保育士さんが受けられる「家賃補助制度」。利用している保育士さんも多いですが、この制度、補助の種類を自分で選べたり、自治体や園などによって受けられる制度にも大きな違いがあったりするということを知っていますか?知ればもっとお得に利用できるかもしれない、家賃補助制度のあんなことやこんなこと、わかりやすく説明します!
ELUTAS/stock.adobe.com
目次
パターンいろいろ!保育士が受けられる家賃補助の種類
保育士さんに向けた家賃補助制度は、大きく分けて3種類あります。以下で紹介します。
- 住宅手当
- 寮・社宅制度
- 借り上げ社宅制度
誰が補助してくれるのかという点や補助される額などが変わってくる ので、それぞれの特徴を理解し、よく検討して自分にあった補助を選ぶのがよいでしょう。
住宅手当の支給
住宅手当は、勤務する園が福利厚生として設定している家賃補助の制度です。
補助金額は園によって違いますが、だいたい月に1~3万円前後が相場です。園から毎月の給与とあわせて支払われることが多いようです。
園によって明細の項目は「家賃手当」「住居手当」などさまざまですが、同じものと考えてよいでしょう。
メリット
- 住居を自分で自由に選ぶことができる
- 退職しても家を退去する必要がない
- 家賃額にかかわらず一律支給される場合がある
デメリット
- 園によって制度を導入していない場合がある
- 課税の対象となる
- 家賃補助の中では金額が低め
寮・社宅制度
寮・社宅制度も、勤務する園が独自に設定している福利厚生の制度です。
こちらも園によってあるところとないところがあります。補助金額は家賃の20~50%と言われており、かなりお得といえます。
園がそれぞれ独自に運営する制度ですので、家具付きのマンションの場合もあれば、お風呂やトイレが共同の下宿タイプもあるなどさまざまですが、待遇のよい園であればかなりの節約 になるでしょう。
メリット
- 家賃が格安になる・生活費の節約になる
- 職場近くの場合が多いため通勤が楽になる
- 課税対象にならない
- 同じ住居内に同僚がいるのでさみしくない
デメリット
- 退職にともない退去する必要がある
- 園によって住居のレベルに差がある
- 自分の好きなエリアや住居を選べない
- 仕事とプライベートのメリハリがつけづらい場合もある
借り上げ社宅制度
前項目の「寮・社宅制度」と似ていますが、あちらが園から支給される補助なのに対して、こちらは国による補助という違いがあります。制度としては「保育士宿舎借り上げ支援事業」と呼ばれます。
国・自治体・園が家賃にあたる金額を折半しているため、補助金額も3つの中でもっとも高く、月の上限が82,000円に設定されています。家賃の金額によっては、自己負担額0円で住むことも可能です。
利用したい保育士さんは、転職時の条件に「借り上げ社宅あり」と書かれているかチェックしてください。
メリット
- 補助額が大きく家賃がかなり節約になる
- 導入している園や自治体は保育士の環境整備に力を入れている可能性が高い
- 同じ住居内に同僚がいるのでさみしくない
デメリット
- 課税対象になる
- 退職にともない退去する必要がある
- 今後、制度自体がなくなる可能性がある
- 仕事とプライベートのメリハリがつけづらい場合もある
なお、保育士バンク!に掲載されている住宅補助がある施設の求人情報を知りたい方は、以下のボタンからチェックしてみてくださいね。
住宅補助ありの求人はこちら
要注意!家賃補助を受けられないケースや期限を確認
kapinon/stock.adobe.com
家賃補助制度を利用するにあたっての難しいところは、基本的に、園や自治体・園ごとに制度が限定されたり、補助金額がさまざまだったりする部分です。入職の際に確認しておきましょう。
自治体や園ごとにそれぞれ条件がある
住居に対しての補助という特性上、自治体や園によっては単身者のみという条件がつく場合があります。また、同居家族、配偶者など同居人がいる場合は対象外、ただし同居人が子どもの場合は可、など細かく規定されることもあるので確認が必要です。
また、同居は可だが自分が世帯主でない場合、育休や産休・休職中、所属地域に居住しない場合、同自治体内での転職なども対象外になる場合があります。
勤めはじめた頃は補助が出ていた保育士さんも、ライフスタイルの変化によって補助の対象外となる可能性があります ので、注意してください。
補助を受けられる期間がある
