「保育士確保プラン」とは、2015年に厚生労働省が発表した待機児童を解消させるために政府が打ち出した施策のことをいいます。プランのことは聞いたことがあっても、具体的にどのような取り組みを行なっているかまでは詳しく知らない人もいるかもしれません。今回は、保育士を確保するために実施している取り組みについて詳しく解説します。

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保育士確保プランとは?
「保育士確保プラン」とは、待機児童問題の解消を目的として、2015年に厚生労働省が発表した施策のことです。
保育の質を拡充させるために取り組んでいる子ども・子育て支援新制度の一環となる計画であり、「人材育成」「就業継続支援」「再就職支援」「働く職場の環境改善」の4つに力を入れて、保育士確保に取り組んでいます。
保育士確保プランの6つの施策

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保育士確保プランには、大きく分けると6つの施策があります。ここでは、それぞれの具体的な施策内容を確認しておきましょう。
1.保育士試験を年2回実施
保育士試験はもともと、各都道府県知事が年1回以上実施すると児童福祉法で定められていました。
これにより2015年までは年1回だった保育士試験が、2016年以降は年2回実施されることになったのです。
前期と後期にそれぞれ1回ずつ実施されるようになり、例年保育士試験は以下のようなスケジュールで実施されています。
- 前期:筆記試験4月下旬頃、実技試験6月末頃
- 後期:筆記試験10月下旬頃、実技試験12月初旬頃
2.保育士の待遇を改善
政府は保育士の人材を確保するために、処遇改善加算をスタートさせました。この処遇改善加算とは、施設全体の平均勤続年数や職員個々人の役職によって加算率が上がる制度のことです。
この制度が導入されたことにより、通常の給料に加算分が上乗せされて支給されることとなったため、保育士確保プランが実施する前よりも給料のアップが見込めるようになりました。
3.保育士養成施設に通う学生に向けた保育所への就職促進支援
保育士養成施設を卒業予定の学生に向けて、保育所への就職を促す取り組みを積極的に行なっている施設に対し、就職促進にかかる費用を助成する支援を実施しています。
就職促進のための取り組みとしては、保育所への現地見学、現役保育士との交流会、保育所就職説明会の定期開催などが該当します。
4.保育士試験受験者に向けた受験のための学習費用支援
保育士試験受験者に対し、講座受講費などの受験のためにかかる学習費用の一部を補助する取り組みも行なっています。この取り組みは、多くの都道府県で「保育士試験による資格取得支援事業」という名称で実施されているようです。
保育士試験合格後に保育所や認定こども園、認定こども園に移行予定の幼稚園などの対象施設に保育士として勤務することが決定した場合に利用でき、試験を受けるためにかかった経費の2分の1を補助してもらえます(※上限15万円)。
5.離職保育士に対する再就職支援
保育の現場を離れた離職保育士に対し、保育士・保育所支援センターへの登録を促進し、再就職希望の状況を随時把握する体制を整えました。
さらに再就職に向けた研修案内・求人案内などの情報提供などのきめ細やかな支援を行なっています。
また、シンポジウムを開催したり出張相談会を実施したりするなどして、保育士・保育所支援センターへの利用を促進させる目的もあるようです。
6.国家資格保有者に対する試験科目の一部免除
福祉系の国家資格保有者を対象に、保育士養成施設における科目の一部の履修および保育士試験の試験科目が一部免除されます。対象の国家資格は、以下のとおりです。
- 幼稚園教諭免許:筆記「保育の心理学」「教育原理」、実技「造形・言語・音楽表現」
- 社会福祉士:筆記「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」
- 介護福祉士:筆記「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」
- 精神保健福祉士:筆記「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」
なお、幼稚園教諭免許を保有している場合は3年以上および4320時間以上の実務経験があると、「保育実習理論」も免除されるようです。
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保育士確保プラン導入後は待機児童の数は減少傾向

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保育士を確保するためにさまざまな取り組みを行なってきた保育士確保プランですが、導入後の待機児童数は徐々に減少傾向にあるようです。
ここで、こども家庭庁が公表した資料をもとに過去5年の待機児童数を確認しておきましょう。いずれも、各年の4月1日時点の数値です。
西暦 | 待機児童数 |
---|---|
2019年 | 1万6772人 |
2020年 | 1万2439人 |
2021年 | 5634人 |
2022年 | 2944人 |
2023年 | 2680人 |
2020年以前は1万人以上いた待機児童ですが、2021年以降はついに1万人を下回る結果となりました。
ただ、この数値に含まれるのは入所資格があるけれども施設側の理由により入所できず、入所を待っている状況の子どもに該当する待機児童のみです。
そのため、入所できる施設があっても、特定の施設のみ希望しているなどの理由から入所できていない子どもを意味する潜在的待機児童は含まれていないことは理解しておく必要があります。
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待機児童問題を解決させるために始まった保育士確保プラン。導入後は待機児童の数も減少傾向にありますが、まだまだ保育士不足が解消されたわけではありません。
もともと2018年度末までに6万9000人の保育士を確保することを目標として施行されましたが、今現在も継続して実施されています。
具体的な効果がどれくらいあったのかまでは明らかにされていませんが、導入以前よりは保育士にとって働きやすい環境が整備されつつあるといえるでしょう。
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