保育園で楽しめるルール遊びのネタをストックしておきましょう。3歳児・4歳児・5歳児それぞれの成長段階を踏まえて、活動のねらいを意識しながらルール遊びを取り入れられるとよいですね。今回の記事では、保育に活かせるルール遊びのアイデアを年齢ごとにまとめました。配慮するポイントもあわせて紹介します。
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目次
【保育園のルール遊び】ねらいと配慮するポイント
保育園でルール遊びを導入するにあたり、3歳児・4歳児・5歳児それぞれの年齢ごとに、ねらいと配慮するポイントをおさえておきましょう。
3歳児
ねらい
- 簡単なルールを覚えて友だちと関わることを楽しむ
- ルールに従って遊ぶ姿勢を身につける
3歳児は、興味のある遊びを友だちと共有する場面が徐々に増えていくことでしょう。
そのため、ルール遊びを行なう機会を積極的に設けるとよいかもしれません。
保育士さんはルール遊びを通して、友だちと楽しく遊ぶためにはルールを守ることが大切であることを伝えられるとよいですね。
配慮するポイント
新たなルール遊びを導入する際は、イラストを活用したり保育士さんが実演を見せたりすると、子どもの理解が早まるでしょう。
また、ルールに従うことが嫌で、怒ったり泣いたりする子どももいるかもしれません。
無理にルールに従わせようとせず、「〇〇したかったんだね。」と共感し、子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。
4歳児
ねらい
- ルールを守りながら友だちとの関わりを楽しむ
- 友だちと協力しあってルールのある遊びに取り組む
4歳児になると、ルール遊びを通して友だちとの協調性が育まれることも期待できるでしょう。
3歳児と比較して運動能力が発達するため、マットや跳び箱などの運動器具を使うようなルール遊びも積極的に取り入れてみましょう。
配慮するポイント
チーム一丸となって競うようなゲームを導入すると、ルールに従って友だち同士で協力しあう姿が見られるかもしれません。
なお、集団で行なうルール遊びになかなか興味を示さない子どももいるでしょう。
仲の良い友だちを含めた少人数で楽しめるルール遊びから始めて、徐々に人数を増やしながら対応してみましょう。
5歳児
ねらい
- 友だちとルールを確認しながら遊ぶ
- ルールをアレンジしながら楽しむ
5歳児では記憶力や理解力が向上するため、ルールの複雑な遊びも導入してみましょう。
また、子どもの運動能力に合わせて、屋外や体育館など広い空間で楽しめるようなルール遊びも積極的に取り入れられるとよいでしょう。
配慮するポイント
ルール遊びを通して、友だちと欲求のぶつかり合いが生じることがあるかもしれません。
友だちの意見を尊重しつつルールを相談しながら遊べるように、保育士は動向を見守る姿勢をとり問題が起こりそうなときだけアドバイスをするとよいかもしれませんね。
子どもが新たなルールを考案したときには積極的に遊びに取り入れ、みんなでスムーズに楽しめるよう保育士さんが配慮するとよいでしょう。
なお、異年齢同士でルール遊びを行なえば、子ども同士で年上に従ったり年下の面倒を見たりする場面が見られるかもしれません。
子どもの様子に合わせてルールをアレンジするなど工夫しながら遊び、異年齢同士のコミュニケーションをはかるきっかけにつながるとよいですね。
次より、保育園で使えるルール遊びのアイデアを、3歳児から5歳児までの年齢別にまとめました。
保育園で楽しめるルール遊びのアイデア【3歳児編】
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まずは、ルールを理解できるようになる3歳児向けに、簡単なルールの遊びを紹介します。
しっぽ取り
用意するもの
- しっぽになる紐(毛糸・スズランテープ・タオル・ハンカチなど)
- ストップウォッチ
遊び方
1.逃げてよい範囲を確認します。
2.着ている洋服の背後にしっぽに見立てた紐などをはさみます。
3.スタートの合図で、陣地内を自由に走り回りながら友だちのしっぽを奪いにいきます。
4.自分のしっぽを取られてしまったら陣地の外に出て待機します。
5.制限時間内に友だちのしっぽを多く持っていた人が勝ちです。
ポイント
あらかじめ、しっぽをきちんと出すことや、友だちのしっぽ以外を引っ張ったりしないことなど、ルールを確認してから遊び始めるとよいでしょう。
子どもの人数や様子に合わせ、最後までしっぽを取られずに残った人が勝ちというルールにしても盛り上がりそうですね。
オオカミさんいま何時?
