フリーランス保育士さんが開業届を出さないケースとは、どういった場合でしょうか。一般的に個人事業主として事業を始めるには開業届が必要であり、出すことでいくつかのメリットがあるようです。今回は、フリーランスで働く保育士さんが開業届を出さないケースについてまとめました。また、開業届を出さない場合の注意点も解説します。
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目次
フリーランス保育士は開業届を提出するべき?
特定の保育園に属さずに、フリーランス保育士として働いている方もいるでしょう。
フリーランス保育士は月給ではなく報酬として収入を得る個人事業主なので、開業届を提出するべきなのかと戸惑うことがあるかもしれません。
開業届とは、個人事業主として開業する際に税務署へ提出する書類です。
開業届を提出する目安は、収入から必要経費を差し引いた年間所得が48万円以上とされています。
なお、副業でフリーランス保育士として働く場合、開業届を提出する目安は年間所得20万円以上となっています。
フリーランス保育士が開業届を出さずに働いたとしても罰則はなく、確定申告も行なえますが、状況によっては開業届を提出したほうがよい場合もあるようです。
フリーランス保育士でも開業届を出さないケースは?
開業届は、所得税法により、事業を開始してから1カ月以内に提出するよう定められています。
まずは、フリーランス保育士が開業届を出さないケースを見ていきましょう。
一時的に収入を得た場合
ネットオークションやフリーマーケットなどを介して収入を一時的に得た場合は、開業届を提出する必要はありません。
継続的に利益を得ない働き方であれば、開業届の提出は不要です。
年間所得48万円未満の場合
先述したように、開業届を提出する目安は年間所得48万円以上とされています。
つまり、年間所得48万円未満であれば確定申告をする必要はありません。
年間所得20万円以内の副業の場合
ほかに本業があり、副業として働いているフリーランス保育士さんもいるでしょう。
年間所得20万円以下であれば確定申告が不要であることから、開業届を提出する必要はありません。
白色申告を希望する場合
青色申告は書類作成に手間がかかることから、白色申告を希望する方もいるでしょう。
収入が増えた際に改めて開業届を提出して、青色申告にするケースもあるようです。
なお、開業届を提出しなければ、手続き上は事業の実態がない状態になってしまうなど、いくつかのリスクが伴うことも。
そのうえで、自分には白色申告と青色申告のどちらが適しているのか考えるとよさそうです。
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フリーランス保育士が開業届を出さない場合に注意すること
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ここでは、フリーランス保育士さんが開業届を出さない場合に注意することをまとめました。
自動的に白色申告になる
開業届を出さなくても特に罰則はないものの、開業届を提出しないで確定申告をすると自動的に白色申告になります。
青色申告承認申請書には提出期限が設けられているため、青色申告による確定申告を考えている人は、うっかり提出期限が過ぎてしまったということがないように注意しましょう。
デメリットが生じる
開業届を出さないために白色申告になった場合は、次のようなデメリットが生じてしまいます。
- 青色申告特別控除を受けられなくなる
- 退職金制度を活用できない
- 翌年以降の節税につながらない
- クレジットカードの審査が通りづらい
- 屋号付きの口座を開設できない
- 家族への給与を経費として申告できない
- 保育園利用の際に仕事の実態を証明できない
- 補助金などの給付を逃す可能性がある
なお、開業届を提出する場合でも、健康保険の被扶養者から外れることがあったり、失業手当が受給できなくなったりといったデメリットが生じる可能性もあるようです。
開業届を出すべきか迷っている保育士さんは、それぞれのデメリットもおさえておきましょう。
フリーランス保育士が開業届を出すメリット
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フリーランス保育士さんが開業届を提出すると、次のようなメリットが得られます。
退職金制度を活用できる
開業届を提出することで、フリーランスのための退職金制度に加入できます。
将来への備えとして安心できそうですね。
青色申告で最大65万円の控除が受けられる
開業届を提出して青色申告ができれば、最大65万円の特別控除を受けられるようになります。
青色申告で節税につながる
開業届を提出して青色申告ができれば、翌年以降の節税につながります。
例えば純損失を3年間繰り越すことができるので、1年目が赤字の場合は2年目も所得税が発生しないなどのメリットがあります。
屋号付きの口座を開設できる
開業届を提出すると、ほとんどの金融機関で屋号付きの銀行口座を作れるようになります。
屋号の名義で銀行口座を開設できれば箔が付き、フリーランス保育士として信用を得やすくなるかもしれません。
クレジットカードの審査が通りやすくなる
フリーランスという働き方は、収入が不安定であると思われがちでしょう。
開業届を提出すれば、フリーランス保育士としてきちんと事業をしているという証になるので、クレジットカードの審査に通りやすくなりそうです。
フリーランス保育士として開業届を出さないケースを知っておこう
フリーランス保育士として個人で事業を開始した場合、開業届を提出することで節税につながるなどのメリットがあります。
しかし、状況により開業届を出さないケースもあると知っておけば、手続きの際に慌てずにすむかもしれません。
なお、保育士バンク!では、専属のキャリアアドバイザーが求人を紹介する転職サポートを行っています。
フリーランス保育士として働きたいと考えている方も、お気軽にご利用くださいね。