2025年1月の最新保育ニュースをお届けします。「保育の新しい方向性『量』から『質』へ」「こども誰でも通園制度の手引書の素案公表、利用時間は上限10時間までに」「お正月に増える餅のど詰まり事故防止」「子どもへの心理的虐待防止を考える」「子どもの水筒持参時の転倒事故に注意」など、面接や職員会議、保護者との会話で活用できる話題を紹介します。
Paylessimages / stock.adobe.com
【2025年1月最新】保育に関するニュース
新しい年が始まり、保育に関するニュースが話題にあがることも多いのではないでしょうか?
職員会議や保護者とのお話の中で、「最近こんなニュースを聞きました」と共有することで、会話が広がるきっかけになるかもしれません。
また、面接の場でも時事問題に触れる機会が多く、ニュースをチェックしておくことは転職活動でも役立ちますよね。
今回は、1月に注目したい保育ニュースをピックアップしてお届けします。各ニュースに関するコメント例も紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
【2025年1月保育ニュース】保育政策が「量」から「質」へ。これからの保育の目指す方向性とは?
2028年度を見据え、保育政策が「待機児童ゼロ」から「保育の質の向上」へシフトしていく方針がこども家庭庁より発表されました。
これまで待機児童ゼロを目指し、施設の増設が主な目標とされてきましたが、今後は以下の3つの柱を中心に、保育の質の向上を目指します。
- 地域のニーズに対応した質の高い保育の確保・充実
- 全ての子どもの育ちと子育て家庭を支援する取り組みの推進
- 保育人材の確保、テクノロジー活用による業務改善
保育士の労働環境の改善に向けたさまざまな対策が期待されています。
保育士1人あたりの園児数の基準の見直しや処遇改善なども検討され、保育士が働きやすい環境づくりを進める施策が公表されています。
保育士の労働環境改善や業務負担の軽減、さらに地域全体で保育を支える仕組みづくりが進むことで、保育士が子どもたち一人ひとりにより丁寧に向き合える時間が確保され、保育の質の向上につながるでしょう。
また、事務作業の負担軽減や安全管理の向上を目指したシステムの導入など、テクノロジーの活用も注目が集まっています。
例えば、記録や報告書作成の自動化が進めば、保育士は子どもたちの活動をじっくり観察し、成長に寄り添う時間を増やすことができるでしょう。
今後もどのような対策が実行されるのか、動向をチェックすることが大切です。
【このニュースのコメント例】
2028年度に向けて、保育の質を高めるための取り組みを重視するというニュースを聞いて、これからの保育について考えるきっかけになりました。
政府が打ち出した方針の中には、保育士1人あたりの園児数の見直しも含まれています。
配置基準の見直しが実現すれば、子どもたち一人ひとりにじっくり向き合える時間が増え、保育の質の向上につながると思います。
また、職員同士で話し合いながら保育を工夫する時間や保護者の方とより密にコミュニケーションが取れる時間が増えるかもしれません。
こうした取り組みが、保育士としての働きやすさややりがいにつながるとうれしいです。
これからもニュースを定期的にチェックして、保育の質を高めるためにどう子どもと向き合っていくのか、自分自身ができることもふまえて考えていきたいです。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
【2025年1月保育ニュース】「こども誰でも通園制度」の手引書の素案が公開
こども家庭庁が2026年度から本格導入を予定している「こども誰でも通園制度」の手引書素案が公開されました。
この制度は、保護者の就労状況に関係なく、0~3歳未満の子どもが月10時間を上限に保育園や認定こども園などを利用できます。
また、各市町村の判断において、月10時間を超えて子どもを預けられる場合もあるということです。
この取り組みは、子育て中の保護者の孤立を防ぎ、子どもの成長を支えることが目的としています。
また、保護者が一時的に息抜きをしたり、育児のサポートを受けたりするきっかけとしても期待されています。
現時点で制度の対象園は未定ですが、各自治体の保育園や認定こども園などでお試しのモデル事業が行なわれています。
実施に向けては、保育士の人材確保や運営体制の整備といった課題も多く、現場の受け入れ態勢を整えることが鍵になりそうです。
【このニュースのコメント例】
『こども誰でも通園制度』は、子育て家庭を支援するうえで重要な制度だと考えています。
特に、育児で孤立しがちな保護者が気軽に相談できたり、保育園を利用できたりする機会が増えるのはよいことだと思います。
ただ、保育士としては、新しい制度に対応するための準備や理解が必要になります。
私自身、この制度についてしっかり学び、安心して制度を利用できるようサポートしていきたいと感じました。
現在は対象の園が公表されていませんが、もし自分がこの制度に関わることになれば、現場でできることを考えながら丁寧に取り組んでいきたいです。2026年度の本格実施に向けて制度の内容が変更になる可能性もあるため、定期的にチェックしていきたいです。
保育士バンク!の新着求人
お住いの地域を選択して、最新の求人情報をチェック!
