母子生活支援施設とは、さまざまな理由から生活困窮に陥った母子家庭を保護し、自立に向けた支援を行なう施設のことです。施設の名前は聞いたことがあっても、どのような施設なのかを詳しく知っている人はあまりいないかもしれません。今回は母子生活支援施設が保育士の資格を活かして働ける施設なのかを紹介するとともに、施設の詳細を詳しく解説します。
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母子生活支援施設とは
母子生活支援施設とは、さまざまな理由から生活困窮に陥った母親とその子どもを保護し、自立に向けた支援を行なう施設のことです。主な入所理由として、たとえば以下のような理由があります。
- 配偶者からの家庭内暴力
- 母親の心身の不安定
- 両親の離婚
- 死別
- 障がい
- 経済的困難
- 入所前の家庭環境の不適切
母子生活支援施設は原則として子どもが18歳になるまで利用することができ、ほかの児童福祉施設とは異なり、母子一緒に入所できます。入所中はもちろんのこと、施設を退所したあとの母子世帯も支援の対象です。
母子生活支援施設には入所した母子世帯が暮らす居室に加え、集会・学習室などが設置されています。
ここで働く職員たちがそれぞれに特化した分野で就職や子育て、生活面などの自立に向けたさまざまな支援を行なっているのが特徴です。
母子生活支援施設の主な役割
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母子生活支援施設の主な役割は以下のとおりです。
緊急一時保護
緊急の事情により、住むところがないという母子世帯を対象に、一時的に住居を提供したり、今後の生活についての相談に乗ったりするなどの役割があります。
保育サービスの提供
保育所に入所できない就学前の子どもを対象に、保育サービスを提供します。保育士が配置されている施設では、早朝や夜間など母親の勤務時間に合わせた保育が可能です。
就労支援
母子生活支援施設では、母親の経済的な自立を促進するために就労相談に応じることもあります。資格取得やハローワークの求人に関する情報提供などを行なうようです。
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母子生活支援施設で働く職員
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母子生活支援施設では、さまざまな分野の専門家が勤務しています。ここでは、母子生活支援施設で働いている職員がどのような業務を担当しているのかを詳しく解説します。
施設長
母子生活支援施設を運営するにあたって、施設の責任者として人事や労務のマネジメントを行ないます。また、母子が自立できるように支援計画の策定にも対応します。
施設長になるには、以下のいずれかの要件を満たさなければなりません。
- 医師であり、精神保健もしくは小児保健に関する学識経験者である
- 社会福祉士である
- 母子生活支援施設にて職員として勤務した実務経験が3年以上ある
- 都道府県知事が認めた業務の実務経験が3年以上ある
母子支援員
自立支援計画のもと、母子に寄り添いながら相談支援を全面的に担います。また、母子支援員になるにも、以下のいずれかの要件を満たさなければなりません。
- 保育士・社会福祉士・精神保健福祉士のいずれかである
- 都道府県指定の児童福祉施設職員を養成する学校、またはその他養成施設を卒業している
- 高校卒業者、もしくは通常課程の12年の学校教育を修了したのち、2年以上児童福祉での実務経験がある
少年指導員
母子生活支援施設に入所している子どもに対し、生活面や学習面での指導を行なうほか、施設内の事務員も兼務します。
少年指導員になるには、母子支援員と同じ要件を満たさなければ、従事することができません。
保育士
保育所に準ずる施設を設けている母子生活支援施設では、乳幼児30人につき1人の保育士の配置が義務付けられています。
対象の乳幼児が通う保育施設が休みだったり、体調不良などで通園できなかったりする日などに保護者の代わりに保育を行ないます。
心理療法担当職員
母子支援員や少年指導員と連携して、母子生活支援施設に入所している母子に対して心理療法を実施します。
また、個別対応が必要な母子がいる場合は個別対応職員、入所中の進学・就職などの自立支援および退所後のアフターケアをする場合は自立支援担当職員といった職員を配置している施設もあるようです。
調理員
施設内保育を実施する施設においては、栄養バランスがとれた献立や食事を提供する調理員を配置しています。
ただし、調理業務全般を外部委託している施設の場合は、調理員を配置しなくてもよいこととなっているようです。
出典:改正児童福祉法、困難な問題を抱える女性支援新法のもとで、母子生活支援施設が果たす役割と機能、および課題/こども家庭庁
母子生活支援施設は保育士資格を活かせる職場
母子生活支援施設では、保育士の資格を持っていれば母子支援員、もしくは保育士として働くことができます。
たとえば、母子支援員で働く場合、子どもに対しては保育や学習指導を、子どもの母親に対しては就労援助や日常生活の援助ができるでしょう。
一方、保育士として働く場合は母親が仕事をしている間の子どもの保育が中心です。一般的な保育所と同じように働くこととなります。また、母親に対して育児相談に乗ることもあるようです。
いずれの働き方でも、母子生活支援施設は保育士の資格を活かして働ける職場といえます。資格を活かして働けるところを探しているのであれば、母子生活支援施設での勤務も検討してみるとよいでしょう。
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