ニーズの増加にともない、保育士さんの募集が増えている障がい児保育の現場。すでに働いている保育士さんも、理解を深めるために園内研修や外部のセミナーに参加する機会があるのではないでしょうか。今回は研修受講後に提出するレポートが作成しやすくなる受講のポイントと、障がい児保育のレポートの構成・例文を紹介します。
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目次
【障がい児保育レポートの書き方】研修について
専門的な知識や経験が必要となる障がい児保育のニーズは年々増加しています。
発達障がいやグレーゾーンの子どもなど、保育の現場でも障がい児保育の知見が必要になる場面が多いのではないでしょうか。
その声に応えるかのように、保育士さん向けの障がい児保育に関する研修やセミナー を行なっている講師や団体も増えています。外部講師を招いた園内研修や、勤務時間内外を利用した課外研修などを受講する保育士さんは多いでしょう。
また、保育士キャリアップ研修には「障害児保育」のカリキュラムがあります。副主任保育士・専門リーダー・職務分野別リーダーへのキャリアアップを目指している保育士さんは、その予習としても押さえておけるとよいかもしれません。
受講後は勤務先の園や研修の開催元にレポートの提出を求められることがあるでしょう。
休日に受講する場合は、勤務先にレポートを提出することで休日出勤扱いになる場合もあるようです。
研修やセミナーをただ受講するだけでなくレポート作成をすることで復習になり、より障がい児保育への理解が深められる効果も期待できるでしょう。
【障がい児保育レポートの書き方】受講時のポイント
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障がい児保育がテーマのものだけに限らず、研修やセミナーを受ける際には最初からレポートを作成することを念頭において受講するのが望ましいでしょう。
レポート作成をしやすくするためには、受講時に以下を実行してみましょう。
- 研修のテーマと目的を前もって理解する
- 自分なりの疑問点や課題をもって参加する
- メモをとりながら受講する
上記のポイントを押さえて受講することによって、研修の内容をただ頭に入れるだけでなく、自分が身につけたい技術や知識、テーマごとの課題や対策について、考えながら聴講することができます。
また、学んだことを今後どう活用するかなど、勤務先の保育の現場に落とし込める要素を整理しながら受講すると、よりレポートの書き方を考える際のヒントになるでしょう。
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【障がい児保育レポートの書き方】表書きと導入の構成・例文
レポートの構成が任意の場合であれば、以下のような書き方にあてはめると、作成者だけでなく、読み手にとっても分かりやすいものになるでしょう。
(1)表書き(研修タイトル・日時)
(2)導入
(3)研修内容
(4)得た学び
(5)今後の課題
(6)まとめ
ここからは、各項目に書き込む内容と書き方のポイント、それぞれの例文を紹介します。
(1)表書き
表書きには以下を忘れずに入れましょう。
- タイトル
- 日時
- 受講場所・施設名
- 氏名
ポイント
提出の際に指定のフォーマットやウェブフォームなどがある場合はそれに準じます。
フォーマットが任意であり、プリントアウトした紙で提出する場合は、最初に表紙を1枚つけて上記の項目を表書きすることで、提出された側も分かりやすいでしょう。
文書作成ソフトで文書データを提出する場合は、ファイル名と文頭に「タイトル・日付・作成者の名前」のように、2行~3行ほどのスペースで記載しておく形式のほうが読みやすい場合もあります。
例文
講演会「障がい児保育の現在~保育所と支援施設の連携~」
講師:保育花子先生
20XX年00月00日 HB大学渋谷キャンパス第2講堂
レポート作成:研修受子
(2)導入
レポートの導入には以下のような内容を記載することで、より分かりやすくなります。
- 序文
- 研修のテーマ
ポイント
導入では、研修のメインテーマを要点をまとめて記載します。
研修や講演の冒頭でもテーマについて簡潔な説明があったり、研修の目的についての言及があったりするはずですので、忘れずにメモしておくとよいでしょう。
例文
研修では、保育花子先生の講演と保育現場での実習風景の動画視聴で進行しました。
後半にはゲストとの3者によるパネルディスカッションがあり、最後に質疑応答が行なわれました。
- 研修テーマ
- 講義(講師名)
- パネルディスカッション(講師名・ゲスト名)
- 質疑応答
保育園・幼稚園で実施されている障がい児保育の現状と課題
<プログラム>
【障がい児保育レポートの書き方】研修内容についての構成・例文
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表書きと序文で概要を明記したら、具体的な内容について書いていきましょう。
(3)研修内容
ここでは、内容詳細について書いていきます。研修の構成や進行によりますが、箇条書きで記載すると読みやすくまとまるでしょう。
