保育科とは、保育士や幼稚園教諭になるための専門的な知識・技能を学び、必要な資格を取得するための学科です。厚生労働省に認定された養成施設で学ぶと、卒業時に試験を受けることなく資格を取得することができます。今回は保育科が具体的に何を学ぶ学科なのかを解説するとともに、学べる内容を詳しく紹介します。また、保育科を学べる各養成施設の特徴とメリット・デメリットも確認しておきましょう。

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保育科とは
保育科とは、保育士や幼稚園教諭になるために専門的な知識・技能を学び、必要な資格を取得するための学科のことです。
一般的に保育科という名称で表現されることが多いですが、「幼児教育科」「こども学科」「初等教育学科」「児童保育学科」などさまざまな呼び名があります。
この学科に入ると、保育全般の基礎・基本を以下のようなカリキュラムで学ぶことになります。
必修科目
保育科で学ぶ必修科目は以下のとおりです。
保育の本質・目的に関する科目
- 保育原理(講義2単位)
- 教育原理(講義2単位)
- 子ども家庭福祉(講義2単位)
- 社会福祉(講義2単位)
- 子ども家庭支援論(講義2単位)
- 社会的養護Ⅰ(講義2単位)
- 保育者論(講義2単位)
保育の対象の理解に関する科目
- 保育の心理学(講義2単位)
- 子ども家庭支援の心理学(講義2単位)
- 子どもの理解と援助(演習1単位)
- 子どもの保健(講義2単位)
- 子どもの食と栄養(講義2単位)
保育の内容・方法に関する科目
- 保育の計画と評価(講義2単位)
- 保育内容総論(演習1単位)
- 保育内容演習(演習5単位)
- 保育内容の理解と方法(演習4単位)
- 乳児保育Ⅰ(講義2単位)
- 乳児保育Ⅱ(演習 1 単位)
- 子どもの健康と安全(演習1単位)
- 障害児保育(演習2単位)
- 社会的養護Ⅱ(演習1単位)
- 子育て支援(演習1単位)
保育実習
- 保育実習Ⅰ(実習4単位)
- 保育実習指導Ⅰ(演習2単位)
総合演習
- 保育実践演習(演習2単位)
選択必修科目
保育科で学ぶ選択必修科目は以下のとおりです。
- 保育の本質・目的に関する科目
- 保育の対象の理解に関する科目
- 保育の内容・方法に関する科目
- 保育実習Ⅱ(実習2単位)
- 保育実習指導Ⅱ(演習1単位)
- 保育実習Ⅲ(実習2単位)
- 保育実習指導Ⅲ(演習1単位)
保育科を学べる施設の特徴とメリット・デメリット

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保育科を学ぶことができる養成施設は、専門学校や短期大学、4年制大学、通信制大学です。
さらに上記の学校が厚生労働省が指定する養成施設であれば、卒業と同時に保育士資格を与えられるため、資格取得のために別途保育士試験を受ける必要はありません。
ここでは、4つの施設の特徴と、各施設のメリット・デメリットをそれぞれ詳しく確認しておきましょう。
専門学校
専門学校は、最短2年という短期間で保育の知識や技術を修得できる養成施設です。カリキュラムは、実習などの実践的な指導を行なっている授業が多いという特徴があります。
<メリット>
- 最短2年で保育士資格を修得できる
- 保育士資格と一緒に幼稚園教諭の資格を取得できるところもある
- 短期大学や4年制大学よりも安い費用で学べる
<デメリット>
- 保育士以外の進路を選択するのが難しい
- 2年という短い時間で修得する必要があるので忙しくなりがち
短期大学
短期大学は、専門学校と同じく最短2年の短期間で保育の知識や技術を修得できる養成施設です。保育以外にも、一般教養などの授業を受けることもできます。
<メリット>
- 保育の実践中心のカリキュラムを最短2年で学べる
- 地元の企業への就職に強い
- 4年制大学よりも安い費用で学べる
<デメリット>
- 専門学校に比べて実習の数が少ない
- 一般教養と保育を学ぶため専門学校や4年制大学よりも忙しくなりがち
4年制大学
4年制大学は、4年間で保育・教育分野の高度な知識や技術を修得できる養成施設です。4年間という長い時間をかけて、じっくりと学べるという特徴があります。短期大学と同様、一般教養を学ぶことも可能です。
<メリット>
- 保育に関する知識や技術を4年間で広く深く学べる
- 保育士資格と幼稚園教諭一種免許を同時に取得できる施設が多い
- 保育士以外の進路も考えられる
<デメリット>
- 保育士資格の修得までに時間がかかる
- 専門学校や短期大学と比べて学費が高い
通信制大学
通信制大学は対面授業が少なく、保育の知識や技術のほとんどが自宅で修得できる養成施設です。テキストやインターネットを使ったオンライン授業、学校に通うスクーリングや保育施設での実習などで保育に関する学びを深めていきます。
<メリット>
- 通学が難しい状況・環境の人でも学べる
- 最短2年で保育の知識や技術を修得できる
- 養成施設の中では最も学費が安く済む
<デメリット>
- 厚生労働省が指定した養成施設が少ない
- 独学がメインなので勉強のモチベーションの維持が難しい
出典:指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について[改正後全文]/全国保育士養成協議会
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保育科を学べる養成施設は4つ!自分の状況や学びたいと思う場所を探そう
保育科を学べる養成施設は、専門学校や短期大学、4年制大学、通信制大学がありますが、これらの施設にはそれぞれにメリットとデメリットがあります。
どの養成施設も、厚生労働省が指定した施設であれば卒業と同時に保育士資格を取得できるため、自分の状況や学びたいと思う場所へ通うのがよいでしょう。
施設によって異なりますが、保育士資格と幼稚園教諭免許状を一緒に取得できる施設も増えてきています。保育士以外にも幼稚園教諭に興味がある場合は、その点を考慮して学校を選んでみてもよいのではないでしょうか。
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