毎日の「いただきます」や「ごちそうさま」の挨拶、子どもたちにきちんと伝えられているでしょうか。保育士さんの中には、保育園に通う子どもたちが挨拶をただ唱えるだけで、言葉に込められた感謝の心を理解していないのではないかと感じている方もいるかもしれません。この記事では、挨拶に込められた意味や、楽しみながら挨拶を習慣化するためのアイデアを紹介します。
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保育園での「いただきます」などの挨拶の意味の伝え方
毎日、食事をするときに何気なく使う「いただきます」と「ごちそうさま」という言葉。この2つの言葉には、それぞれ以下のような意味が込められています。
- いただきます:私たちが生きていくための命をくれた動物や植物、そしてその食材を大切に育てたり、料理をしてくれたりした人たちに感謝の気持ちを表す言葉
- ごちそうさま:たくさんの生き物の命をごちそうになり、食事を作る人が材料を揃え、手を尽くしてくれたことへの感謝の気持ちを表す言葉
それぞれ異なる意味を持つ2つの言葉ですが、そのまま説明したとしても保育園に通っている年齢の子どもたちが理解するのは少し難しいでしょう。
そのため、「いただきます」と「ごちそうさま」の挨拶の意味を子どもたちに伝えるときは以下のような方法を試すとよさそうです。
子どもたちに「いただきます」を伝えるときのポイント
子どもたちに感謝の気持ちを伝えるには、身近な話題や食事の時間を活用するのが効果的です。以下のような具体的な話を、場面に合わせて使い分けてみましょう。
具体的な食べ物の話をする
実際の給食のメニューを使うと、子どもたちがイメージしやすくなるかもしれません。
たとえば、「今日のカレーには何が入っているかな?」と問いかけながら、食材やそれを作った人たちへの感謝を話題にするのがおすすめです。
子どもたちの好きなものにフォーカスする
子どもたちが特に好きな食べ物を例に出すと、興味を引きやすいでしょう。
「このお米がどうやって育ったのかな?一緒に調べてみよう!」と問いかけると、自然と想像力が広がっていく可能性があります。
感謝の対象を広げる話をする
食材だけでなく、それを届けてくれる人たちや自然にも感謝することを伝えましょう。挨拶を通じて、食べ物を取り巻くさまざまな関係性を知るきっかけになります。
子どもたちに「ごちそうさま」を伝えるときのポイント
子どもたちが食事を通じて感謝の気持ちを深めるには、食材や料理の手間に注目して話をするのが効果的です。日常の食事風景に合わせて、次の例を取り入れてみるとよいでしょう。
食材に焦点を当てる
子どもたちが食べたものを振り返りながら、「どこから来たんだろう?」と想像してもらいましょう。楽しみながら食材への感謝を考えるきっかけになるかもしれません。
料理の手間を伝える
クッキング保育や食材に触れる活動のあとに話すと、子どもたちが料理の手間を実感しやすくなるでしょう。
普段、ごはんを作ってくれる保護者への感謝の気持ちが育まれるきっかけにもなるかもしれません。
「ありがとう」の対象を広げる
給食の先生がごはんの準備をしてくれていることを伝えると、子どもたちがだれに感謝するのかを具体的にイメージしやすくなるでしょう。
保育園で取り入れられる!「いただきます」などの挨拶を楽しく覚える方法
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挨拶は子どもたちにとって毎日の習慣ですが、単なるルーティンにせず、感謝の気持ちを持ちながら楽しく身につけてもらうことが大切です。ここでは、保育園で取り入れやすいアイデアを紹介します。
歌を歌って挨拶を覚えてもらう
歌はリズム感があり、子どもたちが自然と楽しみながら覚えられる方法です。「いただきます」や「ごちそうさま」に関連する既存の歌を活用しましょう。
食育のうた「いただきます」
合唱作曲家・弓削田健介さんが作詞・作曲をした曲です。食育に大切な要素が全部盛り込まれていて、歌詞に「いただきます!」というフレーズが入っています。
食育ソング「いただきますとごちそうさま」
子どもたちに人気のあそびクリエーター・リベットボタンが製作したオリジナルソングです。「いただきます」や「ごちそうさま」などのフレーズが入った子どもの食を応援する食育ソングとして生まれました。
絵本の読み聞かせをして覚えてもらう
絵本は、「いただきます」や「ごちそうさま」の挨拶に込められた意味を伝えるのにぴったりです。読み聞かせを通して、挨拶の大切さをしっかりと伝えましょう。
いただきますあそび/作・きむらゆういち(偕成社)
動物たちが食事をしている風景が描かれた絵本です。いろいろな動物たちのいただきますの仕草を見ているうちに、食事のマナーを楽しく覚えられるでしょう。
ごちそうさま/作・accototo ふくだとしお+あきこ(大日本図書)
毎日の食卓に出てくる身近な野菜や食材がどうやって作られているのか、その様子が描かれている絵本です。読み終わったあとに、関わってくれた人たちにありがとうを伝えたくなる内容となっています。
挨拶をゲーム感覚で覚えてもらう
ゲームは、子どもたちが主体的に楽しみながら挨拶を覚えられる方法です。挨拶をゲーム感覚で取り入れることで、前向きに習慣化できるでしょう。
ありがとうの伝言ゲーム
子どもたちが「いただきます」や「ごちそうさま」に込められた感謝の気持ちを考え、言葉にして共有することで、挨拶の大切さを楽しく学ぶゲームです。
- 保育士さんが子どもたちに「食べ物や給食を作ってくれた人たちに『ありがとう』を伝えるゲームをします!」と伝え、テーマを説明します。
- 保育士さんが1つ目の感謝の言葉を伝えます。(例:「お米を作ってくれた農家さんにありがとう!」)
- 子どもたちが順番に、保育士さんの言葉に自分の感謝を追加します。(例:「野菜を切ってくれた給食の先生にありがとう!」「おいしいスープを作ってくれた人にありがとう!」など)
