子どもの自己肯定感を高めるためには、どのような保育を行えばよいのでしょうか。文部科学省の調査によれば、諸外国に比べて自己肯定が低い若者が多いことがわかりました。乳幼児期からの周囲の大人の関わり方が重要になりそうです。今回は、子どもの自己肯定感を高める5つのポイントや保育士さんが気をつけたいNGワードをまとめました。
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自己肯定感とは
自己肯定感とは「自分は価値のある大切な存在であることに気づき、自らを肯定できる感情や感覚」を意味します。
自己肯定感が高いと自分に自信を持ち、前向きに物事を考えられたり、さまざまなことにチャレンジしたりすることができるでしょう。
ただ、2018年の文部科学省の「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」によれば、「自分自身に満足しているか」という質問に対して、アメリカやイギリスなどの主要7か国では70%以上が「そう思う」と応えている一方、日本の若者の回答は約45%。
諸外国と比べて、日本の若者の自己肯定感の低さが浮き彫りとなっています。
そのため、乳幼児期から自分に自信を持ち、自らを肯定できる力を身に着けられるよう、周囲の大人が育て方や関わり方を考えていく必要があるでしょう。
今回は、乳幼児期に子どもと接する保育士さん向けに、子どもたちの自己肯定感を高めるための方法を詳しく紹介します。
保育士が子どもの自己肯定感を高める5つのポイント
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乳幼児期にたくさんの子どもたちが過ごす保育施設。
働く保育士さんはどのような点に気をつけて、子どもたちの自己肯定感を高めていけばよいのでしょうか。
①子どものありのままを受け入れる
まずは子どものありのままの姿を受け入れるということが大切でしょう。
子どもたちの発達スピードや個性はそれぞれ違いがあります。
一人ひとりのよいところに目を向けて、子どもたちが劣等感を抱いても「大丈夫だよ」「〇〇ちゃんは〇〇が上手だよね。よいところがいっぱいあるからね」と声をかけ、安心できるように関われるとよいですね。
保育士さんがそのような声かけを繰り返していくと、子どもも何か辛いことや悔しいことがあっても、ポジティブな気持ちで物事を考えられるようになるでしょう。
②前向きな言葉を伝える
子どもを褒めたり愛情を伝えたり、前向きな言葉を意識して関わると、自己肯定感を育むことにつながりそうです。
「大好きだよ」「いつも味方だからね」「どうもありがとう」などほっとする言葉を投げかけ、大切に思っていることを伝えていきましょう。
周りの大人が「自分を大事にしてくれている」という思いに気がつけば、子ども自身も家族や友だちに愛情深く接し、思いやりの気持ちを育てられそうです。
③しっかり子どもの話を聞く
子どもからの話を聞くことも、自己肯定感を上げるうえで大きなポイントになるでしょう。
話しかけてくれたときは目線をしっかり合わせて、そのエピソードを深堀してみるとよさそうです。
例えば「昨日、嫌いなにんじんが食べられたの」と話しかけられたら「すごい!頑張ったね!どんな味だった?」などと話し、興味や関心があることを伝えていきましょう。
また、保育士さんの中には保育活動の準備や清掃作業などがあり、子ども一人ひとりにゆとりを持って関われないこともあるかもしれません。
「今日は〇〇グループの子と話して褒めることを意識しよう」など小さな目標を立て、意識的に接する時間を設けるとよいでしょう。
④「できた!」を感じられる活動を増やす
子どもが達成感を味わう場面が増えると「できた」ことに対して自信を持ち、失敗しても前向きにチャレンジできる力を身につけられるでしょう。
成功したときだけではなく、頑張っている過程を褒めることも大切です。
「〇〇ちゃんは何度もできるまで挑戦していたね。先生、一生懸命ですごいなって思ったよ」などと話し、具体的な言葉で伝えるとよいですね。
⑤自主性を育てる
保育士さんは子どもの成長にあわせて、子ども自らがやりたいことを見つけ、判断して行動に移せるようにサポートしていきましょう。
すべて手助けするのではなく、子どもが自分で考える時間を設けることも大切です。
さまざまな経験を積める場を用意すると自主性が育ち、自己肯定感を高められそうです。
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保育士が気をつけたい!子どもの自己肯定感を下げるNGワード
子どもたちの自己肯定感を上げるためには言葉選びが大切。
保育士さんが日常的につい言ってしまいがちなNGワードを紹介します。
「〜しなさい」「〜しないとダメ」
「〜しなさい」と命令系の言葉は使用せずに「〜しようね」「次は〇〇やってみようか」と優しい口調で話しかけるようにしましょう。
「〜しないとダメ」と否定的な言葉はできるだけ使わないように気をつけるとよさそうです。とはいえ、子どもに危険がせまっていると「〜すると危ないよ!ダメ!」とつい、強い言葉を口にすることもあるかもしれません。
そんな時は後から「〇〇くんのことが心配だったから伝えたよ。次は気をつけようね」とフォローすることも大切ですね。
「どうしてできないの?」
イライラしていたり多忙で余裕がなかったりすると、子どもたちの行動に対して「どうしてできないの?」と感情的になる保育士さんもいるかもしれません。
子どものやる気や意欲を否定してしまえば、自己肯定感も下げてしまいます。ネガティブな言葉よりも「頑張っていてえらいね」などポジティブな言葉を伝えられるとよいでしょう。
「何回言ったらわかるの?」
何度繰り返し話しても子どもにわかってもらえないとつい「何回言ったらわかるの?」と口に出してしまうこともありそうです。
ただ、何回言ってもわからないということは伝え方が適切ではないのかもしれません。子どもが理解できない言葉で話をしていないか確認しましょう。
絵やジェスチャーで説明するなど、伝え方を工夫できるとよいですね。
「早くして」
子どもがなかなか給食や降園の準備をしなかったり、次の活動に移らなかったりすると、「早くして」「急いで」という言葉が出てしまうこともあるかもしれません。
ただ、この言葉を繰り返し伝えていると、子ども自ら考える余裕がもてず、指示されないと動くことができなくなる可能性もあります。
「保育園の玄関でママが待っているから支度しようね」など、なぜ急ぐ必要があるのかを具体的な言葉で伝えてみるとよさそうです。
また、曲を流し「この曲が終わるまでに準備できたらかっこいいな!」など前向きに取り組めるような声かけを意識するとよいですね。
保育士は子どもに愛情を注いで自己肯定感を高めよう
保育士さんは子どもたちの自己肯定感を高められるよう、日常的に声かけや関わり方を工夫していきましょう。
保育士さん自身もポジティブな言葉を意識して使っていると、何事も前向きな気持ちで取り組むことができそうです。
子どもたちの気持ちに寄り添った対応を心がけ、愛情を注いでいきましょう。
なお、「仕事に追われてなかなか気持ちにゆとりがもてない…」とお悩みの方は保育士バンク!にご相談ください。
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