異年齢保育ではどのような点に配慮するべきか知りたい保育士さんもいるでしょう。指導案の作成時などに使える例文があると参考になりますよね。今回は異年齢保育において配慮すべき点を詳しく紹介します。指導案や保育計画に使える例文も遊び別にまとめました。異年齢保育で製作や運動遊びなどを行なう際に参考にしてみてくださいね。

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異年齢保育とは
異年齢保育とは、年齢が異なる子どもたちが同じ空間で交流する保育形態をいいます。別名「混合保育」「縦割り保育」とも呼ばれ、さまざまな保育施設で実施されています。
導入の仕方はさまざまで、乳児と幼児クラスを2つに分けて異年齢保育を行なう場合もあれば、行事の際に一時的に取り入れるケースなどがあります。
企業内保育所や院内保育所などでは預かる人数が少ないため、一室で異年齢保育を実施する施設が多いかもしれません。
異年齢保育は、年齢が異なる子が互いに関わることでさまざまな刺激を受け、社会性や協調性を身に着けることに役立つといわれています。
保育士さんはどのような点に配慮すべきかをおさえ、日々の活動に役立てていきましょう。
異年齢保育において配慮すべきポイント
まずは、異年齢保育を行なう上で配慮が必要な点を見ていきましょう。
安全面に気をつけて環境構成を考える
異年齢保育では、異なる年齢の子どものお世話や見守りを行なうことから、子どもたちが安全に遊べるように環境構成を整える必要があります。
発達段階の違いを考慮しながら遊具やおもちゃの配置を工夫し、子どもたちに危険が及ばないように十分配慮しましょう。
特に0歳~2歳児位までは物を口に入れてしまうこともあるかもしれません。小さなパーツのおもちゃは誤飲につながる恐れがあるので、おもちゃの管理をしっかり行なうことが大切です。
年上の子に負担がかからないようにする
年上の子どもの中には「年下の子のお世話をしっかりしなくちゃいけない」「遊びたいものがあってもおもちゃは譲ってあげなければいけない」などという思いを抱き、対応にプレッシャーを感じる子もいるかもしれません。
また、保育士さんが無意識のうちに年上の子ばかり頼ってしまうということもあるようです。年上の子が負担に感じないように気をつけながら子どもと向き合うことが大切ですね。
子どもの発育・発達段階をふまえて活動を考える
子どもたちは年齢によって発育や発達段階に違いがあります。
まだ言葉の意味が理解できなかったりルールのある遊びが難しかったりと、年齢によってできることやできないこともさまざまです。
日頃から子どもの様子を把握し、子どもの発達段階をふまえて活動を考えましょう。
また、年下の子ができる遊びばかり取り入れていると、年上の子が物足りなさを感じてしまうこともあるでしょう。ときには年上の子中心の活動を用意し、やり方をアレンジしてみるとよさそうです。
言葉がけに気をつける
子どもを指導したり叱ったりする場面では、言葉がけのタイミングに注意する必要がありそうです。
例えば、年上の子を年下の子の前で叱ってしまうと、その姿を見られていることに年上の子が傷ついてしまうこともあるでしょう。自尊心が損なわれたり羞恥心を感じたりして嫌な思いをするかもしれません。
年上の子を叱るときは1対1で話すことを心がけ、子どもの気持ちを大切にすることを意識しましょう。
積極的にふれあい遊びを取り入れる
子ども同士の交流を深めるために、活動の中でスキンシップを楽しめるふれあい遊びを取り入れていきましょう。
手をつないだりいっしょにゲームをしたりすることで、安心感や親しみを抱くきっかけになりそうです。
また、新聞紙や縄跳び、フラフープなどのさまざまな道具を保育に取り入れて、ひとつの遊びを楽しむのもよいですね。
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【遊び別】異年齢保育における配慮すべきポイント例文

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ここからは、異年齢保育に取り入れやすい遊び別に配慮するポイントを紹介します。指導案にも使える箇条書きの例文形式でまとめたので、参考にしてみてくださいね。
製作遊び
