厚生労働省からの要請を受け、保育園で定期的に実施されている「自己評価」や「チェックリスト」と呼ばれる評価シートが大変!という保育士さんの声を耳にします。今回はこの自己評価について、実際なんのためにあるの?どう書けばいい?という疑問をクリアにできるよう、保育士さん目線でわかりやすく解説します!
hanack/stock.adobe.com
目次
保育士さんが知りたい!「保育所における自己評価ガイドライン」とは?
保育園に勤務している保育士さんが、園から記入を求められる「自己評価」や「チェックリスト」。
園によって呼び方は違うかもしれませんが、これらは厚生労働省が全国の保育施設に呼びかけている「保育所における自己評価ガイドライン」をもとに作成されています。
ガイドラインによれば、保育士さんの自己評価提出は以下のようなことを目的として実施されています。
- 保育の充実・充実をはかる
- 保育士の資質向上や職員間の共同性を高める
- 評価の取り組みや結果の公表
- 保護者や地域と理解の共有
保育士さん個人の自己評価と、保育施設としての自己評価を報告することによって、実施している保育計画や問題点・改善点を見直すこと。そして、自己評価をもとにした今後の保育計画・実施方法の公表も義務づけられています。
自己評価とチェックリストについて・素朴な疑問
karin/stock.adobe.com
ここでは、保育士さんが感じる自己評価やチェックリストにまつわる疑問について解説します。
自己評価の結果を公表するのは何のため?
これは、保育への自己評価と今後の計画を公表することで、保護者や地域とその保育について共有され、地域全体で保育への理解を深めることにつながるという意図があるようです。
保育施設は、厚生労働省が制定している「保育所保育指針」に基づいて運営されていますが、この中の「保育所保育に関する基本原則(1)保育所の役割」という項目では、保育施設と地域とのかかわりについて以下のように記されています。
保育所は、入所する子どもを保育するとともに、家庭や地域の様々な社会資源との連携を図りながら、入所する子どもの保護者に対する支援及び地域の子育て家庭に対する支援等を行う役割を担うものである。
この「保育所保育指針」によれば、地域の子育て力の向上に貢献することも保育所の役割とされています。保育士さんや園の保育内容は、地域に開かれるものという考え方が基本なのですね。
公表方法はそれぞれですが、プリント配布や園のサイトに掲載している場合が多いようです。
自己評価はどんなことを書けばいい?
「保育所保育指針」をもとに項目を設定し、その項目ごとに目標とその問題・課題点だけでなく、どのように目的が達成できたか、できなかったかなどを具体的に書き出すとまとまりやすいでしょう。
- 子どもへの対応
- 保護者対応
- 職員同士のかかわり
書く内容としては、保育日誌など日々の記録や保育メモをもとに振り返ることもできます。
日常保育の中で、普段から保育に対する問題点などの気づきを記録しておくことで、効率よく自己評価をつけられるだけでなく、内容も充実するでしょう。
チェックリストはどう答えるのが正解?
チェックリストの内容・フォーマットなどの細かい点は園ごとに違うようです。園ごとに設定された質問項目に、決められた段階別の評価をつけるのがよいでしょう。
「保育計画にどれだけ貢献できているか」を念頭においてチェックしてみましょう。
これらの提出は、あくまで「保育の質の向上」を目的としていますので、特定の保育士さんの人事評価などに反映されるものではありません。何も気にせず正直につけることが大切です。
それによって、課題や改善点が浮き彫りになり、結果的に保育士さんや園児への環境改善にもつながることにもなるでしょう。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
保育士資格を活かせる在宅ワークのお仕事特集!保育関係の自宅でできる仕事を徹底解説
保育士資格を活かせる在宅ワークにはどのような仕事があるのでしょうか。保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど自宅でできる仕事は意外に多いもの。今回は、保育士資格を活かして働ける在宅ワークの仕...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
やりっぱなしじゃ意味がない!大事なのは「振り返り」
自己評価の結果を、保育士さん同士や園・保護者・地域で共有し、それとともに行なうのが「振り返り」です。
保育士さん個人ではなく園全体で振り返りをすることで、自己評価による現状把握から、課題とその解決策の検討につなげるのがのぞましいでしょう。
「計画と実践の振り返り」から、改善点や充実への方策が見えてきたら、それを、次の保育計画に反映させていきます。それの繰り返しによって、よりブラッシュアップされた保育内容になるでしょう。
それと並行して、結果を共有した保護者や地域からのフィードバック(反応や提案)を加えていくことで、より練られた保育計画が生まれ、保育の質の向上につながっていくとされています。
自己評価とチェックリストを活用して保育士スキルを高めよう!
maroke/stock.adobe.com
忙しい中で、自己評価をつけるのはちょっと大変、と思っている保育士さんも多いようです。
けれど、現状で困っていることや改善したい部分を明確にして、よい保育環境を作ろう!という気持ちで参加 すれば、長い目で見ていけば保育士さん自身の働きやすい環境をととのえることにもつながるのではないでしょうか。
保育士バンク!は、保育士専門の求人サイトです。
保育士バンク!では、保育に役立つ情報から、あなたのご希望に合う求人を紹介する転職サポートも行なっています。
自分の保育スキルを高めたい保育士さん、より自分にあった保育園への転職を考えている保育士さんはもちろん「今すぐには考えていないけどよい環境があれば…」という保育士さんまで、理想に合う職場環境やお悩みなど、保育士バンク!にご相談ください。
今の職場で少しでも気になることなどあれば、お気軽に保育士バンク!へ。保育士さんならではの悩みに対応できるキャリアアドバイザーがお手伝いします。
保育の仕事を紹介してもらう