用意するもの
子ヤギの家の陣地を作る紐(毛糸・スズランテープなど)
遊び方
1.保育士さんがオオカミになり、子どもたちは全員子ヤギになります。
2.子ヤギは家に見立てた陣地で待機し、オオカミは子ヤギの家の外で眠ったふりをします。
3.子ヤギが声をそろえて「オオカミさん今何時?」と聞きます。オオカミは自分の好きな時間を答え、「夜中の12時」以外は再び眠ったふりをします。子ヤギたちは「あ〜よかった!」と安心します。
4.(3)を繰り返し、オオカミが「夜中の12時だ!ガオ~!」と言ったときだけ子ヤギはオオカミにつかまらないように逃げます。
5.逃げる子ヤギをオオカミが追いかけてタッチします。
6.子ヤギが誰も捕まらなかったら子ヤギの勝ちです。子ヤギの誰かがオオカミに捕まってしまったらオオカミの勝ちです。
ポイント
室内外で楽しめるルール遊びです。
オオカミが「夜中の12時!」と答えたら鬼ごっこがスタート。
「お弁当を食べよう。12時だ!ガオ~」「おやつの3時だ!ガオ~」というように、時間の説明を加えながら演じると、子どもが時間の感覚を理解しやすいかもしれません。
ルールに慣れてきたら、子どもも保育士さんと一緒にオオカミ役に挑戦してみましょう。
カードめくりバトル
用意するもの
- カード(表裏2色 参加人数×2枚)
- ストップウォッチ
あらかじめ段ボール紙の表面と裏面に赤と白の色画用紙を貼り合わせ、表裏2色になるカードを数枚作っておきましょう。
遊び方
1.赤と白が同数になるようカードをランダムに並べます。
2.赤と白2つのチームに分かれ、スタートの合図で一斉にカードを自分のチームの色になるようにめくり続けます。
3.制限時間になったら赤と白それぞれのカードの枚数を数え、チームの色の多いほうが勝ちです。
ポイント
室内でも身体を動かして遊ぶことができるルール遊びです。
保育士さんが、「赤チームが追い上げてきました!」などと実況中継風に解説すると、より白熱するかもしれませんね。
保育園で楽しめるルール遊びのアイデア【4歳児編】
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次に、友だちと協力しながら楽しめるようになってくる4歳児向けのルール遊びを紹介します。
じゃんけん列車
遊び方
1.音楽に合わせて自由に歩き回ります。
2.音楽が止まったら、近くにいる友だち(または先頭の友だち)とジャンケンをします。
3.ジャンケンに負けた人は、勝った人(または列)の後ろにつき、友だちの肩に両手をかけます。
4.(1)~(3)を繰り返します。
5.最後までじゃんけんを勝ち進み、列の先頭になっている人が勝ちです。
ポイント
初めて遊ぶ際には、人形などを使って説明するか保育士さんが実演すると、子どもがルールを理解しやすいかもしれません。
BGMとして子どもに人気のある曲のCDを使ったり、保育士さんがピアノを弾いたりして雰囲気を盛り上げましょう。
ねことねずみ
用意するもの
紅白帽(人数分)
遊び方
1.ねことねずみそれぞれの陣地となる直線に加え、陣地の真ん中にも直線を描きます。
2.子どもたちは、ねこチームとねずみチームに分かれて紅白帽をかぶり、それぞれ陣地の直線上に並びます。
3.保育士さんは陣地の真ん中の直線上に立って「ねーねーねー」と言い、ねことねずみは真ん中の直線に向かって移動します。
4.保育士さんが「ねずみ」と言ったときは、ねずみがねこを追いかけてタッチをします。その際ねこは安全地帯である自分の陣地の方へ逃げ、陣地に戻る前にねずみにタッチされたら端に待機して味方の応援をします。
5.(3)と(4)を繰り返し、最後に残った人数の多いチームが勝ちです。
ポイント
「ねーねーねー」のあとに続く言葉として、「ねこ」「ねずみ」の代わりに「ねぎ」「ネクタイ」など、「ね」から始まる別の言葉を交えると盛り上がるでしょう。
準備いらずで楽しめますが、ねことねずみのお面を準備するとより気分が高まりますよ。
フラフープリレー
用意するもの
フラフープ(チーム数)
遊び方
1.2つ以上のチームに分かれ、手をつないで一列に並びます。