【2025年1月保育ニュース】正月は餅のど詰まり事故に注意!保育現場でできる対策とは
お正月といえば、美味しいお餅を楽しむ季節ですね。
ただ、この時期には毎年、餅によるのど詰まり事故が報告されています。
特に子どもや高齢者はお餅を飲み込む力が未発達・低下しているため、十分な注意が必要といわれています。
政府広報オンラインでは、餅の食べ方に関する注意点や万が一のどに詰まった際の応急処置が紹介されています。
保育現場でも、餅に似た食品や喉に詰まりやすい食材を扱う際には気をつけましょう。
もし詰まらせたときの応急処置をチェックしておくことも必要です。
【応急処置について】
- 声をかけて反応を確認し、咳ができれば咳を促す
- 詰まった場合は、背中を強く叩いて詰まったものを吐き出させる「背部叩打法」を実施する
- 背部叩打法で取れない場合は、上腹部を手前上方に強く突き上げて、喉に詰まった餅を取り除く「腹部突き上げ法」を試みる※乳児には行なえない方法なのでご注意ください。
窒息のサインや応急処置を職員間で共有し、万が一の際に冷静に対応できるよう準備しておくことも大切です。
詳細はこちらに記載されているため、応急処置の方法を職員間で共有し、マニュアルなどを作成しておきましょう。
【このニュースのコメント例】
正月に増える餅のど詰まり事故のニュースを見て、保育園でも万が一の事故に備える大切さを感じました。
お餅つきの行事が控えているので、子どもたちが慌てずに食べられるよう見守りながら、ゆっくり噛んで食べることを伝えていきたいです。
また、喉に詰まりやすい食材を扱うときには、小さく切ったり柔らかく調理したりするなど、工夫を取り入れていきたいと思います。
さらに、窒息のサインや応急処置を職員同士で確認し合い、いざというときに冷静に対応できるよう準備しておくことも重要だと思います。
職員全員でマニュアルをチェックして、子どもたちが安心して食事を楽しめる環境づくりに取り組みたいです。
読んでおきたいおすすめ記事
【採用担当者向けコラム】保育士の新卒採用やることリスト。テンプレに使えるチェックシートを紹介
新卒採用は計画的に進めることが重要。保育士を目指す学生の動きは年々早期化しているとも言われるため、事前に「やることリスト」をまとめておくとスムーズです。そのうえで、早め早めに動くことが採用成功の近道で...
【採用担当必見】保育施設のお悩み対策診断。今、あなたの園に必要な対策は?
保育施設の運営にまつわる課題は、採用・定着・園児集客など、園によって本当にさまざまです。一体、自園にとって必要な対策は何なのか?「保育施設のお悩み対策診断」を使って調べてみましょう。 &n...
【採用担当者向けコラム】保育士の意向調査実施マニュアル。来年度に向けた準備のポイント
保育士さんに向けて来年度の就業意思を確認する意向調査では、どんなことに配慮して進めるとよいでしょうか。今後の園の運営や保育士さんの育成に関わることなので、慎重に行なうことが大切です。今回は、意向調査の...
【採用担当者向けコラム】意向調査で「退職希望」を示している保育士の引き止めはできる?
意向調査で退職の希望を示している保育士さんの引き止め方を知りたいと感じる採用担当者の方もいるでしょう。保育士不足が続く中、頼りにしていた保育士さんが抜けてしまうと運営が苦しくなりますよね。今回は、意向...
【2024最新】保育士不足が続く原因は?解消に向けた国・自治体・園の対策も解説
なぜ保育士不足が続くのでしょうか。子育て支援の重要性が増す中で、資格を持ちながらも保育士として就業する人が少ない状況を受け、国や自治体ではさまざまな対策を行なっています。今回は、深刻な社会問題でありな...
【2024年最新】学童保育の補助金はいくら?開業や運営に関わる助成金について
全国的に共働き家庭が増えたことで、小学生の居場所となる学童保育の拡充が求められています。実際に学童保育の開業や運営を目指す場合、国や自治体からいくらの補助金を受け取れるのでしょうか。今回は、学童保育の...
【採用担当者向けコラム】保育士の人材紹介手数料は高い?相場や会社による違いを解説!
