シュタイナー教育とはどのような教育方法なのでしょうか。シュタイナー教育について理解し、保育に取り入れることで、子どもの能力を最大限育むことにつながるかもしれません。本記事では、シュタイナー教育の特徴や保育に導入するメリットについて紹介します。子どもの成長に寄り添った仕事に興味がある方も参考にしてくださいね。
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シュタイナー教育とは?
シュタイナー教育は、オーストリアの哲学者であるルドルフ・シュタイナーによって、1919年にドイツで創立した『自由ヴァルドルフ学校』に導入されました。
現在は世界60数カ国において1000校を超える機関で実践されています。
子どもの個性を尊重しながら個人の持つ能力を最大限に引き出すことを目的とする教育法であり、豊かな心を持って実践的に学べるような環境を提供することが重要視されています。
日々の保育にシュタイナー教育を取り入れることで、子どもにとってよりよい活動を提供することにつながるかもしれません。
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シュタイナー教育の特徴
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ここからは、シュタイナー教育の具体的な特徴について見ていきましょう。
成長発達を7年周期で捉える
シュタイナー教育では、人間の発達を7年ごとの周期で3つの段階に分けています。
第1周期(0~7歳):身体や感覚を育む時期
0~7歳の時期の子どもに対しては、子どもが周囲の大人の行動や言葉を模倣しながら、自由な遊びを通じて身体と感覚を鍛えられるように指導することを目指しています。
第2周期(7~14歳):感情や想像力を育む時期
7~14歳の子どもに対しては、音楽や物語、美術などを通じて豊かな感情や直感を養えるように教育が進められています。
第3周期(14~21歳):知的能力や自立力を育む時期
14~21歳の時期は、自立に必要な力、思考力や判断力などを高めるために個人の考えを尊重することが重要視されています。
シュタイナー教育は、こういった7年周期に応じて子どもの成長段階に合わせたカリキュラムを構築。子どものさまざまな能力の発達促進を目的とし、それぞれの周期に応じた教育を提供しています。
音楽活動オイリュトミーの導入
オイリュトミーは、ギリシャ語で「調和のとれた美しいリズム」を意味します。
主に第1周期に取り入れられる活動で、リズムを感じながら生活するなかで安心感が生まれ、音楽に合わせてリズミカルに身体を動かす遊びを通して心の安定感を養うことにつながることが期待されています。
芸術活動フォルメンの導入
フォルメンとは、form(形)と、zeichnen(描く)を合わせた言葉です。
主に第2周期において行なわれ、画材を用いて直線や曲線、幾何学模様を描くことで集中力や指先の繊細な動きを養う活動です。
同じ担任が継続して受け持つ
シュタイナー教育は、小中学校の長期間を担任が変わらずに継続して受け持つことで、子どもと深い信頼関係を築ける環境を整えています。
同じ担任が続けて子どもの成長を見守ることによって、個々のニーズに応じた指導を行なうことができ、子どもに安心感を与えることにつながるとされています。
エポック授業
シュタイナー教育では、1時間目の授業時間を110分設けるというエポック授業を取り入れており、一般的な小学校よりじっくり学べる姿勢を確保しています。
また、時間割も導入していません。2〜4週間にわたって全学年が国語・算数・理科・社会のいずれかの科目を集中的に学びます。
テストで優劣をつけることはせず、レポート提出や担任との受け答えで評価するスタイルです。
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シュタイナー教育を保育に導入するメリット
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シュタイナー教育の特徴のひとつとして、子どもの発達段階に応じて音楽や芸術活動を導入することが挙げられます。
また、自然に触れながら子どもが自由に遊びを展開することにより、高い人間力を育むことができるという思想も持ち合わせています。
シュタイナー教育の全てを保育に反映させることは難しいかもしれませんが、保育園においてもこういった特徴や思想を意識しながら日々子どもと関わることはできそうです。
以下、シュタイナー教育を保育に導入することで子どもにもたらすメリットについてまとめました。
心身の健康的な成長につながる
シュタイナー教育を保育に導入することにより、子どもの身体、感情、精神のバランスを整え、心身ともに健康に成長するための基盤を築けるかもしれません。
例えば、自然体験や芸術活動に触れる活動を積極的に行なうことで、豊かな感受性を育むことにつながり、想像力や創造力、表現力などが高まることが期待できそうです。
自主的に取り組めるようになる
シュタイナー教育は、早期教育とは異なり、学力で優劣を判断しない傾向にあります。
保育においても、個々のペースを尊重することにより、子どもの自己肯定感が高まることが期待できるでしょう。
子どもが自分に自信を持つことができれば、個性を発揮しながらのびのびと活動に取り組めるかもしれません。
安心感を持って過ごせるようになる
シュタイナー教育は、生活のあらゆる場面でリズムを重視しており、1日の流れや1週間の活動、一年の季節の移り変わりのなかでリズムを意識しながら過ごすことを大切にしています。
保育園においても、友だちと活発に遊んだり静かに絵本を読んだりと、活動から休息へ、休息から活動へと流れていく一定のリズムを感じながら生活することで、子どもが安心感を持って過ごすことにつながりそうです。
シュタイナー教育を保育に取り入れて子どもの能力を育もう
今回は、保育業界で注目されているシュタイナー教育について紹介しました。
シュタイナー教育の持つ思想を踏まえ、音楽や芸術、自然に触れる活動を保育に積極的に取り入れることにより、子どもが心身ともに健康的に成長できることにつながるかもしれませんね。
今回の記事で、シュタイナー教育に興味を持った方がいるかもしれません。
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