2.スタートの合図で、列の端の子どもの腕からフラフープを通します。
3.手をつないだままの状態で、フラフープを一番早く反対側の端の子どもまで渡すことができたら勝ちです。
ポイント
手を繋いだまま行なうため、友だちを引っ張ることのないよう、あらかじめ約束してから始めましょう。
最初はフラフープへどのように身体を通せばよいのか戸惑うかもしれません。
慣れるまでは、子どもたちがチームで声を掛けあいながら協力しあう様子を見守り、ゲームが行き詰ったときだけアドバイスをするとよいでしょう。
保育園で楽しめるルール遊びのアイデア【5歳児編】
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複雑なルールも理解できるようになる、5歳児向けのルール遊びを紹介します。
なんでもバスケット
用意するもの
椅子(参加人数より1つ少ない数)
遊び方
1.椅子を内側に向けて円状に並べます。
2.リーダーを1人決め、リーダー以外は椅子に座ります。
3.リーダーは円の中心に立ち、椅子に座っている子どもに向けてお題を出します。
4.お題に当てはまる子どもは他の椅子へ移動し、その隙にリーダーは空いている椅子に座ります。なお、「なんでもバスケット」とリーダーが言ったときは全員が他の椅子へ移動します。
5.椅子に座れなかった子どもが次のターンではリーダーになります。
6.(3)~(5)を繰り返し遊びます。
ポイント
お題は「スカートを履いている人」「今朝パンを食べた人」など、なんでもOK。ただし、数人をピンポイントで狙うようなお題は出さないように保育士さんがフォローしましょう。
なかなかお題が言えない子どものために、あらかじめお題の書かれた紙を用意してもよいですね。
基本的なフルーツバスケットのルールについては、以下の記事を参考にしてくださいね。
新聞島レース
用意するもの
- 新聞紙(1人2枚)
- ビニールテープ
遊び方
1.スタートとゴール地点にビニールテープで印をつけます。
2.新聞紙2枚を4分の1の大きさになるまで半分に折ります。
3.スタートの合図で、ゴールに向かう方向に(2)の新聞を1つ置いてその上に立ち、さらにその先にもう1つの新聞紙を置いて上に立ちながら進みます。
4.自分が最初に立っていた新聞紙を拾ってゴールに向かい置く位置を変え、その上に立ちます。
5.2つの新聞紙を交互に移動させながら、ゴールまで一番早くたどりついた人が勝ちです。
ポイント
スタートとゴール地点の間を海に見立てて遊んでみましょう。
海に落ちないように新聞2枚を交互に置きながら、ゴールの向こう岸まで移動します。
ルールに慣れるまではスタートとゴールの距離間を短めに設定し、徐々に距離を伸ばしてみましょう。
風船運びリレー
用意するもの
- 風船(2つ)
- 三角コーン
遊び方
1.三角コーンを折り返し地点に置きます。
2.2つのチームに分かれ、スタート地点でチームごとに2列に並びます。
3.チームの隣同士で向かい合ってペアを組みます。
4.先頭のペアから風船を身体の間に挟み、風船が落ちないように折り返し地点に向かって運びます。途中で風船を落とした場合は、風船を落とした場所から再開します。
5.スタート地点に戻ったら次のペアに風船を渡し、(4)を繰り返します。
6.一番早く全員が風船を運び終えたチームの勝ちです。
ポイント
体育館や屋外など、広いスペースを確保して遊びましょう。
ペアで息を合わせて取り組むことで、友だちとの距離がより縮まりそうです。
風船をお玉の上に乗せたり風船の代わりにボールを使ったりと、いろいろアレンジしながら楽しんでみてくださいね。
保育園で子どもが夢中になるルール遊びをしよう
保育園で行なうルール遊びを通して、友だちと楽しく関わりあいながら社会性を育むことにつながるでしょう。
ルールが難しいと子どもが興味を示さなくなるかもしれません。子どもの年齢や状況にあわせてルールをアレンジしたり、子どもといっしょにルールを考えたりしながら、みんなが夢中になれるよう配慮できるとよいですね。
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