保育士採用でも利用される「人材紹介」。手数料が何十万にも上ったという話を聞き、利用を迷っている採用担当者の方もいるかもしれません。今回は、保育士の人材紹介について、手数料の相場と費用が高いと言われる理...
【採用担当者向けコラム】真面目な人ほど急に辞めるのはなぜ?保育士が突然退職する理由と対策
真面目な人から急に辞めると告げられて、「何がよくなかったのか…」と頭を抱える採用担当者の方もいるのではないでしょうか。おとなしい人や優秀で勤勉な保育士さんほど、職場にストレスを抱えているかもしれません...
【採用担当者向けコラム】人材紹介会社が保育士さんを紹介してくれないのはなぜ?原因と対策
人材紹介会社を利用したにもかかわらず「保育士さんを紹介してくれない」と悩みを抱える方はいませんか?採用活動がスムーズに進まないと人材不足が解消されず、運営に支障をきたすケースも。今回は人材紹介会社から...
転職フェア出展は意味がない?採用できない?保育士を集客するためのポイント
多くの保育士さんと出会い、自園の魅力を直接伝えられる「転職フェア」。人材確保のチャンスになる機会ですが、出展しても意味がないのでは、採用できないのではと不安を抱く方もいるでしょう。今回は、転職フェアで...
放課後等デイサービスの職員採用の方法は?求める人材に出会うコツ
保育・福祉業界では人材不足が深刻化しており、放課後等デイサービスについても採用に苦戦する施設があるでしょう。特に児童発達支援管理責任者(児発管)の不足は、全国的に大きな課題となっています。今回は、放課...
時短勤務とは?保育園が導入するメリット・デメリットや注意点
2009年度の育児・介護休業法によって制度化された「時短勤務」。正式には短時間勤務制度と呼ばれ、3歳に満たない子を療育する労働者を対象に多くの方が利用しています。今回は時短勤務の概要や対象者、導入状況...
学童保育の経営に必要な基礎知識!開業の流れや必要コスト、成功のポイント
学童保育の開業を考えている方は、開業の流れやランニングコストの目安を把握しておくことが大切です。学童保育を経営するうえで必要な基礎知識をチェックしていきましょう。今回は、学童保育の経営に関する内容や成...
【採用担当者向けコラム】保育士採用で合同説明会に出展するメリット。成功の秘訣
保育事業者にとって合同説明会への出展には、どのようなメリットがあるのでしょうか。採用の成功率をアップするために、出展を検討する採用担当者の方もいるかもしれません。今回は保育士さん向けの合同説明会の活用...
学童保育の採用に人材紹介サービスを利用するメリットと注意点。活用するポイント
学童保育の採用に人材紹介サービスを利用するべきかと悩む事業者の方はいませんか。「手数料が高いのでは?」「希望する人材の紹介が受けられるのか」と不安を抱くこともあるでしょう。今回は、学童保育の採用に人材...
【採用担当者向けコラム】退職代行を使われた時はどうする?保育園に連絡が来た時の対処法
職員から退職代行サービスを利用して退職の申し入れがあった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。連絡が来た時点で直接該当の職員とやり取りすることが難しいため、戸惑ってしまいますよね。今回は退職代行...
ジョハリの窓とは?4つの窓の内容や注意点、具体例をわかりやすく解説
「ジョハリの窓」という自己分析ツールはご存じですか。「開放」「秘密」「盲点」「未知」の4つの窓を用いて、自分や他者からの印象を認識していく手法です。今回は、ジョハリの窓の概要や企業内での導入時の注意点...
今、重要視される「学び直し」は保育士に必要?園側が取り組む具体例
社会人の学び直しが注目されている昨今、雇用側の環境整備が求められます。今回は、保育士の学び直しが必要なのか、園側の取り組みや具体例についてわかりやすく解説します。保育士がやりがいをもって働ける職場を作...
人的資本経営とは?保育園経営に活用するメリットや保育士育成のポイント
人的資本経営とは、企業の人材を「資本」と捉え、人材の価値を高めることで企業価値の向上を目指す経営手法です。近年注目されている経営手法のひとつで、さまざまな企業で導入されています。今回は、人的資本経営の...
学童保育を開業するために必要な資格・条件・補助金制度について徹底解説!
