准保育士とは、政府がかつて導入を検討していた資格制度です。国家資格である保育士とは異なり、子育て経験がある人であれば比較的簡単に取得できる民間資格として注目されていました。しかし、保育関係者からの導入反対の声も多く、いまだ実現にいたっていません。今回は、そんな准保育士の概要や導入が反対されている理由などを紹介します。
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准保育士とは
准保育士とは、政府がかつて導入を検討していた資格制度の名称です。そのため、現時点で実在する資格ではありません。
2007年10月に開催された政府の規制改革会議にて提案された資格で、国家資格である保育士とは異なり、子育ての経験がある人が規定の研修を修了すれば取得できる民間資格として創設する予定でした。
政府としては、准保育士の資格制度が実現することで、保育士の人材不足や待機児童などの改善につながると考えたようです。
しかし、提案以降さまざまな問題が指摘されて導入が見送られているため、いまだ実現はしていません。
准保育士資格の導入が反対される理由
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准保育士資格の導入を検討したことを公表した際、全国保育協議会と全国保育士会は導入への反対表明を行ないました。ここでは、その主な理由を紹介します。
保育士資格保有者の労働環境整備を優先すべきだから
全国保育協議会と全国保育士会は、子育て経験がある人に研修を行なうだけで取得できる准保育士を導入するのではなく、保育士資格保有者の労働環境の整備を優先すべきだと考えています。
こども家庭庁が公表した保育士の登録者数と従事者数の推移によると、2021年時点での保育士登録者数は約173万人でした。しかし、そのうち保育の仕事に従事しているのは約66万人です。
保育士登録者とは保育士資格を持っている人のことであり、保育士として登録していながら実際に働いていない人は2021年時点で約107万人もいるということがわかります。
このように資格を持っていても保育現場で働いていない潜在保育士が働けるようにするためには、新たな資格を設けるのではなく保育士の労働環境を整備することが重要だと述べています。
保育の質の低下につながるおそれがあるから
全国保育協議会と全国保育士会は、准保育士を導入することで保育の質の低下につながることも危惧しています。
近年の保育では特別な支援が必要な子どもが増加傾向にあります。本人やその保護者のケアを充実させるために、より質や専門性の高い保育が必要です。
同時に保育士の仕事の範囲や責任も大きくなってきています。准保育士が導入されることで、保育士の労働条件がさらに低下し、結果として保育の質の低下を招くことが懸念されています。
名称独占資格の保育士との混乱を生じさせるおそれがあるから
保育士資格は名称独占資格のため、原則として保育士資格を持っていない人は保育士と名乗ることはできません。
その一方で、民間資格となる予定の准保育士にも「保育士」という名称が入っています。導入によって子どもを預ける保護者に混乱を生じさせるおそれがあるため、全国保育協議会と全国保育士会は反対を表明しています。
出典:「准保育士」導入への反対表明をおこないました/全国保育協議会
出典:保育士の復職支援の強化について/こども家庭庁
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准保育士はかつて政府によって導入が検討されていた民間資格
一度は導入が検討された民間資格の准保育士ですが、さまざまな問題があることからいまだ導入にはいたっていません。
研修を修了するだけで取得できる准保育士を増やすことは保育の質の低下につながるおそれもあるので、慎重に進めるべきでしょう。
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