講義形式であれば各テーマのまとめを簡潔に記し、実習形式の場合は課題と実際に行なったことを時系列に沿って記していきましょう。
ポイント
ここでは実際の受講内容だけを簡潔に記入しましょう。感想などの所感は織り込まず、内容が整理されたレポートを心がけるとよいですね。
ただ、文字数制限があるなど全体を簡潔にまとめる場合は、詳細な内容は省いて各テーマのまとめと感想・学びをまとめた書き方でも問題なさそうです。
例文
<講義内容>
- 幼児期の発達障がい支援の現状
- 障がいに応じた保育計画作成の注意点
- 保育士として専門機関とどう連携するか
(動画視聴:私立○○保育園での障がい児保育の現場風景20分)
<パネルディスカッション>
テーマ:障がい児保育の最新動向
(4)得た学び
ここでは、レポートを書く側が感じたこと・学んだこと・新たに得た情報や知識について自由記述します。以下の内容が書かれていればよいでしょう。
- 新たに得た知識・知見
- 自分の仕事に活かせる点
ポイント
「週案の書き方が参考になりました」など大まかな感想だけでなく、具体的にどういった学びを得たのか、現場でどう活かせるかを勤務先の業務に落とし込みながら記載しましょう。
文章を書くのが苦手であれば、メモのように箇条書きを使った書き方でも問題ないでしょう。
例文
・障害を持つ子どもの障がいの種類や個別の困りごとに合わせた支援を行なう必要がある
・保育園は健常児と集団生活を行なうため双方への影響が出ることに難しさを感じた
・課題の解決には専門性とマンパワーが不可欠
・保育計画の作成ソフトを導入することによって作業時間を60%削減できる
・便利だが、作成ソフトを職員全員が使いこなすためのレクチャーが必要
・保護者との保育計画の共有とフィードバック獲得のためにクラウド管理が有効
<仕事に活かせる点>
【障がい児保育レポートの書き方】課題とまとめの構成・例文
研修内容と学びについてまとめたら、研修内容についての課題点を書き出しましょう。最後に研修全体の感想や所感を書くときれいに収まります。
今後の課題
課題点は、研修内で講師からだけでなく質疑応答の場などで挙がってくることもあるので、忘れずにメモしましょう。また、自分で課題と感じたことがあれば記載しましょう。
そのうえで、研修内で提示された解決案や課題の克服に向けた具体的な取り組み、自分でできることなどを記載しましょう。
ポイント
ひと口に「課題」と言っても以下のように課題が生じる対象はさまざまです。研修内容に合わせて書き方を工夫するとよいでしょう。
- 研修テーマに関しての課題(「障がい児保育の現状」に対してなど)
- 研修内の対話で挙がった課題(ディスカッションや質疑応答)
- 実習を通して浮き彫りになった課題
- 受講して自分が感じた課題
- 勤務先での仕事に落とし込む際の課題
例文
<課題>
・子どもの障がいに合わせた個別指導や保育が必要となり、それぞれに対応が必要であることから専門性を持った人材と保育士の数の不足が課題
・園と保護者で障害に対する認識の相違があり、必要であっても加配保育士の要請に至らない
<解決案>
・人材不足は子育て支援員・保育補助を活用する
・児童発達支援センターと強い連携を図ることで、障がいに対する専門性を担保する
・保育士の配置基準や加配保育士の制度についての法改正に声をあげる
まとめ
文字数制限がない場合は、まとめとして受講の感想・今後の展望について記載しましょう。
ポイント
感想の内容としては、研修を通して感じたこと、保育士としてできることや実行したいことなどを簡潔にまとめられるとよいでしょう。
提出先によって講師が目を通す可能性がある場合は、感謝の言葉などを入れてもよいでしょう。
例文
<まとめ>
今回の研修を受けたことで、日頃、仕事をしながら漠然と感じていた障がい児保育の課題について明確になり、今後やるべきことがはっきりしてきたように感じました。
特に、講演の中で「個別支援計画の効果的な作成方法」「声かけの工夫」についてのお話は、明日からの仕事にすぐ取り入れることができる内容で、非常に学びを得ることができました。
講師の先生の明るくハキハキとしたお話に引き込まれて、私も先生のように人を惹きつける保育士になりたいと思いました。非常に有意義な学びを得ることができました。
障がい児保育に興味がある!
障がい児保育のレポートの書き方を押さえて研修の成果をまとめよう
障がい児保育については、保育士としての対応や計画の作成などに専門性が必要であるだけでなく、園としての保育方針やインクルーシブ保育への取り組みも意識する必要があります。
保育士さんにとっては大変な面もありますが、やりがいのある分野と言えるでしょう。
研修や実習などで最新の情報や保育のトレンドなどをインプットして、レポートや現場でアウトプットすることで、保育や支援の質をより高めていけるかもしれませんね。
障がい児保育に興味がある保育士さんはもちろん、職場環境を変えたい保育士さんも、保育士バンク!にご相談ください。
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