公務員保育士とは、地方自治体で働く保育士のことです。この仕事に就くには公務員試験に合格する必要があります。しかし、挑戦してみたものの残念ながら落ちてしまったという方もいるのではないでしょうか。その場合、翌年公務員試験を再受験する、私立保育園で働くといった選択肢を検討しなくてはいけません。今回は、それぞれの選択肢に加え、公立保育園と私立保育園の違いなどを詳しく解説します。
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目次
保育士の公務員試験に落ちた!次なる選択肢は2つ
そもそも公務員保育士として働くためには地方自治体の公務員試験を受験し、合格する必要があります。
合格すればその自治体の採用候補者名簿に記載されますが、残念ながら落ちてしまった場合は次に紹介する2つの選択肢の中から来年度どうするかを判断しなければなりません。
ここでは、保育士が公務員試験に落ちた場合の選択肢にどのようなものがあるのかを確認しておきましょう。
翌年公務員試験を再受験する
公務員試験は受験回数に制限などが設けられているわけではないため、基本的には年齢制限に達するまで何度でも再受験することが可能です。
なお、公務員試験の年齢制限は自治体によって異なります。そのため、受験する際は、何歳まで受けられるかを事前に調べておくようにしましょう。
また、原則として公務員試験はどの自治体でも年1回しか実施されません。つまり、再受験をする=翌年の試験を受けるということになります。
仮に翌年の試験に合格したとしても、入職できるのはさらにその翌年度始めとなります。それまでの収入のことを考慮して、アルバイトなどを行ないながら試験勉強や入職準備をする方もいるようです。
私立保育園で働く
試験に合格できず、公務員保育士という働き方を諦める場合、私立保育園で働く私立保育士になるという働き方があります。
私立保育士の場合、公務員試験のような一括した試験はなく、各私立保育園が行なっている求人募集への応募が必要となります。
選考内容は園によってさまざまですが、履歴書や面接を通じて採用が決まれば、そこで働くことができます。
公立保育園と私立保育園の違いを解説
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地方自治体が運営する公立保育園と、自治体以外の組織が運営する私立保育園。この2つの保育園には、一体どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、各保育園の違いを詳しく解説します。
就職までの流れ
公立保育園への就職を希望する場合、自治体ごとに年に1度行なわれる公務員試験に合格する必要があります。また、公務員試験に合格できたとしても、次年度の保育士の欠員が出なければ公務員保育士として働くことができません。
つまり、合格しても働けない可能性があるということです。さらに採用されなかった場合は、翌年再チャレンジできるものの、再び試験を受ける必要があります。
一方、私立保育園の場合は、各園で行なっている求人募集活動に応募することで就職希望の意思を示すことができます。人員が必要な場合のみ求人が出されているため、選考に合格しても働けないということはありません。
職場
公立保育園の場合は、主に保育園や託児所、学童保育施設などで働くことになります。基本的には、児童福祉法の基準を満たしている認可保育園が対象です。
一方、私立保育園の場合は、社会福祉法人やNPO法人、民間企業が運営元となっている保育園が主な勤務先となります。認可保育園と認可外保育園、どちらも含まれます。
保育方針
同じ地方自治体にある公立保育園の保育方針は、すべて統一されています。つまり、そのエリア内であれば、どの保育園に行っても、同様の保育方針であるということです。
私立保育園の場合は、施設ごとに異なる保育方針で運営しているところがほとんど。そのため、自由度の高い保育をしたい場合は、私立保育園を選ぶとよいでしょう。
勤務時間
公立保育園と私立保育園では、勤務時間にも違いがあるのが特徴です。公立保育園の場合は、保育時間が明確に定められているところがほとんどのため、勤務時間が一定となっているところが多いそう。延長保育および休日保育に対応していないことも少なくありません。
しかし、私立保育園の場合は運営元によって方針が異なります。そのため、延長保育に対応していたり、休日保育を充実させていたりするところもあるようです。このことから、施設によって勤務時間が幅広いこともあります。
異動
公立保育園で働くということは地方公務員であるということになるため、自治体内で勤務先の異動があります。たとえば、保育園から学童保育施設へ異動など、施設自体が変わることも珍しくありません。
一方、私立保育園の場合、1つの保育施設のみを運営している法人であれば異動の心配はないでしょう。ただし、複数の保育施設を運営している法人であれば、グループ内での異動を打診される可能性はあるかもしれません。
給料
内閣府が発表したデータを参考に、公立保育園と私立保育園で働く保育士の給与を確認しておきましょう。
保育士 | 公立 | 私立 |
---|---|---|
常勤 | 30万3113円 | 30万1823円 |
非常勤 | 16万2859円 | 18万7816円 |
常勤・非常勤で働く保育士を対象に、公立保育園と私立保育園で給与を比較してみましたが、公立か私立だからといってそこまで給与に大きく差があるわけでもないようです。
常勤だと公立保育園のほうが数千円高いですが、非常勤だと私立保育園のほうが2万弱高くなっていることがわかります。
ただし、これはあくまでも平均を算出したものなので、実際の給与は求人情報などをしっかりと確認したほうがよいでしょう。
福利厚生
公立保育園で働く場合、地方公務員という扱いなので、福利厚生なども地方公務員と同等のものとなります。そのため、有給休暇や育児休暇などは比較的取りやすいでしょう。
私立保育園の場合の福利厚生については、勤務先によって異なります。求人などを探す際は、しっかりと確認するようにしましょう。
