縦割り保育とは、各年齢をできるかぎり同じ割合で編成して生活する保育のスタイルです。核家族化の定着とともに大家族や多人数兄弟が減少していることなどから、保育園で行なう縦割り保育の意義や重要性が注目されているようです。そんな縦割り保育の保育園における取り入れ方、メリット・デメリットや注意点などについて見ていきましょう。
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縦割り保育とは?取り入れ方とねらい
年齢によってクラスやグループ分けをせずに、あえてさまざまな年齢の子どもたちで一緒に保育を行なう ことを「縦割り保育」と言います。
「異年齢保育」や「混合保育」などと呼ばれることもあります。
保育での取り入れ方
さまざまな年齢の子どもたちを同じくらいの割合で配分していってクラス編成を行ない、いっしょに生活や遊びを行なうのが、基本の形態になります。
保育園での縦割り保育の取り入れ方としては、以下のような方法があります。
- 小規模園などでクラスを設けず、すべての年齢を一緒に保育する
- 異年齢の園児を等分に分けてクラスを作る
- 0~2歳児で1クラス、3~5歳児で1クラスというように乳児・幼児でクラス分けをする
- 1日のあいだに数時間など縦割り保育の時間を設定する
- 週に数回、月に数回など、縦割り保育を行なう日を設けて実施する
園の規模や人数などによって、取り入れ方を工夫するのがよいでしょう。
縦割り保育のねらい
各年齢の子どもたちが同じグループで生活するなかで、年齢ごとに区切る保育では得られない体験をしてもらうことが大まかなねらいです。
そのなかでも、具体的に以下のような効果が期待されます。
- 子ども同士の関わりの幅を広げ、社会性や協調性を育む
- さまざまな子との交流を通して、自分と他者の違いを知る
- 年下の子のお世話をして、思いやりの心を育む
これらのねらいは、体験する時期や、上の年齢とかかわるか下の年齢とかかわるかによっても変わるでしょう。
縦割り保育のメリット
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縦割り保育のメリットについて、低年齢児(0歳児~2歳児)と、高年齢児(3歳児~5歳児)に分けて見ていきましょう。
低年齢児にとってのメリット
年下の子どもはお世話をしてくれる年上の子どもに憧れを抱き、その姿を真似たり頼ろうとしたりしながら、年上の子をお手本にして新しいことに挑戦し、学んでいきます。
また、子ども同士で頼ったり頼られたりすることも体験として覚えます。
その中で、関心や興味など世界が広がること、子ども同士の世界や人とのかかわりができること も大きな成長につながります。
高年齢児にとってのメリット
縦割り保育の場では、年上の子が年下の子のお世話をする、面倒を見る、教える、譲ってあげるといった場面が生まれます。
低年齢児や年下の様子を年上としての視点で観察したり、言葉を選んだりしながら接していくことで、思いやりの気持ちが育まれていきます。
また保育士さんがそれらを言葉や行動などで促すことで、自主的に年下の子とのかかわり方や自分の立ち振る舞いを学んでいくことにも結びつきます。
高年齢児は、ただ下の子のお世話をするだけではなく、お世話ができた自分に自信をもち、その自信がさらに意欲や好奇心を高めていきます。
低年齢児・高年齢児ともに、異年齢の子どもたちと互いに刺激し合いながら「人と関わっていく力」を身につけながら、社会性や協調性を学ぶ場となるのが理想的 でしょう。
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縦割り保育のデメリット
縦割り保育を実施することのデメリットについて考えます。
デメリットと言っても、縦割り保育そのものが悪影響を及ぼすとは言えないでしょう。ここでは、縦割り保育を実施する上でデメリットを生まないための注意や配慮を紹介します。
関わり方におけるデメリット・注意点
保育内容を年下の子ができるものに合わせることにより、年上の子にとっては物足りなさを感じたり待ち時間が多かったりと、年齢に応じての保育ができにくい環境となってしまうことも起こりえます。
そのため、保育士さんはどちらかにストレスが生まれないよう、それぞれの年齢ごとに配慮する必要があります。
いつも行なっている遊びやゲームでも、ルールにとらわれず柔軟に遊び方を工夫することが大事です。
年齢に幅がある分、同年齢で行なう保育よりさらに保育士さんによるフォローや声かけなどが重要になってくることを意識しましょう。
安全性におけるデメリット・注意点
年上の子どもが年下の子どもと刺激し合うと言っても、年齢差は1~2歳差です。
高年齢児同士であれば子どもたちに任せられたような場面でも、縦割り保育の場では危険性をともなうこともあるでしょう。けがやトラブルなどの可能性や発生源が増加することをあらかじめ予想しておきましょう。
保育士さんは視野を広く、また細かい配慮もしながら立ち会い、幅広いフォローや危険を察知するアンテナを張り巡らせることが大切になります。
縦割り保育のあいだは保育士さんの配置人数を増やし、配慮の目を多くするなどの対応も必要 かもしれません。
そのうえで、発達段階や子どもの状況に合わせた環境設定や遊び方の工夫が重要となるでしょう。
縦割り保育を効果的に取り入れて保育の質を高めよう
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縦割り保育のねらいや取り入れ方、メリット、デメリットにならないための注意点などを紹介しました。
保育を行なう上で、取り入れ方次第で子どもを大きく成長させてくれる縦割り保育。 楽しいだけではなく、保育士さんにとっては腕の見せどころでもありますね。
保育士バンク!は、よりよい環境で働きたい保育士さんのための転職サービスです。
また、縦割り保育や異年齢保育を取り入れている園や、小規模園で働きたいなど、職場環境にまつわる希望やお悩みもご相談ください。
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