全国的に学童保育の拡充が求められている今、学童保育施設を開業するためには何が必要なのでしょうか。今回は学童保育の開業に必要な条件や手続き、補助金制度などを紹介します。学童保育の開業は主に自治体から業務...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
【2025年1月保育ニュース】子どもへの心理的虐待防止。保育士の言葉遣いの大切さ
oatawa / stock.adobe.com
保育士の言葉遣いや態度が子どもたちの心に大きな影響を与えるといわれています。
2024年、ある保育施設での保育士による暴言が問題となり、心理的虐待の防止に向けた議論が進められています。
こども家庭庁では、心理的虐待を防ぐためのガイドラインを作成し、保育現場での適切な言葉遣いや態度の重要性を呼びかけています。
たとえば、以下のようなケースは心理的虐待に該当します。
- 言葉や態度による脅かし、脅迫を行なう
- 他のこどもとは著しく差別的な扱いをしたり、無視したりする
- 「どうしてこんなことができないの」など、こどもの心を傷つけることを繰り返し言う
子どもたちが安心して過ごせる環境を作るため、保育士さん自身が日々の言動を振り返り、配慮を心がけることが大切になるでしょう。
また、保育士さんが多忙なため、心の余裕がないことから、子どもに辛くあたってしまうこともあるようです。
保育士さんが笑顔で働けるように、労働環境の整備や精神的ケアなども重要になるでしょう。
【このニュースのコメント例】
子どもへの心理的虐待の防止が呼びかけられているニュースを見て、保育士として改めて日々の言葉遣いや態度を見直そうと思いました。
保育現場では、忙しさや疲れから感情的になりそうな場面もありますが、子どもたちの成長をサポートするために、冷静で優しい言葉を選ぶことを心がけたいです。
また、同僚同士で声を掛け合いながら、保育士全員が安心して子どもたちと向き合える環境を作ることも大切だと感じました。これからも心理的虐待について学び、研修などを活用して、よりよい保育を目指していきたいです。
【2025年1月保育ニュース】子どもの水筒持参時の転倒事故に注意!保育園での安全対策
冬場は空気が乾燥しやすく、水分補給が重要な時期。
しかし、子どもたちが水筒を持ち歩く際に、転倒事故やケガのリスクがあるため注意が必要です。
特に紐が長すぎたり、身体にフィットしていない水筒を使用したりすると、転倒時のケガが深刻になるケースがあります。
消費者庁では、転倒した際に首や肩に掛けていた水筒がお腹にあたり、内臓を損傷するといった事故が発生していることを報告しています。
保育現場でも以下のような工夫が必要でしょう。
- 水筒はなるべくリュックサックなどに入れる
- 遊具などで遊ぶ場合は水筒を置くことを伝える
- 子どもたちに水筒を持って走らないなどのルールを伝え、転倒事故を防止する
また、子どもたちが安全に動けるよう、保育士がそばで見守ることが大切です。さらに、販売されている安全ベルトなどを活用すれば、転倒時のリスクを軽減することもできそうです。
保育園全体で職員同士で安全対策を共有し、子どもたちが安心して遊びや活動に取り組める環境づくりを進めていきましょう。
【このニュースのコメント例】
冬場は乾燥しやすく、水分補給が大切な時期ですが、水筒を持ち歩く際の転倒事故のニュースを見て、保育園でも改めて安全対策の重要性を感じました。
特に冬場は路面が滑りやすくなっているため、特に転倒事故を招く恐れがありそうです。
水筒をリュックにしまうように促したり、遊ぶ際には水筒を置くよう伝えたりといった基本的なルールを徹底することで、子どもたちの安全を守れると思います。
また、安全ベルトなどが販売されているようなので、保護者の方へ情報を共有し、共に子どもたちの安全を守れるよう、声をかけていきたいと思っています。
出典:こども誰でも通園制度の実施に関する手引/こども家庭庁
出典:「保育政策の新たな方向性」について/こども家庭庁
出典:餅による窒息に要注意!喉に詰まったときの応急手当は?/政府広報オンライン
出典:保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン/こども家庭庁
2025年1月の最新保育ニュースをチェック!
新しい一年がスタートし、保育士として日々の保育に役立つニュースや情報にふれることで、現場での活動に新しい視点やヒントを取り入れることができるかもしれません。
最新のニュースを知ることで、保育のトレンドや課題を把握し、保育の質をさらに高めるきっかけになるとよいですね。
また、保育士バンク!では、保育に役立つ情報を配信しています。
就職・転職サポートも実施しており、あなたらしく働ける職場を探す際にお気軽にご相談ください。あなたの新たなスタートを全力で応援します!
お問合せ&資料ダウンロード
採用課題・経営課題に関する個別ご相談、お問合せはこちらからお願い致します。
保育士バンク!の新着求人
お住いの地域を選択して、最新の求人情報をチェック!