保育士のパート、派遣社員、正社員、と雇用形態は異なりますが、時給換算で実際どの働き方が最も多く稼げるのがは気になるところ。このコラムでは保育士の時給を詳しく解説するとともに、各雇用形態別、都道府県別に時給を調べてみました。
一般的な時給の相場~パート・派遣・正社員~
まずは、一般的にこれくらいが相場だろうと言われている時給がどの程度の金額なのか、各雇用形態別にまとめました。
時給は地域差がでる一つの指標
まず、大前提としてあるのが時給には地域によって大きく差が出るということ。
時給はさまざまな地域の要因が関わって決まることになります。物価や賃貸の価格によって決まる最低賃金や、都道府県や市町村からの補助金が多いか少ないか、保育士の需要が高いのか低いかによってもその違いが保育士の給与に大きく反映されます。
そのため、時給には都道府県をまたぐことで大きく変わったり、また近隣の地域でも保育需要が高いところと低い地域では大きく相場も異なってきます。時給によって保育士の給与を考える際はこの点に注意しなければなりません。
パート保育士の時給相場
では各雇用形態別に時給を見ていきましょう。
時給といわれて、保育士の雇用形態に最もなじみが深いのがパート保育士です。どの職種のパートにも言えることですが、パートはいわば人手が足りない時間帯に部分的に入るという働き方。そのため時間ごとの給与である時給が給与の一般的な支払い方になってきます。
パート保育士の時給の相場は一般的に900~1200円のところが多いでしょう。もちろん、最低賃金と同程度の給与の園もありますし、技術的に高いものを持っている保育士にはより高い給与を支払う園もあります。地方では時給は1000円を下回る場合が多く、都市部では1000円以上が一般的な相場といえます。
派遣保育士の時給相場
派遣保育士はパートの保育士と比べて高い傾向にあり、時給換算で1000~1500円が相場だといえるでしょう。
もちろん、時給で支払われる場合もありますが、日当や月給での給与支払いもあるようです。派遣保育士がパート保育士に比べて高い時給がもらえる理由の一つは、派遣保育士さんが臨時の即戦力として採用される場合が多いということ。急病人がでた場合など、現場の保育士が足りなくなって手が回らない場合などに、派遣会社を通してヘルプに入ってもらうことが多く、「急な要請にも関わらず来てくれて助かった」ということで時給は高くなる傾向にあります。
正社員保育士の時給相場
正社員は時給換算でだいたい1000円前後が相場だといえるでしょう。もちろんこの額は地域によって差があり、最低賃金を下回らない額となっています。
保育園で働く正社員のほとんどは有資格者で、資格手当などを換算すると無資格のパート保育士よりは高くなりますが、派遣保育士までは高くなりません。
一般的に正社員が優遇されている、安定していると言われる理由は、基本給だけで見る時給のような給与ではなく、ボーナスや福利厚生を含めた待遇、定年まで期限のない雇用形態という点です。そのため、時給だけを見ると低いですが、総合的な観点から見ると正社員は恵まれている立場なのでしょう。
データから見る保育士の時給
では、実際各雇用形態ごとに時給による差はどれくらいなのでしょうか。ここでは2014年に東京都が実施した保育士実態調査をもとに、パート、派遣、正社員の時給をに計算してみました。
パートの時給
調査によると、パートの週ごとの勤務日数は平均4.1日、1日ごとの勤務時間平均は5.8時間。1か月を4週間、これを1年で12か月分と考えて計算します。すると年間の勤務時間数は1141.44時間。これで平均年収104.1万円を割ると、時給は約912円となりました。
当時の東京の最低賃金は900円を下回っていたため、最低賃金よりは少し高めに設定されていることがわかります。また、週ごと、月ごとの労働時間は便宜上概算となっているため、正確な数値ではないことには注意してください。
派遣(有期契約社員フルタイム)の時給
調査では、有期契約社員フルタイムの時給を調査していますが、派遣の保育士は一般的にフルタイムであることが多いため、参考としてパートの時給と同様に計算してみたいと思います。
週ごとの勤務日数は5日、一日の労働時間の平均が8.7時間、パートと同様に1か月を4週と考え、1年で12か月働くとします。すると年間の労働時間は2088時間。これで平均年収206.2万円をわると、時給は約988円となりました。パートよりは高い額であることがわかります。
正社員の時給
正社員の労働時間は同様に週ごとの平均勤務日数が5.3日、平均労働時間が9.3時間、一か月4週間の12か月分として年間労働時間は2365.92時間。平均年収が269.2万円となっているため、計算すると約1138円となります。この数値は賞与を含んだ給与、残業代を含んだ給与となっていることもあり、ボーナスの支給が一般的でなく、残業も少ない派遣社員やパートとも時給的には大きく離れていると考えることができます。
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都道府県ごとの保育士の平均時給
ここでは、厚生労働省の2017年の統計をもとに、各都道府県ごとの保育士の時給を一覧にしました。
大きく地域差のある保育士の時給
厚労省の統計から2013~2017年の保育士の月給、年間賞与のデータをもとに、47都道府県の5年間における平均年収と全国平均を計算。次に、標準的な1日8時間、週5日勤務で月ごとの勤務時間を40時間と考え、その12か月分の1920時間を年間の就労時間として、その数値で平均年収を割ったところ、以下のような結果になりました。
愛知県の時給が最も高く、約2019円となっています。続いて京都府、東京都、大阪府、神奈川県、が並び都市部の自治体を中心に保育士の時給が高くなっていることがわかります。時給が高い地域と低い地域では500円以上、時給換算で差がついていて。このことからも保育士の給与が地域ごとに大きく違うことがわかると思います。また、この中にはパートは含まれないこともあり、時給も高止まりしています。
このように保育士の給与を時給で考えてみると保育士の給与には大きく地域差が関係しているということがよくわかりますね。
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時給はあくまで目安・自身にピッタリの園選びを
保育士の時給を雇用形態別に、データを用いてみてきました。
保育士の時給は雇用形態によってももちろん異なりますが、地域によってさらに大きな差があることがわかります。
ですが、時給はあくまでも目安。地方でも全国展開しているような大規模な園であれば、全国平均と同じくらいの時給を設定している園もありますし、時給が高くても残業が多い園、時給は安くても自身も保護者も納得できる保育をしている施設ももちろんあります。時給や給与という面も確かに大事ですが、それだけにとらわれることなく、さまざまな観点で働く園を見るようにしたいですね。
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