家賃補助制度は、原則として採用日から9年間の期限があるとされていますが、これも自治体によってさらに短い例があります。
「保育士宿舎借り上げ支援事業」に関しては、制度が始まった当初は10年間の予定でしたが、段階的な見直しが行われる中で、令和5年度からは7年に短縮されました。
なお、保育士有効求人倍率が高い自治体に関しては、5年以内となる可能性もあります。
制度自体が打ち切られる可能性も
場合によっては、当初は9年間補助を受けられる予定だったのに、途中で急に制度自体が打ち切られた、という可能性もあるためこればかりは難しいところです。
自治体や園によっては、急に打ち切ることはないとしても、少しずつ補助金額を削っているところもあるようです。財源の面や、少子化による保育士不足解消などの要因で、制度自体を打ち切る可能性はないとはいえません。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
保育士資格を活かせる在宅ワークのお仕事特集!保育関係の自宅でできる仕事を徹底解説
保育士資格を活かせる在宅ワークにはどのような仕事があるのでしょうか。保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど自宅でできる仕事は意外に多いもの。今回は、保育士資格を活かして働ける在宅ワークの仕...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
家賃補助制度、結局どう選ぶのが正解?
metamorworks/stock.adobe.com
今ある補助制度については、できるだけ自分の生活スタイルにあった補助を選ぶとよいでしょう。
転職を考えている保育士さん・転職活動中の保育士さんは、就職先を探すにあたって家賃補助制度をどのように導入しているのかを改めて確認してみるのもひとつの判断基準になるかもしれません。
園単位では、募集要項の「福利厚生」の欄を見てみましょう。
園だけではなく、自治体によって補助額や制度も大きく変わるので、今いるところだけではなく、近隣の地域や自治体も事前リサーチしてみるなど、制度を最大限活用する転職スタイルも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
ほかにもある保育士さん向け補助制度
上記の他、各自治体が導入している以下のような補助制度もあります。
自分の働いている自治体や園が住宅補助の対象外だった、という保育士さんはぜひ参考にしてください。
- 処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ
- 保育士等キャリアアップ補助金
- 未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付
- 転居支援
- 奨学金返済支援
- 就職準備のための低利息貸付
- 勤続年数による報奨金
これらは、都道府県や自治体単位で導入しているものがほとんどですが、ほかにも保育士を目指す方への学費補助や、潜在保育士に対する支援制度などもあります。
保育士さんならではのお得に利用できる制度は、あるうちに最大限活用しましょう!
保育士バンク!に掲載されている住宅補助がある施設の求人情報を知りたい方は、以下のボタンからチェックしてみてくださいね。
住宅補助ありの求人はこちら
保育士向け独自の家賃補助制度、調べてお得に活用しよう!
maroke/stock.adobe.com
家賃補助制度を積極的に導入している園や自治体は、保育士さんの待遇改善へ力を入れている可能性が高い 傾向にあるようです。
「お得だから」というだけでなく、保育士さんの生活やワークライフバランスを考慮してくれる補助制度を備えた環境であれば、安心して働けますよね。
そんな環境への転職や再就職を考えている保育士さんを応援する、補助制度以外の強い味方が保育士専門の求人サイトである、保育士バンク!です。
保育士バンク!では、保育に役立つ情報から、あなたのご希望に合う求人を紹介する転職サポートも行なっています。
「この地域の保育園に転職するとどんな補助がある?」「一人暮らししたいけど、どこの園がよい?」など、あなたの理想に合う職場環境やお悩み、素朴な疑問などもご相談ください。
いますぐに転職を考えていなくても、今の職場で少しでも気になることがあれば、お気軽に保育士バンク!へ。保育士さんならではの悩みに対応できるキャリアアドバイザーがお手伝いします。