障がい児保育において、遊びは子どもたちの成長や発達を促す重要な役割を果たします。障がいの種類や発達の度合いによって適切な遊び方や環境が異なるため、具体的にどのような遊びを取り入れるのが適切か悩む方も多いのではないでしょうか。今回は、障がい児保育における遊びで得られる療育の効果と、障がい児保育で幅広く役に立つ遊びのアイデアを紹介します。

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障がい児保育における「遊び」の療育的効果
子どもたちは障がいの種類にかかわらず、遊びを通して身体運動から情緒や生活能力までさまざまなことを学びながら成長します。
日常生活のサポートを行なう療育の現場でも、遊びを効果的に取り入れることで、以下の発達に効果が期待できます。
- 運動能力
- 感覚機能
- 認知機能
- コミュニケーション能力
- 社会性や情緒
厚生労働省が策定する「児童発達支援ガイドライン」では、「周囲との関わりを深めたり、表現力を高めたりする遊びを通し、職員が適切に関わる中で、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにできるように、具体的な支援を行うこと」といった文言があり、障がい児保育の支援における遊びの重要性を示しています。
障がい児保育を行なう児童発達支援や放課後等デイサービスでは、2024年度から「発達支援の5領域」をもとにした個別支援計画を立てる必要が生じるようになりました。
発達支援の5領域「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の支援計画に遊びをうまく取り入れることで、支援の質向上が期待できるかもしれません。
障がい児保育の遊びアイデア

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障がい児保育における遊びについて、療育につながるアイデアを紹介します。
遊びを通して、運動機能、感覚統合、想像力、コミュニケーション力などを養うことができます。障がいの状況に合わせてさまざまな遊びを工夫することが大切です。
運動遊び
身体の一部や全身を使いながら遊ぶことで、視覚・聴覚・触覚などさまざまな感覚を十分に活用することを覚えます。支援する際は、スペースや遊具、子どもの障がいを考慮しましょう。
ボール遊び
ボールを使って、転がす・投げる・運ぶなどの動きを行ないながら、ボールを受け渡したり、指定の場所へ運んだりします。スタート・ゴールなど簡単なルールを設定するのもよいでしょう。
また、ボウリングや転がしドッジボールなどにもチャレンジしながら、ボールの動きをコントロールするなどにも挑戦してみましょう。
フラフープくぐり
保育士さんなどが持ったフラフープを子どもが順番にくぐる、足からくぐって隣の人に渡すリレーなどのアイデアで楽しめます。輪を手で持ってくぐることで、身体のバランス感覚を養うのにも最適です。
風船やバランスボールを使った運動
風船をのせたお皿やボードを運ぶ、浮かせた風船を落とさないように弾くなど、子どもの運動能力に合わせて遊べます。
バランスボールは、乗って遊ぶだけで体幹を鍛えることができます。まずはうつぶせでボールに乗るところから始めてみるのもよいでしょう。手で弾ませることでも全身を使う動きができます。
感覚遊び
発達障がいを抱える子の中には、触覚や聴覚などの感覚過敏もしくは鈍い子が多くみられます。固形物や液体などさまざまなものを触ったり感覚統合を目指した遊びを取り入れたりしましょう。
療育において大切な感覚は、バランスを養う「前庭覚」、筋肉や関節に感じる「固有覚」、皮膚に感じる「触覚」の3つと言われています。遊びの中でこの感覚を刺激できるとよいかもしれません。
粘土遊び
紙粘土、小麦粘土、油粘土などさまざまな素材の粘土を用意し、手触りを試しながら手を動かしてみましょう。手のひらで粘土をつぶしたり丸めたりする、指先に力を込めるなどの練習などにも最適です。
タオル綱ひき
2人でタオルの両端をそれぞれ持って、合図で綱ひきのように両方からひっぱり合います。できるだけ足が動かないようにするのをルールにしてみるのもよいでしょう。固有覚を刺激する遊びです。
シーツブランコ
ブランコや平均台などが極端に苦手な子は「前庭覚」が敏感であることが原因のようです。タオルケットや毛布を使って室内でブランコを作って遊ぶことで、ゆっくりした揺れに慣れることからはじめてみましょう。
象徴遊び
象徴遊びとは、ごっこ遊びや設定遊びを指します。人形遊びやままごとだけでなく「床がぐにゃぐにゃになった」「ここは雲の上」など、不思議な設定で遊ぶことも想像力や感性を刺激します。
ごっこ遊び
子どもたちのなりたいもの、やってみたいお店などを計画して遊んでみましょう。店員と客に分かれてのお店屋さんごっこ、大工さんやパン職人などものづくりごっこなども身体を使って楽しめそうです。
ジェスチャーゲーム
動物やのりもの、身近な状況などを設定してジェスチャーで表現しましょう。一斉に動いて上手な人を決める、チームに分かれてクイズ形式で当てあうなどゲーム要素を取り入れてもよいでしょう。
協同遊び・集団遊び
簡単なルールを決めたゲームやチームで協力する遊びなども取り入れてみましょう。集団での活動だけでなく共通の目的に向かって協力し合うことで、役割分担や主体的な遊びにもつながります。
しっぽとり
腰からタオルやバンダナなどを下げて鬼ごっこをするのが「しっぽとり」ですが、鬼がしっぽをとるだけでなく、チームに分かれてより相手チームのしっぽを多くとった方が勝ちといった工夫もできます。
簡単なゲームやダンス
音楽や歌に合わせた振り付けで踊ったり発表し合ったりしてみましょう。手遊びから少しづつ大きな動きにしていって、ジャンプや身体の伸び縮みを取り入れて遊ぶのも楽しいかもしれません。
楽器遊び
音の出しやすい楽器を使い、複数人で音を合わせたり友だちの出す音を聞き合ったりしましょう。簡単な手拍子などに合わせて楽器を鳴らすことで、音やリズムを楽しみます。
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障がい児保育における遊びのポイント

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障がいを持つ子どもたちは、一人ひとりに個性やニーズがあります。そのため、子どもたちの個性を活かした遊びを選ぶことが重要です。
子どもの個性に合わせた遊びを選択するには、子どもの能力や発達段階、障がいの種類や度合いだけでなく、子どもそれぞれの興味・関心を引き出すことも必要です。
また、障がい児保育の中では自立支援と日常生活の充実につながる活動を意識しましょう。
子どもが意欲的に関われるような遊びを通して、達成感や成功体験を積み重ねる機会を作り、自己肯定感を育むことを意識できれば、なおよいかもしれません。
遊びを通して身体を動かして楽しむことで、人間関係や社会性の発達にもつながります。
たとえば、ごっこ遊びを通じてほかの人や動物などの動きにならったり、身体を動かして声を出しながら真似したりすることで社会性と運動機能の発達につながります。
また、一人遊びから協同遊びへ移行する支援や、ルールのあるゲームを楽しめるようになることでも社会性を育むことにつながるでしょう。
このような効果をよく理解したうえで、子どもの興味・関心を引き出しながらさまざまな感覚を促し、遊びを楽しむ中で支援につなげていけるとよいでしょう。
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遊びを通じて障がい児保育の質と可能性を高めよう
障がいのある子どもたちにとって、遊びは心身の発達を促す重要な活動となります。遊びを通じて、運動機能や認知能力、感覚統合、コミュニケーション能力などの様々な側面を総合的に育むことができるのです。
適切な遊びは障がい児の療育に大きな意義があり、障がい児保育の質の向上にもつながります。遊びを活かすことで障がい児保育のさらなる可能性が広がることでしょう。
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