前編に続き、つるの剛士さんが保育士資格取得を目指した道のりについてお届けします。中編では、”保育学生”として勉強に励んでいた一方で、5児の父親でもあり、25年の芸歴を持つつるのさんの現場に立ったからこそわかった”気づき”についてお伝えします。

保育と子育ては違う。現場に立ったからこそ気づいたこと

ー”保育学生”として勉強に励んでいた一方で、5児の父親であるつるのさん。
子育ての経験は現場でどのように活かされましたか?
保護者目線で子どもたちを見たり、子どもたちに何かあっても「大丈夫。平気、平気!」って落ち着いて対応できたり。あと、保護者の気持ちを汲み取って会話ができたことも、子育ての経験があったからこそだったと思います。
僕自身、20年弱子育てをしているので「保護者の方が知りたがっている子どもの様子はどこか」を親目線で考えてその日の様子を伝えるようにしていました。
こういうのって、僕も一人の親として知りたい点だし悩むところでもあるので、その辺は普通の学生さんとは違った点かな~。
ただやっぱり、子育てと保育は全然違う。現場で改めてそれを実感しました。
人様の子どもを預かる立場として責任感が芽生えたし、ひょっとしたら自分の一言でその子の人生を変えてしまうかもしれない…という緊張感もありました。
あと保育には”ねらい”があるじゃないですか。常にねらいを持って子どもと接する。
その点も子育てとは違いましたね。
逆に言えば、芸能界と保育の現場は相性がいい。
歌を歌ったり、絵本を読んだり…前に出て表現することは他の人よりも長けていますからね。
子どもたちの”夢”につながれば。芸能界と保育業界の相性について

ー「芸能界と保育の現場は相性がいい」とのことですが、実習中、子どもたちの前で何か披露したことなどありますか?
責任実習という形で全園児向けに「つるの先生ライブ」をさせてもらいました。
先生たちが「せっかくつるの先生が来てくれたから、ぜひ何かやってください!」と言ってくださったので、ギターで弾き歌いしたんですけど子どもたちも先生も大盛り上がり。
そんな中、僕以外にもう一人、実習生として男性の保育学生さんがいたんですけど、その子ウルトラマンの大ファンだったみたいで職員室で大号泣(笑)一番盛り上がっていました(笑)
子どもたちもはじめて見るギターが新鮮だったのか、すごく喜んでくれましたね。思い出としてギターはそのまま園にプレゼントしました。
ーつるの先生のライブがきっかけでギターに興味を持つ子どもも出てくるかもしれませんね。
はい。そういう子どもがいればいいなと”ねらい”を持ってギターにしました。
「あのとき、つるの先生がギターを教えてくれたからギターを始めたんだ!」みたいに、自分が持っていった何かで子どもたちの気づきになったり、いろんな経験をするきっかけになったりすればいいなって。そしてそこから、子どもたちの夢にもつながればうれしいですね。
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芸能活動・子育て・資格取得の勉強。3つを両立をする中で

ー芸能人であり5児の父親、そして保育学生…すべてを両立するのは大変だったと思います。一番苦労したことはなんでしたか?
特になかったかな~。
両立とか、そもそも何か偏りがないからそんなに大変だと思わなかったです。芸能の仕事でも特にジャンルとかもないからね(笑)
ーそうなのですね!でもかなり忙しかったのでは…ちなみにいつ勉強していたんですか?
これね、コロナ禍じゃなかったらできなかった。
僕ははじめから通信制の大学に行くことを決めていたんですけど、学校に行くとなると土日なんです。
でも、ほんと(コロナ禍じゃなかったら)だったら土日にはライブやイベント、営業活動とかがあるので芸能界の仕事をしながら勉強をするのは無理。不可能でした。
前に、学生として別の学校に通っている業界の子と「コロナ禍じゃなかったら勉強できてた?」「できなかったよね」って話したことがあるんですけどほんとにそう。
すごくいい時期に学生ができたと思います。
もちろん、イベントやライブが中止になったのはすごく残念なんですけど、その分時間があったのでひたすら勉強していました。なんなら次の年の単位まで取ってあとは実習に行くのみ!っていう状態にまでできたんですね。
そう考えると、コロナ禍だったから”保育学生”に徹することができました。

ー今のご時世だったから前向きに勉強できたのですね。
はい。
実習もコロナの状況が少し落ち着いているときだったのですべていいタイミングでした。
「つるの先生ってこういう人だよ」「昔こんな歌うたっていてね」って保護者の方が子どもたちに僕のことを教えてくれて、「昨日お母さんにつるの先生が出ているYouTubeみせてもらったよ!」って報告してくれる子もいました。
そう考えると子どもたちにとっては少し特別だったのかな~…。
今のコロナ禍もそうですけど、今後は時代に合わせて柔軟に仕事のやり方とか変えていかないといけないなと思います。可能性のある現場だからこそ柔軟にね。
保育業界は変えないといけない、変わらないといけない。
この状況に自分がいられることがすごくうれしいから、歯車として新しい日本の保育の下地を作っていきたいと思います。
【中編終】
次回、後編では保育士資格取得後のつるのさんの展望と、”保育学生”として現場に立ったからこそわかった保育士の魅力をお伝えします。 保育士・幼稚園教諭・看護師・調理師 etc.無料転職サポートに登録つるの剛士さんプロフィール
福岡県北九州市出身 藤沢市在住
「ウルトラマンダイナ」のアスカ隊員役を熱演した後、2008年に“羞恥心”を結成しリーダーとして活躍。
2009年にカバーアルバム「つるのうた」をリリースし、以降アーティストとしても活動中。
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