- 最後の子が伝言を終えたら、全員で「みんなのありがとうを込めて、いただきます!」や「ごちそうさま!」と声を揃えて挨拶をします。
子どもたちが迷わないよう、保育士さんが具体的な例をいくつか示しておくとスムーズに進められるでしょう。
たとえば、「牛乳を運んでくれたトラックの運転手さん」「お魚を捕ってくれた漁師さん」などです。
食材探しゲーム
給食の内容や食材に興味を持たせ、「いただきます」「ごちそうさま」に込められた感謝の気持ちを楽しく考えるきっかけを作るゲームです。
- 保育士さんが「今日の給食に出てくる食材をみんなで探そう!」と、テーマを発表します。
- 「赤くて甘い野菜だよ」「土の中で育つオレンジ色の野菜だよ」など、保育士さんが食材に関するヒントを出します。すると、子どもたちは「トマト」「にんじん」と発言するはずです。
- 給食のメニューと照らし合わせ、保育士さんが「このにんじん、どこで育ったかな?」「トマトを持ってきた人に何て言う?」と問いかけ、子どもたちから感謝の気持ちを引き出します。
- 食材について話し合ったあと、「この食材にありがとうの気持ちを込めて、みんなでいただきますをしようね!」と挨拶につなげます。
クイズ形式で進める際に、イラストや写真を使うとわかりやすくなるでしょう。また、子どもたちの答えを肯定しながら進めると、楽しみながら参加できるはずです。
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保育園と家庭で連携!いただきますなどの挨拶の習慣を定着させる方法
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挨拶の習慣は、子どもたちの心に感謝の気持ちを育む大切なものです。しかし、保育園だけで取り組んでも、家庭でも同じように取り組まないと習慣化しにくいでしょう。
保育園と家庭が連携し、子どもたちが日常生活の中で自然と「いただきます」「ごちそうさま」を身につけられるような取り組みを進めることが重要です。ここでは、保護者と協力して挨拶の習慣を定着させるための方法を紹介します。
保護者に挨拶の意義をわかりやすく伝える
「いただきます」「ごちそうさま」などの挨拶に込められた「感謝の心」を保護者にも理解してもらうことで、家庭での実践につながるでしょう。
保育園で行なっている挨拶の取り組みや、挨拶が子どもたちの成長にどのような影響を与えるか具体的に伝えましょう。
園だよりや連絡帳で共有する
保護者が忙しい日々の中でも目を通しやすい、短くわかりやすい文章を活用します。
簡潔な言葉で意義を伝えることで、保護者の共感を得やすくなるでしょう。
保育園の活動を写真や動画で共有する
子どもたちが保育園で楽しそうに「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶をしている様子を撮影し、園だよりや保育園のアプリで保護者に届けるとよいでしょう。
保護者がその様子を見て「こんなふうに挨拶しているんだ!」と感じることで、家庭でも取り組むきっかけになるかもしれません。
保護者会で挨拶の取り組みを紹介する
保育園で、挨拶を通じて子どもたちがどのように成長しているかを具体例とともに説明します。
たとえば、「挨拶をリードする役割を持つと、自信をつけた子どもたちがより積極的に行動するようになりました」といったエピソードを共有すると、保護者も取り組みの重要性を感じられるでしょう。
家庭でも実践できる簡単なアイデアを提案する
保護者が日常生活の中で取り入れやすい方法を具体的に提案することで、家庭での実践を後押しします。無理なく楽しく行なえるアイデアがポイントです。
家族全員で挨拶する時間を作る
食事の前後に、家族みんなで手を合わせて「いただきます」「ごちそうさま」を声に出す習慣を提案します。
「家族みんなで一緒にやる」という一体感が、子どもたちに挨拶の意味を楽しく伝えられるでしょう。
「ありがとうシール」を用意して達成感を育てる
挨拶ができたら「ありがとうシール」を貼る取り組みを提案するとよいでしょう。
シールを集める楽しさが子どもたちのやる気を引き出し、自然と挨拶が身につく可能性があります。
週末には「たくさんシールが集まったね!」と保護者が声をかけると、子どもたちも喜びを感じてくれるかもしれません。
出典:「いただきます」「ごちそうさま」は誰に言う?/豊岡市出典:食育の歌「いただきます」/合唱作曲家弓削田健介出典:いただきますとごちそうさま/リベットボタンのあそびちゃんねる出典:いただきますあそび/偕成社出典:ごちそうさま/大日本図書
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保育園と家庭で連携していただきますなどの挨拶を習慣化させよう
「いただきます」や「ごちそうさま」などの挨拶は、子どもたちが日常生活で感謝の心を育む大切な言葉です。
この挨拶をただのルーティンで終わらせず、心を込めて使われるようにするためには、保育園と家庭が協力し合うことが必要不可欠でしょう。
保育園では、子どもたちの年齢や興味に合わせて歌や絵本、ゲームを取り入れることで、楽しく挨拶を身につける工夫ができます。
一方、家庭では、保護者が子どもたちと一緒に挨拶をする時間を作るなど、日常の中で簡単に実践できるアイデアを取り入れることが効果的です。
保育園から保護者に挨拶の意義や取り組みを伝えることで、家庭でも「ありがとう」の気持ちを育む機会が広がります。
家庭と保育園が一体となり、挨拶の習慣を子どもたちの心に根付かせることで、食べ物や作ってくれる人々への感謝を当たり前に感じられるようになることが期待できるでしょう。
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