触れたかどうかを判定するのは大人にしてください。
触れたのに触れてないと主張する子どももいるでしょう。
触覚が未熟なためにかすかな接触が感じられないのかもしれません。
また、勝負と思い、負けたくないがために触ったことが分かっていても認めたくない子もいると思います。
子どもの発達段階に合わせ、あまり厳密にせず、「触らないように気をつけること」を目標にしたり、厳密に触らないことを意識させたりするなど工夫しましょう。
通過しやすい輪にするか、ぎりぎりの輪にするかも発達段階に合わせて決めてあげましょう。
◯応用編
サイコロを二つ用意し、一つには全身、腕、足、頭、右手、右足など体の部位を書き、もう一つのサイコロには大きい赤、小さい青など大小と色を書いておきます。
サイコロは大きなものを用意すると盛り上がりますよ。
二つのサイコロを転がし、出た部位を出た輪に通すようにします。
サイコロではなく、カードにして他の人にひいてもらうという方法もあります。
触れてしまったことを、はっきり意識させることが目的の場合は、輪の内側に小麦粉をつけて白くさせたり、新聞紙の真ん中をくり抜いたぺらぺらな輪でやると破れてしまうので、触ってしまったことがはっきり分かります。
ただ、その際はゲームがつまらないものにならないように、大人があえて触ってしまってみせたり、明らかにみんなが触ってしまう難易度の高い輪を用意する(逆にみんなが簡単に成功できる輪でもいいです)など、楽しい雰囲気で終われるように心がけましょう。
保育遊び・体の部位を覚える「ボディタッチゲーム」
◯準備するもの
特にありません!
体の部位の名前をはっきり覚えていない子どもとする時は「身体部位図」のようなものを用意しましょう。
◯進め方・ルール
まずは、大人一人と子ども一人が前に出ます。
大人が「どーこだ」と子どもの体の部位に触り、どこに触ったか当ててもらいます。
うまく当てられたら「だいせいかーい!」と大きな声で言ってあげましょう。
できれば、アイマスクでなどで目を隠したり、目をつぶってもらい、大人が体の1か所を触り、その後に子どもが自分自身で同じ場所をタッチしてもらいましょう。
大人が触ってから子どもが触る時間の間隔を長くすると難易度が上がります。
また、手ではなく、つぼ押しグッズや、コップを洗う時に使うスポンジ付きの棒などを使って触ると、より難しくなります。
時間や道具を変え、レベル1、レベル2など段階に分けて挑戦して行くと楽しめますね。
触った場所にシールを貼っておくと、自分が触った場所が正解かどうか、視覚的にもはっきり分かります。
触った部位の名前が合ってるかどうかを確認したい場合は、触られた場所を言葉で言ってもらいましょう。
ひじ、ひざ、すね、ふくらはぎなどの名前を覚えていないのであれば、ヒントとして「身体部位図」を見せながら行ってあげるといいでしょう。
◯応用編
触る場所を一つだけではなく、二つ、三つと増やして行くと、難易度も上がり、記憶する訓練にもなります。
大人が触る役割を子どもにやらせてもいいでしょう。
また、「身体部位図」を子どもたちと一緒に作るのも楽しいですね。
作りながら、いろんな体の部位の名前を覚えることができます。
あくまでもゲームですので、子どもが触った場所の厳密さにこだわらないようにしましょう。
だいたいの範囲でいいことを最初に伝えておくと、楽しくゲームを始められますよ。
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保育遊び・コミュニケーション能力を培う「カードあつめじゃんけん」
◯準備するもの
色のついたカード(3~5色)を同じ枚数ずつ、空き箱
◯進め方・ルール
まずは、3~5つのグループに分け、大きく円になりましょう。
各グループの真ん中にカードを入れる箱を置きます。
カードと同じ色に色づけしておくと分かりやすいですね。
そして、一人ひとり、グループと同じ色のカードを一枚、箱の中から取り手に持ちます。
「ようい、スタート!」の合図で円の中央に走って行き、違うカードの色のチームの相手と1対1でじゃんけんします。
勝った方は相手のカードをもらい、自分のチームの箱の中に入れに戻ります。
※負けて手持ちのカードがなくなり取りに戻るので、グループのカードは多めに作っておきましょう。
負けた方は、手持ちのカードがなくなってしまうので、自分のチームの箱から自分のチームの色のカードを取りに戻ります。
それを、終わりの合図がなるまで、3~5分繰り返しじゃんけんします。
※なるべく、同じ相手ではなく、できるだけ多くの人とじゃんけんするように促しましょう。
終わりの合図が鳴ったら、各グループの箱の所へ戻りましょう。
箱の中に入っているカードの数を数え、一番多かったチームが勝ちとなります。
慣れてきたら、3セット対戦などにしてもいいですね。
◯ゲームのねらい
負けを認めることが苦手な子どもなども、小さな負けを幾重にも経験させみんなと楽しく遊べるコミュニケーション能力が養えます。
カードは色ではなく、動物の絵などにしても楽しいですね。
カードを作る工程も子どもたちと一緒に作ると、それはそれで楽しい時間になるでしょう。
◯応用編
じゃんけんをする前に、「はじめまして、○○です。」と自己紹介をしたり、動物カードの場合、自分のグループの動物のマネをしてからじゃんけんをするなどとじゃんけんの前に、何か一つアクションを加えてみるのもいいですね。
また、お天気のいい日などには公園などの広い場所で行うと、運動量も増え、体力をつける練習にもなります。
月齢に応じて遊び方を変えよう
いかがでしたか?
子どもたちも楽しめ、尚且つ子どもたちの能力を開花させられる遊びを日々取り入れて行きたいですよね。
月齢や年齢によっても遊び方が変わってきます。
子どもたちは難しすぎたり、簡単すぎると飽きてしまうため、月齢やその子どもに応じて遊び方を変えて行きましょう。
また、うまくゲームの進行ができなかった場合でも、その場の雰囲気でアレンジを加えても良いと思います。
様子を見ながら応用編も取り入れ、子どもたちと楽しみましょう。