幼稚園教諭免許状をお持ちの方は特例制度を利用して保育士の資格を取得できることをご存じですか?要件を満たせば、保育士試験の受験免除が適用されます。今回は、幼稚園の先生が保育士資格の取得が容易になる特例制度の概要をわかりやすく解説します。制度の対象者や手続き方法、注意点を抑えて特例制度の活用を考えてみましょう。
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目次
保育士の特例制度とは
保育士の特例制度とは、幼稚園教諭免許状を持った方が通常よりも比較的簡単に保育士資格を取得できる制度のことをいいます。
2012年に、教育・保育の一体となる施設として「幼保連携型認定こども園」が創設されました。施設の誕生に伴い、「幼稚園教諭免許状」と「保育士資格」両方の資格を持った「保育教諭」の配置が求められました。
幼稚園教諭免許状保有者の中には保育士資格を取得していない方もいます。そのため、保育士資格を取りやすいように「特例制度」が設けられ、資格取得の促進をサポートしています。
特例制度の活用による保育士資格の取得は2025年3月末までです。
対象となる方は早めに必要な手続きや科目の受講を行ない、保育士の資格を取得しましょう。
保育士の特例制度の対象者は
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保育士の特例制度の対象者には以下の3つの条件を満たす必要があります。
1.幼稚園教諭保有者(現在就労されておらず、過去に幼稚園などで勤務がある方含む)
2.該当施設において「3年以上かつ4,320時間以上」の実務経験がある者
3.指定保育士養成施設において8単位を受講・修了した者
2.については該当する複数の施設での合算が可能です。施設が廃園している場合は、該当施設の設置者が存続していれば、証明が可能となっています。
また、施設が統合された場合も事務を引き継いだ団体が証明できれば問題はありません。
該当施設は以下の通りです。
- 幼稚園(特別支援学校幼稚部含む)
- 認定こども園
- 保育所
- 事業所内保育事業
- 公立の認可外保育施設
- へき地保育所
- 幼稚園併設型認可外保育施設
- 小規模保育事業(法第6条の3第10項に規定する小規模保育事業)
- 認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書が交付された認可外保育施設
- 当該施設を利用する児童の半数以上が一時預かり※による施設
- 当該施設を利用する児童の半数以上が午後22時〜翌日の午前7時までの全部または一部利用の施設
- 5人以下の利用定員の施設
※法第6条の3第12項に規定する事業所内保育事業(利用定員が6人以上の施設)を実施する施設
※家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第61号)を実施する施設
※第27条に規定する小規模保育事業A型及び小規模保育事業B型に限定
ただし、以下の施設は該当しません。
※入所児童の保護者と日単位または時間単位で不定期に契約し、保育サービスを提供するもの
なお、実務経験と指定保育士養成施設における特例教科目の修得の順番は前後しても構いません。
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保育士の特例制度「3年特例」と「幼保2年特例」
特例制度には「3年特例」と「幼保2年特例」という要件があります。
以前は以下の「3年特例」の要件が活用されていましたが、2023年度よりさらなる資格取得の促進を図るために「幼保2年特例」が設けられました。
厚生労働省の資料に記載された2つの制度の要件は以下となります。
幼保連携型認定こども園の保育教諭の実務経験がある方はその経験が評価され、8単位のうち受講が必要な2単位分が軽減され、6単位を習得することで保育士登録が可能となります。(2025年末までの経過措置※2023年8月時点)
保育士の特例制度の手続き方法
保育士の特例制度の手続き方法は以下の通りです。
1.実務証明書の発行を依頼する
勤務先に幼稚園教諭の実務証明書を発行してもらいましょう。
転職などの理由で勤務先が複数ある場合は、実務経験の合算が必要となる方もいるでしょう。
その際は以前務めていた職場に証明書の発行を依頼するとよいですね。
2.特例科目を受講申請し、講義を受ける
指定する保育士養成施設で特例科目の受講を申し込み、修了しましょう。
特例科目と単位数は以下の通りです。
【3年特例の対象者:8単位】
- 福祉と養護 2単位
- 子ども家庭支援論 2単位
- 保健と食と栄養 2単位
- 乳児保育 2単位
【幼保2年特例の対象者:6単位】
- 福祉と養護 2単位
- 子ども家庭支援論 1単位
- 保健と食と栄養 2単位
- 乳児保育 1単位
※実務経験で2単位の内容が担保されていることが前提
通学制の場合、20日間ほど日数がかかるようです。仕事と履修に調整が必要な場合もあるでしょう。
講義スケジュールや時間なども詳しく確認するとよいですね。
3.専修証明の発行を依頼する
指定する保育士養成施設に特例科目の単位取得後、受講を証明する専修証明の発行をお願いします。
書類が揃っているかしっかりチェックするとよいですね。
4.保育士試験受験手続きを行ない、免除を受ける
要件を満たせば保育士試験が免除となりますが、試験の受験手続きは必要になります。
受験申請期間は年に4回設けられているので、日程を確認しましょう。
5.保育士登録する
受験免除後、合格通知が届いたら保育士登録を行ないます。
保育士登録の手続きの詳しい内容はこちらをご覧ください。
保育士の特例制度利用時の注意点
最後に保育士の特例制度の利用時の注意点をまとめました。
受験期間に気をつける
特例制度による受験は、申請期限が2025年となっています。受験申請期間は年に4回設定されていますが、先のばしていると申し込みを忘れてしまうこともありそうです。
特例制度による要件を満たしたら早めに手続きを行ない、受験後に保育士登録を行ないましょう。
実務経験を確認する
実務経験を証明するためには書類が必要となります。
該当施設での就労状況をしっかり確認したうえで、早めに自身が要件を満たせるかを確認するとよいですね。
出典:幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例/厚生労働省
保育士の特例制度を活用して資格を取得しよう
保育士特例制度の対象者は早めに手続きを行ない、資格を取得しましょう。
幼稚園教諭免許状と保育士資格があれば、保育教諭として働けるだけでなく、転職や就職にも有利になるでしょう。
現在、幼稚園で働いていない方も条件を満たしていれば対象となります。
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