「こども誰でも通園制度」いつからはじまる?本格始動に向けた保育士の処遇改善や現場からの声を紹介!

    こども誰でも通園制度とは、親が働いていなくても月10時間を上限に子どもを保育園に時間単位で預けられる制度です。2026年度の本格的な開始に向けて、業務負担が増えることが予想される保育士さんに「10.7%」の処遇改善が2024年11月22日にこども家庭庁より発表されました。今回は、こども誰でも通園制度の内容をわかりやすく紹介します。試験的に始まった事業に携わる保育士さんからのリアルな声もお届けしますので、チェックしてみてくださいね。

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    こども誰でも通園制度とは。いつから始まるの?

    「こども誰でも通園制度」とは、親が働いていなくても0歳6カ月~満3歳未満の子どもを月10時間を上限に保育園へ預けることができる通園制度です。

    本格的な施行予定は「2026年度」。

    2023年度から多くの自治体によって試験的に事業が始まっています。

    いままで保育園は、保護者が働いていたり、病気や介護などの特別な事情があったりと保育の必要性の認定を受けた家庭のみ利用することができました。

    しかし、この「こども誰でも通園制度」は、保護者の就労を問わず、時間単位で「誰でも」保育園を利用できるようにつくられたのです。

    また、子どもが新しい環境に慣れるまでは、「親子通園」も可能とのこと。

    こども誰でも通園制度を策定した背景は…

    保育園を利用していない子に向けて子ども同士で遊べる経験を増やし、成長を支えていきたい!

    育児疲れで疲労を感じている保護者を救いたい!子育てに悩みながらも誰にも相談できないママやパパが孤独にならないように支援したい!

    などといった想いから、手厚い子育て支援を目的に制度が策定されました。

    しかし、その一方で受け入れ側の保育士さんからは不安の声が挙がっています。

    「保育士の人材不足が問題になっているのに、さらに負担が増えるかもしれない」

    子どもを月10時間だけ預かって環境に慣れてくれるかな?人見知りの子もいるから十分にお世話できるのか心配…

    ただでさえ、保育士の人材不足が問題になっている中で制度が開始されると、預かる子どもの人数が増えることが予想されます。

    そのため、「この状況で2026年度に始まって大丈夫なの?」と不安になる保育士さんも多いでしょう。

    今回は、こども誰でも通園制度と一時保育の事業の違いや試験的な事業に携わった保育士さんたちのリアルな声などをわかりやすく紹介します。

    こども誰でも通園制度と一時預かりとの違いとは?

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    そもそも国の一時預かり事業があるのだから、「こども誰でも通園制度」は不要なのではと考える保育士さんもいるでしょう。

    国は以前から一時預かり事業を行ない、保護者の病気や仕事などを理由に一時的に子どもを預けられるような取り組みを実施していました。

    ただ、一時預かりは基本的に保護者の病気や仕事などといった特定の理由がなければ、保育園に預けることが難しいという特徴があります。

    一方、「こども誰でも通園制度」は、何らかの理由がなくても保護者が子どもを預けることが可能です。

    こども誰でも通園制度と一時預かり事業の違いは以下の通りです。主な違いは対象年齢や利用時間、事業目的といえるでしょう。

     

    こども誰でも通園制度

    一時預かり事業

    実施自治体

    すべての自治体

    ※対象の園については保育の体制、配置人数によって異なる

    1269自治体

    対象

    0歳6ヶ月〜満3歳児未満

    病気や仕事など家庭での保育が一時的な困難なこども

    利用時間

    1カ月あたり10時間程度の上限※検討段階

    市町村で上限時間や日数を設定

    事業目的

    ・親の就労など関係なく、各家庭のライフスタイルに合う支援を行なう
    ・子ども同士で遊ぶ経験を増やし、幼稚園・保育園に入る前の土台作り

    ・親の就労や病気などで一時的に保育が困難なときに支援を行なう。

    ・乳幼児に必要な保護を行なう

    預かり場所

    保育園、認定こども園、地域型保育事業所、幼稚園、子育て支援センターなど

    保育方法

    ・在園児同じスペースで預かる

    ・在園児とは別の専用スペースで子どもを預かる

    ・定員に達していない保育施設で定員の範囲内で子どもを預かる

    ※一時預かり事業では障がいのある子どもがいるご家庭に保育士が訪問し、お世話をするサービスも行なっています。

    試験的に始まった「こども誰でも通園制度」。保育方法と現場からの声は?

    こども誰でも通園制度は2026年度の本格的な実施に向けて、2023年度から試験的な検証がスタート。2024年には100以上の自治体で検証が行なわれています。

    保育方法

    3つの保育の方法を用いて各自治体の園で試験的に実施しています。

    【一般型(在園児と合同)】

    保育園などの定員に関係なく、在園児といっしょに保育を行ないます。保育士の配置基準を満たせば、各園で子どもの受け入れ人数を自由に設定することができます。

    【一般型(専用室独立実施型)】

    保育園などの定員に関係なく、在園児と別のスペースで保育を行ないます。保育士の配置基準やスペースが確保できれば、各園で子どもの受け入れ人数を自由に設定することができます。

    【余裕活用型】

    利用児童が定員に達していない場合、子どもを受け入れて在園児といっしょに保育を行ないます。

    また、保育者の人員配置基準は以下のように一時預かり事業と同じです。

    <保育者の人員配置>

    • 0歳児3人に対して保育者1人以上配置
    • 1〜2歳児6人に対して保育者1人以上配置

    保育者の半分は保育士の有資格者を配置し、保育士以外の方は子育て支援研修または家庭的保育者基礎研修と同等の研修を修了した方の配置が義務づけられています。

    また、余裕活用型の場合はクラス定員に対する人員配置で対応が可能です。

    試験的な事業に携わった保育士さんからの声

    こども家庭庁では、こども誰でも通園制度の試験的な事業に携わった保育士さんに向けてアンケートを実施しています。

    ここからは、アンケート結果をピックアップしてお伝えします。

    質問1.「こども誰でも制度の事業に携わってやりがいを感じたことは?」

    約6割の保育士さんが以下のような印象を持っていました。

    ふだん保育を利用している家庭以外にも、地域の子育て支援に関わることができる!