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私立保育園への就職・転職活動の流れやポイント
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さまざまなことを考慮したうえで、公務員試験の再受験ではなく、私立保育園で働くことを選んだ方もいるかもしれません。ここでは、そんな方に向けて私立保育園を選ぶ際の流れとポイントを解説します。
1.私立保育園を選択する上で外せない条件を整理する
私立保育園で働くことを決めたら、まず、外せない条件を整理するようにしましょう。
給与面はもちろんのこと、福利厚生の有無、勤務時間などの待遇に関することなどです。勤務してから想像と違ったということが発生しないように、保育方針や保育内容も確認するとよさそうです。
2.希望条件と優先順位を決める
私立保育園を選ぶ上で外せない条件を整理したら、勤務先に求める希望条件とその優先順位を細かく見極めましょう。
仕事を探すときはつい全ての条件が当てはまるところを求めがちですが、すべての希望条件がぴったりと当てはまる職場があるとは限らないからです。
希望条件に優先順位をつけ、これだけは譲れないと思う条件があれば、その条件を優先して勤務先を決めるとよいですね。
3.求人情報を調べる
勤務先の希望条件と優先順位を決めたあとは、実際に私立保育園の求人情報を探してみましょう。
私立保育園の求人情報はインターネット上でも多く掲載されているので、条件に合わせて探してみてください。
4.履歴書・職務経歴書を用意する
応募する求人を絞ったら、次は履歴書・職務経歴書を用意します。採用時の書類選考において、自分がどのような人物なのか、これまでどんな経験をしてきたのかを説明するための大事なアピール材料となります。
どちらの書類も、体裁を整えたり、文章量を調節したりするなどして、見やすさを意識しましょう。
5.園見学に行く
実際に求人に応募する前に、働いてみたいと思っている私立保育園を訪問し、施設や保育の様子を見せてもらう園見学に行くようにしましょう。
園見学に行くことによって、求人情報やWebサイトだけではわからない保育園の雰囲気や保育内容を把握することができます。
6.選考を受ける
園見学を終え、その園で働きたいと思った場合は、その保育園の求人に応募をし、選考を受けます。選考時の流れとしては、書類選考後に筆記や実技などの一次選考、そして面接での二次選考というスケジュールが一般的です。
実際は各施設によって流れが異なるので、求人情報で確認したり、園見学の際に聞いたりするようにしましょう。
私立保育園の面接対策と成功ポイント
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公務員試験においても面接はありますが、過去の情報をある程度確認できることから対策がしやすいかもしれません。しかし、私立保育園の選考における面接は、園ごとに違いがあったり公務員試験とは大きく異なる点があったりします。
そのため、私立保育園で働くことを決めたら、求人探しと並行して面接対策をするとよいでしょう。ここでは、私立保育園の面接対策と成功ポイントを解説します。
私立保育園の面接でよく聞かれる質問とは?
私立保育園の面接では、これまで公立保育園を受けてきた応募者に対して、「来年以降、公立保育園の再受験を考えているのでは?」と不安に思うことがあるようです。
私立保育園側がこの質問をするのは、公務員試験の再受験に伴い、採用したとしても年度内ですぐに私立保育園を辞めてしまうのではないかと懸念しているからだそう。
もし面接時にこのような質問をされた場合は、公務員試験を受ける意志がないことを私立保育園側に伝えることが大切です。
面接でアピールできるポイントとは?
私立保育園の面接では、応募者の人柄や仕事への熱意、経験・スキルなどをチェックされることが多いでしょう。
特に、自園とどれくらい保育観がマッチしているか、入職後にどのように活躍してくれるかを確認するようです。その園ならではの特色や魅力と、自分の保育観、経験・スキルなどをうまく掛けあわせることで、アピールとなるでしょう。
面接で失敗しないための準備と注意点
私立保育園の面接で失敗しないためには、事前の準備が欠かせません。そのためにも、まずは面接を受ける保育園のWebサイトなどから情報収集を行ないましょう。
園のWEBサイトには、保育方針や保育内容が記載されていることが多いです。サイト内では情報が得られない場合は、園見学に行き、自分の目で雰囲気などを確認すると、より保育園のイメージを理解できるようになるはずです。
また、当たり前のことですが面接時のマナーにも気をつけましょう。面接では、面接での受け答えだけではなく、立ち振る舞いや姿勢なども見られています。
履歴書・職務経歴書の用意を含め、事前準備をしっかりと行なって、私立保育園の面接に挑みましょう。
出典:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】/内閣府
公務員保育士の試験に落ちた場合は再受験か私立保育園での勤務を考えよう
公務員試験に落ちたとしても、すぐに公務員保育士になることを諦める必要はありません。なぜなら、公務員試験は翌年再受験することが可能だからです。
どうしても公務員保育士になりたいと考えている場合は、年齢制限に当てはまらないのであれば再受験にチャレンジしてみてもいいでしょう。
とはいえ、公務員保育士は試験に合格したからといってすぐに働けるわけではありません。次年度の欠員が出なければ、採用されないこともあるので、しっかりと仕組みを理解した上で挑戦することをおすすめします。
その点、私立保育園だと、求人に応募し、採用が決まればすぐに働ける施設がほとんどです。公務員保育士のように次年度まで待つ必要なく、保育の仕事に携われますよ。
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