「社会人として働いているけど、やっぱり子どもと関わる保育の仕事がしたい」
と思う一方で「未経験だけど保育士として働けるのかな」思う保育士さんは多いでしょう。
ですが、現在、未経験の保育士さんでも転職しやすくなっています!
このコラムでは未経験の保育士さんが転職しやすい理由、転職の際のポイントを解説していきます。
1.未経験でも転職しやすくなっているのはなぜ?
保育士が足りない!
未経験の保育士が必要な大きな原因は保育の需要が高まっているからです。都市部を中心に現在問題になっているのが、保育所を利用できない待機児童。国は2022年度末までに32万人の受け入れ人数の増加を目指しています。そのため、現在、保育所の増設や保育所受け入れ定員を増やすなどしてより多くの子どもを受け入れています。子どもを多く受け入れるためには保育士もさらに必要。そこで、社会人として企業などで働いている保育士さんや、今は働いていない保育士さんにも現場に入ってもらい、一人でも多く保育士が働くことが期待されています。
未経験の不安を取り除くサポートが充実してきました
近年、未経験の保育士さんでも不安なく保育園で勤務できるようなサポートが充実してきています。市区町村と保育所が連携して、保育所の見学会や就職説明会が開催されていたり、ブランクがある保育士さんや未経験の保育士さん向けの保育実習を含むセミナーなどを開催している地域があります。保育の現場に実際に入ってみることで、「未経験である」という不安を少しでもなくしてもらおうという取り組みです。
転職の経済的負担を減らしてくれる自治体も
また、転職の際の経済的な負担を減らそうという取り組みも進んでいます。新生活のための資金として返済免除制度のある就職準備金が利用できる地域が都道府県単位で増えています。子育て中の保育士さん向けに、保育料や学童保育の利用料の一部を貸してくれる制度を利用できるエリアもあります。こちらも返済免除があるものが多く、負担も少なくなっています。こうしたサポートは自治体によって実施や内容が異なるため、お住いの地域のホームページをチェックしてくださいね。
保育所も未経験の保育士を歓迎している
保育所の中でもこうした未経験の保育士さんを歓迎する施設が増えてきています。求人広告の中にもあらかじめ「未経験歓迎」「初心者歓迎」と書いてあるものも多く、こうした求人が「保育士バンク!」にも多く寄せられています。全国に保育園を展開するような企業では企業内の保育士向けの研修制度が整っている施設もあり、未経験でもしっかりサポートしてくれます。
こうした理由から未経験の保育士さんの転職がしやすくなっていることがわかります。
そして、未経験の保育士さんには転職の面接でアピールできるポイントが多いのをご存知でしょうか?次はそうした未経験の保育士さん向けに面接のポイントを解説します。
2.面接のポイントその1…社会人として身に着けたスキルをアピールしよう!
社会人として一般企業などで働くうちに身に着けたスキルの中には保育士としても必要になるものがあります。
社会人としてのマナー
社会人として働く中で身につくものの一つがマナー。職場でのあいさつ、「報告・連絡・相談」などは、どの職場で働く際にも必要となるものです。保育の現場は子どもと関わるだけでなく、同僚の保育士との連携が不可欠。こうした社会人としての基本ができていることは、面接の際の好印象にもつながります。
同僚・保護者とのコミュニケーション能力
コミュニケーション能力も保育士に必要とされる能力の一つです。保育士の仕事は子どもを親に代わって保育をすること。保護者が安心して子ども預けることができるように保育士同士のコミュニケーションを取り合って保育をしていくことが重要です。
また、子どもだけでなく、保護者とのコミュニケーションも重要。子どもの体調や園での様子、持ち物などの連絡事項を伝えたりなど保護者と関わることも多いです。そのため、接客や営業などで身に着けたコミュニケーション能力は社会人を経験した保育士にとってアピールできるポイントになります。
事務処理能力・ICT能力
保育の現場は事務作業の多い職場です。保育日誌の作成や報告書、計画書などの事務作業があります。こうした事務を効率よくこなせるような事務処理能力を社会人として身に着けていると、保育の現場に入ったときにプラスになるでしょう。また、こうした保育士の負担を少なくするために、パソコンやタブレット端末などの情報機器を導入して園だよりや資料を作成する施設も増えています。そのため、情報機器を使い慣れていることもアピールできるポイントになりますよ。
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3.面接のポイントその2…今までしてきた経験もプラスに
子育て経験
子育ての経験は保育の現場では大きなプラスになります。保育は子どもに関わることが多いお仕事。保育士として未経験でも、子育てを経験していれば、子どもとのかかわり方にも活きてくることはたくさんあります。
また、自身の子育て経験を振り返って、保護者に寄り添った対応もできるはず。こうした保護者の目線で現場の改善点を指摘することもできるでしょう。
社会人としての経験
社会人としての経験がある、ということも面接でアピールすることができるポイントの一つです。たとえば、営業の仕事で取引先の人と関わる中でコミュニケーション能力が身についたという経験、自身の働いてきた経験を思い出して仕事を頑張っている保護者の目線に立った考え方ができるなど、自身の社会人としての経験は保育士としても活きることが多いでしょう。
4.面接のポイントその3…未経験であることを逆手に取ろう
外部の目線で物事を捉えることができる
未経験であるということは現場の常識にとらわれない考え方ができるということです。
これは、保育園の中だけで働いてきた人に比べると、より広い視野を持つことにもつながります。現場を知らないからこそ、外部の目線で物事を考えることができるため、保育の仕方や事務作業を効率をよくするための指摘をして、園の保育全体を改善することができるというメリットもあるでしょう。
保育から離れてみて感じたことを伝えよう!
社会人から保育士に転職する場合には、新卒の保育士とは違った視点で保育士という仕事を見ることになります。転職を考えている保育士さんの中には、一度、一般企業で働いてきたからこそ、保育の仕事のやりがいを再発見できたり、保育士が自分に合っていると感じた方もいると思います。そうした志望動機を伝えることで、採用する側に保育士として働きたいという強い意欲をアピールできますよ。
5.まとめ
上述のように、保育士がこれからも必要とされるため、未経験の保育士さんが転職しやすい状況は続くことが予想されます。未経験だからと不安に思う必要はなく、社会人として身に着けたスキルや経験、子育て経験など保育士として働いた際に活かせるものが多くあります。また、保育から離れていたからこそ見える視点や保育士としてのやりがいなど、未経験ということがプラスに働くこともあります。保育士として未経験でも自身のこれまでの経験が活きるのが保育士のお仕事です。