妊娠は人生の一大イベント。子どもが好きで保育士になった方なら、なおさら嬉しいことですよね。しかし、特に保育士という仕事の特性もあり、職場への報告などがうまく運ばないとトラブルになりかねないケースもあるようです。今回は保育士さんの妊娠に関して、報告と仕事上での注意点を見ていきましょう。

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妊娠が判明、まずはどうする?
オフィスなど内勤で働く方が妊娠した場合は、安定期以降を職場への妊娠報告タイミングとするのが一般的のようですが、保育士さんの場合は考え方が少し変わるかもしれません。
保育士さんが妊娠した場合は、判明した段階で早めの報告がベストです。
この場合は、まず園長に報告しましょう。
個人差はありますが、妊娠初期などは体調が安定せず、仕事を休む可能性も十分に考えられます。
その場合、代わりに穴埋めをしてくれる職員に負担をかけてしまいますし、子どもたちにも心配をかけることになるでしょう。欠勤の理由が妊娠だと分かれば、園長や職員にも理解が得られます。
体調によっては、園長や経営する側は、担任の変更や欠員募集を行なうことも考えなくてはなりません、
このように、妊娠中から出産後にかけて長期にわたり配慮してもらうことが必要な状態にあるということを念頭に、まずは妊娠したという状況を報告することが大切です。
この場合は、嬉しいプライベートの報告ではなく、勤務者としての業務報告や上長への相談という視点を持ってのぞむとよいでしょう。
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報告で大事なのは順番とタイミング

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まずは、妊娠が判明した時点で園長に報告し、その段階でほかの職員への報告のタイミングも相談してみるのがよいようです。
園長の次は主任保育士へ報告
まずは、園長の理解を得たうえで、主任保育士など直属の上長に報告するという手順がよいでしょう。上長へは、自分で報告するか、園長から報告してもらうかといった判断もあるかもしれません。
この段階で、園長や主任保育士が体調や本人の希望などをヒアリングしてくれ、今後の勤務状況や報告の見通しをつけていくはずです。
妊娠した保育士さん、園長、主任保育士がチームとなって、ほかの職員や園児・保護者への対応も進めていけるのが理想的ですね。
同僚・先輩・後輩など職員へ報告
同僚などほかの職員に対しての報告は、園長の意向と、自分の意向をすりあわせて決める必要がありますが、体調や状況と相談してタイミングを決める必要があるでしょう。
仕事に影響が出るほど体調が悪化する場合は、カバーしてもらうことになる保育士さんにあらかじめ報告するほうが、業務に支障をきたさない場合もあります。
基本的に、大きく問題がなく順調に妊娠がすすんでいる場合は、安定期を過ぎての報告でも問題ないでしょう。いずれにしても、園長に確認したうえで報告の段取りをとりましょう。
なお、担任を持っている場合は、いっしょに働く副担任の先生には個別に伝えておくという考え方もあります。自分が副担任であれば、園長や上長に報告のうえで主担任の先生に報告するのがよいでしょう。
保護者への報告
保育士さんの場合は、上司や同僚などのほかに通園している子どもの保護者にも報告をする必要があります。
園によっては、保護者へは、毎月のおたよりなどで報告するという慣習があるケースもあるので、これについても園長と相談しましょう。
タイミングとしては、安定期後に同僚などへの報告を済ませてからが多いようです。
文面での報告後に、送迎や行事などのタイミングで保護者から声をかけられた場合は「ありがとうございます」「ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますがよろしくお願いいたします」など、個別にあいさつしましょう。
園児への報告
順番としては、まず保護者、次に子どもたちに報告するのがベターなようです。
先に保護者より先に園児へ報告すると、子どもが家庭で「○○先生、おなかに赤ちゃんいるんだって!」と話題にすることで、保護者に無用な心配や詮索をさせてしまうことになりかねません。
そのため、まずは保護者への報告が済んだあとに、子どもたちには朝の会・帰りの会などの時間で報告するのがよいでしょう。
その際には、