異年齢保育に取り入れやすい製作遊びを紹介します。
ボール転がしゲーム製作
<用意するもの>
- ダンボール
- トイレットペーパーの芯 数本
- 画用紙や折り紙
- ボール
- ペン
- はさみ
- のり
<配慮するポイント例文>
- 年下の子に折り紙で輪を作る部分をお願いし、年上の子には数字を書いてもらうなど、協力して作れるように声かけをする。
- はさみの回収箱を置き、安全に取り組めるように配慮する。
- 作品の完成後は数字つきのくじ引きを使用し、順番にゲームを楽しめるようにする。様子を見てじゃんけんをしてもよいが、年下の子の中にじゃんけんができない子がいるときはくじ引きを使用する。
手作りパズル
<用意するもの>
- 同じ大きさのダンボール2枚
- クレヨン
- カッター
- のり
- ボンド
<配慮するポイント例文>
- 各自に好きな絵を描いてもらい、カッターを使う部分は保育士が担当することで、安全に配慮する。
- パズルを楽しむときは、作ったものを子ども同士で交換してやり取りを楽しめるようにする。
- パズルのパーツがなくならないよう、パーツを入れる袋やカゴを用意する。
詳しい作り方はこちらをご覧ください。
ゲーム遊び
異年齢保育に取り入れやすいゲーム遊びを紹介します。
ボール運びゲーム
<遊び方>
1.子どもたちに2列に並んでもらいます。
2.向かい合って布の端を持ち、布の上にボールを置いて「よーい、スタート!」の合図でボールが落ちないようにゴールまで運んでもらいます。
3.ボールを落としたら、その場所から布の上にボールを置いて再スタートして、ゴールを目指します。
<配慮するポイント例文>
- 身長差がある場合はペアを入れ替えるなど配慮する。
- BGMを用意して楽しい雰囲気をつくる。
- 時間がある場合は紅白のチームに分かれて、リレー形式で楽しめるようにゲームをアレンジする。
赤白ひっくり返しゲーム
<遊び方>
1.表面が「赤」、裏面が「白」のカードを数十枚用意します。
2.両方の色が均等に見えるよう、床に並べます。
3.「赤」「白」チームに分かれ、「よーい、どん!」のスタートの合図とともに、相手チームの色が自分のチームの色になるようにカードをめくります。
3.「おしまい」の合図後、めくったカードの色が多いチームの勝ちです。
<配慮するポイント例文>
- 子ども同士で手や足をふまないように適度に声かけをする。
- 「赤組はカードを何色にすればよいのかな?」などと声をかけながら、ルールがわかっていない子がいないか確認する。
- 負けたチームには「頑張ったね!」「悔しいけれど次は頑張ろう」と声をかけ、次の活動に期待感を持てるような声かけをする。
運動遊び
異年齢保育に取り入れやすい運動遊びを紹介します。
縄跳び遊び
<遊び方>
1.保育士さん2人が縄跳びの端を持って向かい合わせに立ち、縄を真っすぐ張ります。
2.縄跳びにふれないように縄の上をジャンプしてもらったり、ハイハイしてもらったりしましょう。
3.縄の高さを調整して繰り返し、遊びます。
<配慮するポイント例文>
- 子ども同士で協力して遊びを楽しめるよう、縄跳びをくぐるべきかジャンプするべきか話し合いの場を設ける。
- 失敗したときは周りの子が励ましてくれる可能性があるため、まずは様子を見守る。もし励ます子が現れなかった場合は、「難しかったよね」「次はくぐってみる?」などと優しく声をかける。
新聞びりびり遊び
<遊び方>
1.新聞紙を用意して各自好きなように新聞をやぶいてもらいます。
2.新聞紙をちらしたり、袋に入れたりして楽しみます。
3.年上の子には新聞紙に書いてある文字を見てひらがなの「し」が書いてあるものを見つけ、袋に入れるように伝えます。※次は「か」を探してなど、繰り返し遊ぶ
<配慮するポイント例文>
- 年下の子が新聞紙を口に入れないように見守る。
- 年上の子が楽しめるように遊びをアレンジする。
異年齢保育で配慮したいポイントは例文を参考にしよう
異年齢保育では、異なる年齢の子どもたちと向き合うことから、環境構成を整えたり言葉かけを工夫したりする必要があるでしょう。
子どもたちが豊かな園生活を送れるよう、保育士さんはさまざまな活動を取り入れて交流を深められるとよいですね。
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