児童発達支援管理責任者(児発管)から、サービス管理責任者(サビ管)になろうと考えている人もいるのではないでしょうか。どちらも障がいのある人の支援をする仕事ですが、児童発達支援管理責任者が18歳未満の子どもを対象にしているのに対し、サービス管理責任者は18歳以上の大人が対象です。今回は2つの資格の違いや要件を詳しく解説します。
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【児発管からサビ管になるには】それぞれの概要と違い
児童発達支援管理責任者からサービス管理責任者になる方法を確認する前に、まずはこの2つの資格の違いを把握しておきましょう。
児童発達支援管理責任者(児発管)とは
児童発達支援管理責任者(児発管)とは、障がい児が通う施設において、専門性を活かして18歳未満の子どもたちの療育を行なう職員のことです。
厚生労働省の資料によると、以下の役割を担うようです。
- 個々のサービス利用者のアセスメントや個別支援計画の作成
- 定期的な評価などの一連のサービス提供プロセス全般に関する責任
- ほかのサービス提供職員に対する指導的役割
個別支援計画の作成が主な業務ですが、保護者の相談支援に加え、ほかの指導員への助言や指導なども行ないます。
なお児童発達支援管理責任者は、児童発達支援を提供する施設において1人以上配置することが義務付けられています。
サービス管理責任者(サビ管)とは
サービス管理責任者(サビ管)とは、障がい者に福祉サービスを提供する事業所で18歳以上の利用者に対し、適切なサービスを提供できるように管理を行なう職員のことです。
厚生労働省の資料によると、以下の役割を担うようです。
- 個々のサービス利用者のアセスメントや個別支援計画の作成
- 定期的な評価などの一連のサービス提供プロセス全般に関する責任
- ほかのサービス提供職員に対する指導的役割
児童発達支援管理責任者同様、個別支援計画の作成が主な業務です。さらに、利用者本人やその家族の相談支援、ほかの指導員への助言や指導なども行ないます。
サービス管理責任者は児童発達支援管理責任者と違い、福祉サービス事業所ごとに配置基準が異なっているのが特徴です。
療養介護・生活介護・自立訓練などの場合は利用者60人に対して1人、グループホームの場合は利用者30人に対して1人配置することが義務付けられています。
違いは「利用者の年齢や働く場所」
児童発達支援管理責任者も、サービス管理責任者も、基本的な業務内容は同じです。この2つの資格の大きな違いとしては、対象としている利用者の年齢が異なることが挙げられるでしょう。
もともと、2012年3月まではサービス管理責任者という仕事しかなかったので、障がいのある人を対象とした支援に年齢制限などは設けられていませんでした。
しかし、2012年4月に児童福祉法が改正され、子どもを専門とする児童発達支援管理責任者という仕事が新設されます。
これにより、児童発達支援管理責任者は18歳未満の子ども(障がい児)を、サービス管理責任者は18歳以上の大人(障がい者)を支援の対象とすることになったのです。
また、働く場所にも違いがあります。それぞれの仕事で、以下のような施設で勤務することとなります。
児童発達支援管理責任者が働く場所 | サービス管理責任者が働く場所 |
---|---|
児童発達支援 医療型児童発達支援 放課後等デイサービス 居宅訪問型児童発達支援 保育所等訪問支援 福祉型障害児入所施設 医療型障害児入所施設 |
療養介護 生活介護 施設入所支援 自立訓練(機能訓練) 自立訓練(生活訓練) 宿泊型自立訓練 就労移行支援 就労継続支援 共同生活援助 |
児発管からサビ管になるには?
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児童発達支援管理責任者とサービス管理責任者の研修内容が2019年より統一されたことから、一定期間の実務経験を満たし、研修を修了することでどちらの仕事にも就くことができるでしょう。
ただし、児童発達支援管理責任者とサービス管理責任者それぞれで実務経験に必要な年数が異なります。
つまり、児童発達支援管理責任者からサービス管理責任者になるためには、自身の実務経験を確認して不足している分を補う必要が出てくるということです。
次より、必要な実務経験年数が異なる業務について説明します。
相談支援業務
相談支援業務では、利用者とその家族からの相談に応じて、さまざまな支援を提供します。
児童発達支援管理責任者になるには、相談支援業務に従事した経験が5年以上必要であり、そのうち3年以上は子どもの支援に携わっている必要があります。
一方、サービス管理責任者になるには、障害者支援施設や老人福祉施設といった施設で相談支援業務に従事した経験が5年以上必要です。
このことから、児童発達支援管理責任者がサービス管理責任者の相談支援業務の要件を満たすには、従事する施設の形態が肝となるでしょう。
サービス管理責任者の受講資格を満たす主な勤務場所としては、以下のような施設が該当します。自分の職歴が当てはまるかどうかチェックしましょう。
- 地域生活支援事業を実施する事業所
- 児童相談所・身体障害者更生相談所・知的障害者更生相談所・福祉事業所・発達障害者支援センター
- 障害者支援施設・障害児入所支援施設・老人福祉施設・精神保健福祉センター・救護施設・更生施設・介護老人保健施設・地域包括支援センター
- 障害者職業センター・障害者就業・生活支援センター
- 特別支援学校(学級)
- 病院もしくは診療所(一部資格所有者に該当する者のみ)
直接支援業務
直接支援業務は、福祉・医療・介護・教育などの分野で、施設での介助や介護、保育や指導を通して、利用者の日常生活を手伝う仕事のことです。
児童発達支援管理責任者になるには、直接支援業務に従事した経験が8年以上必要で、そのうち子どもの支援に携わった期間が3年以上必要となります。
一方、サービス管理責任者は障害者支援施設や老人福祉施設といった施設で直接支援業務に従事した経験が8年以上必要です。
たとえば、現在児童発達支援管理責任者として働いているAさんという人がいるとしましょう。Aさんは老人福祉施設での実務経験が5年、児童福祉施設での実務経験が3年あります。
この場合、Aさんがサービス管理責任者になるには老人福祉施設のような施設での実務経験が3年足りないことになるため、不足している老人福祉施設での実務経験を改めて3年分積む必要があるということになるでしょう。
有資格者
有資格者に関しては、児童発達支援管理責任者・サービス管理責任者ともに従事する際に必要となる実務経験の期間が短縮されます。
ここでいう有資格者とは、以下の国家資格が該当します。
医師・歯科医師・薬剤師・保健師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・視能訓練士・義肢装具士・歯科衛生士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・栄養士(管理栄養士含む)・精神保健福祉士
とはいえ、児童発達支援管理責任者の場合は国家資格等の業務を5年以上、サービス管理責任者の場合は国家資格等の業務を3年以上経験していなければなりません。
つまり、児童発達支援管理責任者からサービス管理責任者になる場合はすでに3年以上の経験を満たしているということになるため、新たに実務経験を積む必要はないということです。
出典:障害福祉サービスにおけるサービス管理責任者について/厚生労働省
出典:サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修の見直しについて/東京都福祉局
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