保育園や幼稚園で、幼児向けのふれあい遊びを取り入れたいと考える保育士さんもいるのではないでしょうか。ふれ合い遊びには手遊びや身体遊びなどがあり、子どもたちのコミニュ二ケーション力を育むときに役立てられるでしょう。今回は、幼児同士や親子レクなどで楽しめるふれあい遊びのアイデアや、ねらいや効果などを含め紹介します。
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目次
ふれあい遊びとは
保育園や幼稚園で楽しめる遊びのひとつに「ふれあい遊び」があります。ふれあい遊びとは音楽に合わせて、スキンシップを楽しみながら遊ぶことです。
主にわらべうたや手遊び、身体遊びなどがあり、保育士さんや幼児同士のコミュニケーションを図ることができるので、保育活動に取り入ることも多いのではないでしょうか。
保育園の重要な指針である保育所保育士指針には、幼児期である3歳児以上の保育について以下のように明記しています。
「この時期においては、運動機能の発達により、基本的な動作が一通りできるようになるとともに、基本的な生活習慣もほぼ自立できるようになる。理解する語彙数が急激に増加し、知的興味や関心も高まってくる。仲間と遊び、仲間の中の一人という自覚が生じ、集団的な遊びや協同的な活動も見られるようになる。これらの発達の特徴を踏まえて、この時期の保育においては、個の成長と集団としての活動の充実が図られるようにしなければならない。」
出典:保育所保育指針解説/厚生労働省からの抜粋
以上のように、幼児期(3歳児、4歳児、5歳児)は、言葉が増える中で自発性や他者との協調性を育むことを目的としていることがわかります。
また、幼児の自発性やコミ二ケーション力が育むためにも、保育活動の中でふれあい遊びを取り入れることは大切なことでしょう。
幼児向け(3歳児、4歳児、5歳児)のふれあい遊びを行うねらいや効果
幼児向け(3歳児、4歳児、5歳児)のふれあい遊びを行うねらいや効果について解説します。
ねらい
幼児向けにふれあい遊びを行うねらいは、
- 幼児の主体性を育み、幼児同士とふれあいを通して、コミュニケーションの大切さを知る
- 歌や動作を繰り返す楽しさを知り、アレンジなどして自発性を養う
などが挙げられます。
幼児期には、幼児同士でルールを決めたり、守ったりする場面も多くなることでしょう。ふれあい遊びの中で、幼児の自発性や協調性が育まれるようなねらいを考え、保育士さんが適切な援助ができるように工夫していくことが大切です。
効果
幼児向けのふれあい遊びを行う効果は、
- イメージを広げて、表現力を豊かにする
- 手や指、身体のさまざまな部位を使い、運動能力を高める
- 幼児同士でコミュニケーション力を養い、協調性の大切さを学ぶ
などが挙げられます。
ふれあい遊びを通じて、子どもたちが周囲の幼児との関りを楽しんだり、喜びを分かち合ったりして協調性を育めるような言葉がけを考えていけるとよいですね。
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幼児向け(3歳児、4歳児、5歳児)のふれあい遊びのアイデア
保育園や幼稚園で幼児同士や親子レクなどで楽しめるふれあい遊びのアイデアを紹介します。
幼児同士
幼児同士で楽しめる手遊びや身体遊びをしてみましょう。
手遊び
幼児同士で楽しめる手遊びを紹介します。
バスごっこ
幼児同士で手のふれあいを楽しむ「バスごっこ」の手遊びをしてみましょう。
<工夫ポイント>
幼児同士で手をふれあうことを楽しめる手遊びなので、隣同士になるように場を整えてから行いましょう。「おとなりへ~」という歌のところは、優しくタッチすることを伝えるなどして、子どもの様子を見ながら進めていくとよいかもしれません。
やきいもグーチーパー
じゃんけんの仕方を覚えられる「やきいもグーチーパー」の手遊びをしてみましょう。
<工夫ポイント>
子どもがチョキの形をつくるのが難しい場合は、ゆっくりと説明しながら繰り返し行うとよいでしょう。初めは保育士さんと子ども同士でじゃんけんをして、次に幼児同士でじゃんけんを行うなど、子どもの様子を見ながら進めるとよさそうですね。
むすんでひらいて
幼児同士で言葉のかけ合いを楽しめる「むすんでひらいて」の手遊びをしてみましょう。
<工夫ポイント>
「その手を~」の歌の次の部分を幼児同士で「下に~」「上に~」などさまざまな声かけをしあって楽しみましょう。身体の部分の「頭」や「鼻」をふれるなどして、アレンジすると盛り上がりそうですね。