「おなかに赤ちゃんがいる」
「赤ちゃんを産むときにお休みする」
「そのあいだは、△△先生がみんなといっしょに遊んでくれるから心配しないで」
など、子どもを不安にさせない伝え方を考慮してくださいね。
なお、子どもたちは急にとびついて抱っこをせがんでくることも多いでしょう。
同僚やいっしょに働く保育士さんから「○○先生のおなかをみんなで大事にするために、抱っこはほかの先生にしてもらおう!」と声かけしてもらえるとよいですね。
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妊娠中の保育士さんが注意すること
妊娠報告がスムーズにすすめば、あとは保育士さんとしての仕事と妊娠中であることを念頭に、できるだけ無理なくバランスをとりながら乗り切りましょう。
体調面と仕事のバランス
妊娠中の体調は、妊娠してみないとわからないだけでなく、非常に個人差があるものです。
初期から出産までつわりがひどく日常生活もままならない方・入院が必要になってしまう方がいれば、まったく体調の変化がなく今までどおり働けるという方もいます。
また、本人に体調不良の自覚がなくても、急に母子ともに危険な状態になってしまう可能性もあります。特に妊娠初期は注意が必要です。
重いものを持つ、行事やイベント準備などで身体を動かすなどはできるだけ避け、つわりでなくても体調不良がある際は、仕事をセーブすることも考えなくてはいけません。
感染症対策
妊娠中の保育士さんが気をつけたいことのひとつが、感染症対策です。
免疫力が低い子どもがたくさんいる保育園では、おたふくかぜや水ぼうそうなどの感染症が流行しやすいものです。
妊娠中はこうした感染症にかかると症状が重症化しやすかったり、流産のリスクが高まったり、胎児に影響がおよんだりするおそれもあります。
妊娠を考えている保育士さん、妊娠中の保育士さんは、自身の罹患歴やワクチンの接種を確認するとともに、マスク、手洗いなどを含めた感染症予防に努めましょう。
周囲への配慮
妊娠中はほかの保育士さんへの業務負担が重くなることが考えられます。
子どもにかかわる保育という業務上、周囲は妊婦さんに配慮してくれることが多いかもしれません。
とはいえ「気を遣ってもらって当たり前」「妊娠中なんだから休んで当然」という態度でいては、さすがに周囲も不満を募らせてしまいます。
サポートしてくれる仲間への配慮や気づかいは常に忘れないようにしたいですね。
産休・育休の準備
産休も育休も法律で定められた休暇制度です。
出産後も同じ園で働き続けたい場合には、産休を取るという選択肢を考えるのではないでしょうか。
求人の中には、産休育休制度ありの求人や産後復帰率100%と宣伝しているものもあり、こうした園では産休を取りやすい雰囲気があるでしょう。
特に、育休の期間に関しては事業所ごとに異なるため、自身の園の制度概要についてチェックが必要です。
また、産休に入る時期を早めに園長と相談しておくことで、自身も園にも負担をかけることなく産休・育休に入ることができます。
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退職を考える場合
退職して子育てに専念したいと考える保育士さんもいるでしょう。
そのような意向がかたまっていれば、早めに園に相談しておきましょう。
また、育児のために数年単位でブランクがあったとしても、比較的復職しやすいのが保育士かもしれません。自身の子育て経験が、保育により活きると考えてもらえることも多いようです。
近年では、保育士確保のための復職支援も充実しており、環境的にも再び戻ってきやすい仕事といえるでしょう。
退職後、子育てがひと段落してから復帰したい場合は、保育士専門の転職エージェントなどに相談すると、状況や希望に合わせた職場や働き方を提案・紹介してもらえます。
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妊娠報告は、本来おめでたいものですが、報告が遅れる、配慮が足りないなどの理由でトラブルに発展するケースもあるようです。
また、妊娠中の保育士さんが無理をして、母体や赤ちゃんに危険を引き起こすようなことは避けたいもの。自分の体と赤ちゃんの安全・健康を第一に考えながら、周囲への配慮も忘れずに産休までの期間を過ごせるようにしたいですね。
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