    預かりモデル事業を利用するこどもたちの成長・発達を感じることができる!

    また、「地域のさまざまな家庭やこどもとかかわることで、 自分自身の成長を感じることができる」と回答した方も4割と好意的な意見が集まっています。

    質問2.「こども誰でも制度の事業は子どもの育ちにどんな意義があると思う?」

    約8割の保育士さんが以下のような意義を感じたようです。

    同年齢・異年齢の子ども同士で関わり合う機会を得ることができる!

    家庭のみで育つことと比べ、様々な遊びを経験し、それを通じて成長できる!

    また、「保育者との愛着の形成を通じて心の発達が促進される」と約6割の方が回答していました。

    このようなアンケート結果から、こども誰でも通園制度に実際に携わった保育士さんにとってやりがいを感じられる瞬間が多く、こどもへの育ちに関してもよい影響を与えるという意見が集まっています。

    その一方で、制度の課題についても調査したところ、約6割の方から「普段の保育に加え、預かりモデル事業のこどもの対応にかける時間・労力が増えた」という回答が集まりました。

    そのため、保育士さんの多くが「よい取り組みであることはわかるけれど、制度が本格的に始まったら負担が増えて、辛くなりそう…」と感じる可能性があるでしょう。

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      こども誰でも通園制度の本格始動に向けた国の対策!保育士の処遇改善「10.7%」も視野に

      先述の通り「こども誰でも通園制度」の導入に伴い、保育士の業務負担が増えることが予想されており、人材確保が急務となっております。

      しかし、なかなか人材確保が進まない状況をふまえて保育士の労働環境の改善を考え、こども家庭庁は2024年度から保育士や幼稚園教諭など人件費を2023年度よりも10.7%引き上げる方針を発表しました!

      三原こども政策担当大臣は「今回の措置は、保育士等の処遇が抜本的に改善され、保育の質の向上等につながることを強く期待している」と会見でコメントしています。
      ※引用:政府広報オンライン「三原大臣記者会見(令和6年11月22日)」

      この方針が実現すると、保育士や幼稚園、認定こども園の常勤職員の給与基準となる公定価格が改定され、上乗せ分が支給される予定です。

      例えば、収入が約400万円の保育士の場合、年間で42万8000円程度の増額が受けられるという計算になります。

      ただし、この増額は園児数に対する保育士数の基準などに基づいて決定するため、すべての保育士が一律で10.7%の増額を受け取れるわけではありません。

      とはいえ、このような過去最大の引き上げは、保育者の処遇改善が進む大きな一歩です。

      こども誰でも通園制度の本格始動に向けた「保育士さんの給与アップの実現」について今後も注目していきましょう。

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      「こども誰でも通園制度」の子どもの受け入れ園は決まっている?勤務園が対象になったときに意識すること

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      こども誰でも通園制度は全国すべての保育園で実施されるものではありません。

      保育園の体制や園児の定員数を考慮したうえで、子どもの受け入れ園を決定することが予想されます。

      そのため、対象となった園で働いている保育士さんの中には職場環境が変わる方もいるかもしれません。

      実際に勤務園が対象になった場合に意識しておきたいことについて紹介します。

      職員同士の話し合いを大切にする

      月10時間を上限に子どもを預かるため、その時間内で子どもの様子を把握することに不安を抱く方もいるでしょう。

      そのため、職員同士で連携を図りながらそれぞれの子どもの発達状況や様子を確認し、引継ぎをしっかり行なうことが大切になりそうです。

      保育士さんがスムーズに引継ぎできるよう、園側も体制をしっかり整えることがポイントになりますね。

      体調が崩れるまで頑張りすぎない

      職員の人員配置が変わり、こども誰でも通園制度による子どもの預かり担当となることで、変化に馴染めずに体調を崩すこともありそうです。

      環境の改善を求めてもなかなか働きやすい状況にならない場合は、転職を検討してみてもよいでしょう。

      そんなときは自分らしく保育士を続けるにはどうしたらよいのかどんな園が自分に合っているのか、改めて考えてみるとよいですね。

      こども誰でも通園制度について詳しく知ろう

      こども誰でも通園制度は、子育て家庭の支援を強化するうえで重要な施策のひとつでしょう。

      ただ、預かる側である保育園の職場環境が整っていなければ、保育士の負担が増えるかもしれません。

      処遇改善などによる保育士の労働環境の見直しが進められていますが、現在すでに今の職場環境に対して不満がある方は、将来的な自分の理想の働き方について考えてみましょう。

      もっと働きやすい園へ転職したい」「職員数が多い園で働きたい」といった希望がある方は保育士バンク!までご相談ください。

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       出典:こども未来戦略方針/内閣府
       出典:こども誰でも通園制度(仮称)の本格実施を見据えた 試行的事業実施の在り方に関する検討会における 中間取りまとめ(案)について
       出典:こども誰でも通園制度(仮称)の創設について/こども家庭庁
       出典:保育所の空き定員等を活用した未就園児の定期的な預かりモデル事業具体的な実施状況1/こども家庭庁
      出典:政府広報オンライン「三原大臣記者会見(令和6年11月22日)」
      出典:国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策の重点事項(こども家庭庁)

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