認可園に転職すると、在職証明書の提出が必要になります。意外と多くの保育士さんが困った経験があるのが「前の勤務先にいたときは旧姓だった」場合の対応です。今回は、保育士さんの在職証明書についてと、前職で旧姓だった場合の発行依頼の方法、また旧姓で発行されてしまった場合の対応についても考えます。
ponta1414 / stock.adobe.com
目次
認可保育園に勤める保育士さんの転職に必須の在職証明書
その勤務先に在籍している(いた)事実を証明する書類が「在職証明書」です。
まずは保育士さんの転職にあたって、在職証明書を発行する際の基本事項と、転職に在職証明書が必要になる理由を見ていきましょう。
在職証明書の発行について
保育士さんが退職した勤務先の在職証明書を取得したい場合は、該当の元勤務先に連絡して発行してもらう必要があります。
これは勤務先が発行する書類のため、勤務者および元勤務者(保育士さん)が作成することはできません。
在職証明書自体は任意作成が基本のため、在籍中・退職後いずれの場合も、本人が依頼しなければ発行されないケースが多いでしょう。必要に応じて勤務先に依頼しなくてはいけません。
また、就労の事実を証明する書類では「就労証明書」「就業証明書」と呼ばれることもあります。
保育士さんの転職に在職証明書が必要になる理由
保育士さんが転職した際に、新しい勤務先から過去の勤務先の在職証明書の提出を求められるのは、これまでの正しい実務経験年数を勤務先に証明するためです。
認可保育園には、保育士さんに給与を支払うにあたって、その額に応じた補助金が行政から支給されています。
補助金に適用されている「処遇改善手当」の規定により、保育士さんの実務経験年数に応じた補助金の申請ができるのです。
保育士さんが応募時に提出する履歴書や職務経歴書は、手当の申請には使うことができません。その代わりに、実務経験年数が正しく証明できる在職証明書が必要になるのです。
なお、複数回の転職歴がある場合は、すべての認可保育園における在職証明書が必要です。この場合、これまでの勤務先が認可保育園以外であれば、在職証明書が必要ない場合もあります。
認可保育園であれば、パート・アルバイトなどの非正規雇用であっても、経験年数として評価の対象になることが多いようです。
これは、国や自治体に提出する公的書類であるため、旧姓表記など現在の姓名と相違がないようにする必要があります。
前勤務先で旧姓で働いていた場合の注意点
christianchan / stock.adobe.com前勤務先に勤めていたときには旧姓だったため、書類を提出する時点とは姓が変わっている、というのはよくあるパターンと言えます。
このような場合に、すでに退職した職場に当時の在職証明書を求める際には、前勤務先は当時の在職時の勤務記録を参照して書類作成を行ないます。
こちらから姓が変わったことを申告しない限り、現在の姓をわざわざ調べてくれることはないでしょう。
このように、退職後に結婚・離婚などで本名の姓が変わった場合は、旧姓のまま在職証明書が発行されてしまう事態が起こります。
これを回避するためには、在職証明書を依頼する際に「現在は姓が変わった」「そのため旧姓・現姓を併記してほしい」という2点を過不足なく伝えたうえで、現在の姓を伝えましょう。
この場合は、漢字の間違いなどが起きないよう、電話など口頭ではなく書面やメールで依頼する方が賢明です。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
保育士資格を活かせる在宅ワークのお仕事特集!保育関係の自宅でできる仕事を徹底解説
保育士資格を活かせる在宅ワークにはどのような仕事があるのでしょうか。保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど自宅でできる仕事は意外に多いもの。今回は、保育士資格を活かして働ける在宅ワークの仕...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
すでに旧姓で発行されてしまった場合の対処法
naka / stock.adobe.comここでは、現在と違う旧姓表記で在職証明書がすでに発行されている場合の対応について考えます。
再発行してもらう
ここでやってはいけないのは、自分で修正を行なうこと です。
在職証明書は公的書類ですので、訂正する場合は必ず発行元が行なう必要があります。
修正液や二重線・訂正印、書き足しなどのいずれの修正であっても、発行元以外の手によって行なわれた場合は改ざん行為となり、書類自体が無効になりますので注意しましょう。
改姓は誰にでも起こりうることですので、前勤務先に証明書の再発行を依頼すること自体は、手間ではあるでしょうが迷惑にはあたりません。
退職時に発行され、その後に改姓する場合もありますので、いずれの場合も再発行を依頼するのが妥当と言えます。
前職場に依頼せず書類を代替するには
基本的には前勤務先に発行してもらうのが第一ですが、自治体によっては、以下の方法でも書類の発行や代替が可能な場合があります。
- 前勤務先が公立園であれば、自治体で発行してもらえる
- 年金加入記録の提出で代替可能
(ねんきん定期便、マイナポータルで雇用保険の加入履歴を確認)
これらは、提出する自治体、あるいは前勤務先が所属している自治体によって行なっている場合とそうでない場合があり、全国で対応は変わります。
そのため、上記の手段で在職証明書を代替する場合には、必ず提出する前に今の職場の担当者に確認しましょう。
在職証明書は保育士転職の必須書類!旧姓での発行に注意しよう
保育士さんの認可園での転職の場合に必ず必要になる と言っていい、在職証明書の旧姓表記について考えてみました。
便宜上、職場では旧姓を通称として働く保育士さんもいるようですので、姓が変わるなど生活上での変化についてはうっかり忘れてしまうこともあるでしょう。
過去にさかのぼって在職証明書などが必要になる場合もありますので、十分注意して二度手間にならないように対応できるとよいですね。
保育士バンク!は、保育士さんの転職をあらゆる面からサポートする保育士専門の求人サイトです。
転職先探しはもちろんのこと、保育士さんの転職に必要な書類や揃え方についての相談も、保育士バンク!におまかせください。
専任アドバイザーがお手伝いしますので、どんなことでも相談しながら、保育士さんの理想的な転職をスムーズに叶えられます。
今すぐ転職・復職を考えていなくても、相談だけでも大歓迎!保育士バンク!に相談してみませんか?
保育の仕事を紹介してもらう