身体遊び
身体遊びとは全身を使って遊ぶもので、運動遊びとも呼ばれます。幼児同士で関りながら身体を動かしてコミュ二ケーションを楽しむことができるでしょう。
音楽を流して、幼児同士で2人1組になり、手をつないだり、ゲームをしたりして身体遊びを楽しみましょう。なわとびや新聞紙など、身近な道具を使うと遊びの幅が広がるかもしれません。
子どもたちに「友だち同士でどんな遊びができるかな?」など身体遊びのアイデアを募集するとさまざまなアイデアが出て自発性を育てることにもつながりそうですね。
親子
親子レクや参観日などふれあい遊びを楽しむこともあるでしょう。親子で楽しめる手遊びと身体遊びを紹介します。
手遊び
親子で簡単な手遊びをしてみましょう。
いっぽんばしこちょこちょ
親子でスキンシップを楽しめる「いっぽんばしこちょこちょ」の手遊びをしてみましょう。
<工夫ポイント>
3歳児さん向けの親子で楽しめる手遊びです。親子でくすぐり合うなどして、スキンシップを図ることができるでしょう。「たたいて~つねって~」のところは「優しくふれようね」など、声をかけながら進めてみてくださいね。
おにのぱんつ
昔から愛されている「おにのぱんつ」の手遊びをしてみましょう。
<工夫ポイント>
親子で向かい合っておにのパンツの手遊びをしてみましょう。「あなたも~」のところを子どもの名前や「ママ」などにおきかえると盛り上がりそうですね。
おおきなたいこ
手をふれあいながら楽しめる「おおきなたいこ」の手遊びをしてみましょう。
<工夫ポイント>
親子で向き合って、「おおきなたいこ」、「ちいさなたいこ」の部分でお互いの手をふれあって楽しみましょう。手遊びが始まる前に、保護者の方にはしゃがんだり、立ち膝をお願いしたりして子どもの目線に合わせて、手遊びをしてもらうとよいかもしれません。
身体遊び
参観日や親子レクなどで身体遊びを楽しみましょう。音楽を流しながら、動物や忍者に変身するなどして、親子で簡単な身体遊びをすると盛り上がりそうですね。
保護者の方がトンネルを作って子どもがくぐったり、保護者の方の足に子どもをのせていっしょに歩いたりと、家庭でもできる遊びを紹介するのもよいかもしれません。
親子でコミュ二ケーションを楽しめるような身体遊びを取り入れてみてくださいね。
幼児向け(3歳児、4歳児、5歳児)のふれあい遊びを行うときのポイント
幼児向け(3歳児、4歳児、5歳児)のふれあい遊びのアイデアを紹介しましたが、行うときの注意点やポイントを解説します。
自発性を大切にする
幼児期は子どもたちが自分の考えを周囲に伝えるなど、自発性を高まる時期でしょう。
ふれあい遊びを行うときも、そういった成長を援助できるように、子どもたちに任せる部分と保育士さんがサポートする部分を考えて、取り組むとよいのではないでしょうか。
また、ふれあい遊びをアレンジする際も、子どもたちから意見を聞いたり、話し合ったりできるように言葉がけの工夫ができるとよいですね。
幼児同士がコミュニケーションをとれるように、適切な援助を考える
ふれあい遊びを幼児同士で行うと、時には互いの意見を言い合い、けんかになることもあるかもしれません。保育士さんが子どもの様子を見ながら、子ども同士で解決できるように助言のタイミングなどを考えるとよいでしょう。
「どうすれば友だちと仲直りできるかな?」「ふれあい遊びを楽しむためにはどんなルールが必要かな?」などの問いかけを行い、子ども同士でアイデアを出し合う時間などをもち、コミ二ュケーション力が育まれるように援助できるとよいですね。
ふれあい遊びを展開させて次の遊びにつなげる
ふれあい遊びには手遊びや身体遊びなどがありますが、遊びを展開してゲームや製作につなげると子どもたちの関心や興味を高めることにつながるかもしれません。
例えば、「おにのぱんつ」の手遊びをしてから、鬼ごっこをしてみたり、おにのお面を作ったりとさまざまな遊びにつなげることができるでしょう。
製作やゲームの設定保育をする際も、子どもたちが意欲的に保育活動に取り組めるように、ふれあい遊びを活用してみてくださいね。
幼児クラスでふれあい遊びをして、コミニュケーション力を育もう
幼児向けのふれあい遊びについて、ねらいや効果、3歳児、4歳児、5歳児向けのアイデアを紹介しました。
幼児期は子どもたちの自発性や協調性が育まれる大切な時期でしょう。ふれあい遊びを行う際は、子どもの年齢に合わせて、どのような援助が必要かを考えていくことがポイントになります。
手遊びや身体遊びなど、さまざまなふれあい遊びを子どもたちと楽しんでみてくださいね。