保育園の水遊びについてどのような事故事例があるのか知りたい保育士さんもいるでしょう。水遊びは楽しい活動の一方、さまざま事故が起こる可能性があります。今回は保育園で水遊びを安全に行うための対策や事故事例を解説します。厚生労働省の資料を参考にどのような点に気をつけて対策を立てていくべきか、詳しくまとめました。
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保育園の水遊びの事故事例から対策を立てる
保育園の水遊びは夏の定番行事。
プールで水にふれたり、潜ったり、泳いだりとさまざまな遊びを楽しみます。
水遊びを行なううえで重要なのがきちんと「安全対策」を立てることです。
職員全体が危機管理能力を高め、子どもたちが安心して活動を楽しめるように気をつけていきましょう。
まずは、水遊びにおいてどのような事故が潜んでいるのか事故事例を紹介します。
保育園の水遊びの事故事例
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転倒する
まず、水遊び中に起こりえる事故のひとつが「転倒」です。
子どもがプールの周りを歩いて足を滑らせたり、水中でつまずいたりと転ぶ恐れがあるでしょう。
幼児は小さな身体のわりに頭が重いことから、重心が高く転びやすいといわれています。
転倒すると骨折やねんざなどのケガをしてしまう場合もあるため、充分に気をつける必要がありますね。
溺れる
水遊び中は例え水深が浅くても、子どもが溺れてしまう可能性があるでしょう。
転倒したり、潜ったりする中で鼻と口が水没すると、子ども自身もどう対処してよいかわからず、立ち上がることができずに溺れることがあるでしょう。
また、多くの子どもが密集してプールに入っていると溺れる子がいても見つけられず、職員が気づかないケースもありそうです。
どんなに水が浅くても子どもが溺れる可能性がある状況を想定して、対策を立てることが大切ですね。
誤飲を招く
水中に潜ったり子ども同士で水のかけあいをしたりするうちに、誤ってプールの水を飲んでしまう可能性があるでしょう。
水を飲みすぎると呼吸に影響する場合もあるかもしれません。
特に乳児はなんでも口に入れてしまう時期があり、プールの水をたくさん飲んで体調を崩してしまうこともありそうです。
誤飲には十分注意して、子どもの安全を守りましょう。
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保育園の水遊びの事故事例から学ぶ安全対策
厚生労働省ではプールや水遊び中の事故防止に向けて注意喚起を行っています。
「保育所、地域型保育事業及び認可外保育施設においてプール活動・水遊びを行う場合の事故の防止について」においてもどのように安全対策を立てていくべきか、詳しく記載されています。
今回は、資料を参考に水遊び中の事故を防ぐ対策をまとめました。
注意すべきポイントを確認する
まず、水遊びを行う前には職員同士で注意すべき内容を確認する必要があるでしょう。見落としがちな監視のポイントをしっかり把握することも大切です。
厚生労働省では注意すべきポイントを以下のようにまとめています。
- 監視者は監視に専念する。
- 監視エリア全域をくまなく監視する。
- 動かない子どもや不自然な動きをしている子どもを見つける。
- 規則的に目線を動かしながら監視する。
- 十分な監視体制の確保ができない場合については、プール活動の中止も選択肢とする。
- 時間的余裕をもってプール活動を行う。等
引用:保育所、地域型保育事業及び認可外保育施設においてプール活動・水遊びを行う場合の事故の防止について/厚生労働省からの抜粋
監視を行う職員と子どもと活動する職員の役割分担を明確に行い、配置場所も確認しましょう。
また、子どもがトイレに行ったり、体調を崩したりした場合に体制を変更する可能性があります。その際は職員同士が声をかけ合い、子どもの安全を十分確保できるよう、体制を整えることも重要ですね。
事故防止マニュアルを作成する
子どもたちを危険から守るために水遊び用の事故防止マニュアルを作成しましょう。
ただ、園によってはビニールプールを使う場合があれば、併設された大きなプールを利用する場合もあるでしょう。職員の人数や子どもの対象年齢もさまざま。
そのため、園の設備や職員体制にあわせて、独自の事故防止マニュアルを作成するとよいですね。
応急措置の方法や安全確認のチェックリストなども記載したうえで、新人の保育士さんでもすぐ活用できるようなマニュアルを作成しましょう。
また、園で行なわれる研修会や話し合いの場などで意見を出し合い、水遊びの事故を防ぐうえでどのようなルールが必要なのか、職員同士で考える時間を設けるとよいかもしれません。
園全体の危機管理能力を高めることにもつながるため、実施を検討してみるとよさそうです。
入念に点検を行う
水遊びの時期は事前に点検を行う必要があります。
厚生労働省の資料においてもプール設備に関する点検チェックシートの一例(p30)が記載されているため、参考にしてみるとよいかもしれません。
【点検項目例】
- プールサイドは滑り止めマットを敷いているか
- 危険なものは落ちていないか
- 水の深さは規定に沿っているか
- 清潔な環境が保たれているか
水遊び中は水着を着用し、裸足で遊ぶことも多いため、危険なものを踏んでケガをしないように注意しましょう。
また、ビニールプールを使用する際、水遊びの後にすぐ水を抜かないケースもあるようです。水をためたままにすると子どもが気づかないうちにプールに入り、溺れてしまう可能性があります。
「その都度水を抜いているか」「水が抜けたことをチェックしているか」なども点検項目に加えるとよさそうです。
出典:保育所、地域型保育事業及び認可外保育施設においてプール活動・水遊びを行う場合の事故の防止について/厚生労働省からの抜粋
保育園の水遊びの事故事例から安全について考えよう
保育園の水遊びは子どもにとって楽しい活動のひとつですが、さまざまな事故が起こる可能性があるでしょう。
子どもたちを危険から守るためにも安全管理を徹底することが大切です。
厚生労働省の資料を参考にマニュアルを作ったり、職員同士でルールを話し合ったりしながら、事故防止に向けて対策を立てていきましょう。
また、保育士バンクでは日々の保育ネタの配信や保育士さんの転職のサポートなどをしています。「勤めている園と保育観があわない」などお悩みがありましたらぜひ一度ご相談くださいね。