再就職手当について知りたい保育士さんもいるでしょう。スムーズに手当を受け取るために、これから復職を検討している方は、受給できる条件やもらえないケースなどを押さえておくとよいですね。今回は、再就職手当とはどのようなものか解説します。また、受給するための条件や支給額の計算方法についてもまとめました。
metamorworks/stock.adobe.com
再就職手当とは?
保育士さんが復職する際に受け取れる再就職手当。
失業中の方にハローワークから支給される基本手当(雇用保険)を受給していた方が受給できる手当ですが、具体的にどういったものなのでしょうか。
まずは、再就職手当の概要や目的について見ていきましょう。
概要
失業中の方が再就職すると、基本手当を受け取れなくなる代わりに「再就職手当」と呼ばれるものが支給される場合があります。
再就職手当とは、基本手当の受給中に新たな職業に就いたり、事業を始めたりした際に支給される手当です。
再就職手当は、早期に再就職するほど給付率が高くなる仕組みで、正社員だけでなくパートやアルバイトとして勤務する保育士さんにも受給資格があります。
基本手当を全額受け取っていなくても、新たな職場が早めに決まれば給料が支給されながら再就職手当も受け取ることが可能なようです。
目的
再就職手当は、受け取れる期間を定めることで、求職者が速やかに新たな職場を見つけて働くことを促す目的があります。
また、離職した方の再就職率を高める目的もあるようです。
以下の記事では、再就職手当がハローワーク以外で内定が決まっても支給されるかどうかについて詳しく解説しています。気になる方はぜひ参考にしてくださいね。
保育士が再就職手当をもらうための条件
spacezerocom/stock.adobe.com
保育士さんが再就職手当をもらうためには、以下の条件を満たす必要があります。
くわしく見ていきましょう。
基本手当(雇用保険)の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上である
基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていれば、再就職手当の受給対象です。
そのため、基本手当をほとんど受給してから再就職した場合、受け取れない可能性があることに留意しましょう。
待期期間が満了した後に就職している
基本手当には、受給手続きの後に7日間の待期期間が設けられており、待期期間が過ぎた後に就職した場合再就職手当の受給の対象になります。
一方、待機期間中に再就職すると手当を受け取ることはできません。
離職理由による給付制限を受けた場合、待期満了後1カ月間においては公共職業安定所(ハローワーク)または許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介により就職している
離職の理由として、自己都合と会社都合の2種類があります。
解雇や倒産といった会社都合で離職した場合は、7日間の待機期間の後に再就職手当を受け取ることができます。
一方、結婚や転職などを理由に自己都合で離職した場合、求職の申し込みから待機期間の満了後1カ月間は公共職業安定所や特定の職業紹介事業所に紹介された職場に転職することで、再就職手当を受給できます。
新たな就職先で1年以上勤務することが確実である
再就職手当をもらえる条件として、新しい職場で1年以上働くことが前提となっていることが挙げられます。
そのため、派遣社員、契約社員、パート、アルバイトとして再就職する予定の方は、契約期間が1年未満だと手当をもらえないので注意しましょう。
離職前の事業主に再び雇用されていない
離職した職場の事業主が経営する保育園などに再就職しないことも、手当を受給するための条件です。
たとえ新たな職場の保育園の場所や名称が違っていても、経営元が同じ であれば手当を受け取ることができません。
求職申し込み前から採用が内定していた事業主に雇用されていない
求職の申し込みを行った日よりも前に内定先が決まっている場合は、基本手当を受け取る条件から外れてしまいます。
失業状態であり、基本手当を受給中に新たな職場で働くことで、再就職手当を受け取ることが可能です。
就職日前3年以内の就職について、再就職手当や常用就職支度手当の支給を受けていない
再就職手当や常用就職支度手当を3年間受け取っていないことも条件として挙げられます。
ちなみに常用就職支度手当とは、基本手当をもらっている最中に、障がいを抱えるなどして仕事をすることが困難になった方が転職した際に受け取れる手当です。
雇用保険に加入している
原則として、離職先で雇用保険に加入していれば基本手当を受け取ることができます。
雇用保険の被保険者になるには、週20時間以上働くことが条件。
再就職手当を受ける場合は、新たな転職先でも雇用保険の被保険者であることが必須です。
再就職手当を受給するためには、これら全ての条件を満たす必要があります。
再就職する際には、自分が受給対象者かどうか確認してみましょう。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
保育士資格を活かせる在宅ワークのお仕事特集!保育関係の自宅でできる仕事を徹底解説
保育士資格を活かせる在宅ワークにはどのような仕事があるのでしょうか。保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど自宅でできる仕事は意外に多いもの。今回は、保育士資格を活かして働ける在宅ワークの仕...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
再就職手当の計算方法や受給の手続き
Emotional-design/stock.adobe.com
ここでは、再就職手当の受給金額の計算方法や、手続きの方法についてまとめました。
計算方法
再就職手当は一定の金額ではなく、基本手当が何日残っているのかなどによって変動します。
再就職手当がいくらもらえるのかは、以下の計算式に当てはめて算出してみましょう。
支給残日数×基本手当日額×給付率
支給残日数
支給残日数とは、再就職した日の前日までに基本手当を受給したうえで残っている基本手当を受け取れる日数です。
早期に再就職したほうが残日数が多くなるため、手当の支給額が高くなる仕組みになっています。
基本手当日額
基本手当日額とは、離職した方が1日に受給される雇用保険の金額です。
上限額が定められているので、計算する際には注意しましょう。
給付率
給付率はいつ再就職したのかによって変動します。
基本手当の支給残日数に応じて、以下のように定められています。
雇用保険の受給期間の残りの日数が3分の2以上…給付率70%
雇用保険の受給期間の残りの日数が3分の1以上…給付率60%
このように、いつ再就職したのかで給付率が異なり、支給額に差が出てきます。
早めに再就職するほど支給額は多くなりますが、先ほど説明したように雇用保険の受給期間の残日数が3分の1未満であれば、受給の対象外となるので注意しましょう。
受給の手続き
再就職手当を受給するには、以下のような手続きが必要です。
1.再就職手当支給申請書を再就職先に提出して証明を受ける
2.再就職手当支給申請書と雇用保険受給資格証を公共職業安定所に提出する
なお、再就職手当支給申請書は、就職した日の翌日から1カ月以内に提出することになっています。
再就職手当を受ける保育士さんが知っておきたいこと
polkadot/stock.adobe.com
保育士さんが再就職手当を受ける際には、以下のことも知っておくとよいでしょう。
申請から振り込みまでは1~2カ月程度かかる
申請したからといって、再就職手当がすぐに振り込まれるわけではありません。実際に再就職手当をもらうまでには、ハローワークに申請してからおよそ1~2カ月かかるといわれています。
支給までに1~2カ月の時間がかかるのは、この期間で受給対象者かどうかを確認するための調査や審査を行なっているからです。
この確認が完了すると、ハローワークは支給条件を満たした申請者に対し、再就職手当支給決定通知書を送付します。
就業促進定着手当を受けられる
就業促進定着手当は、早期再就職の促進を目的とした就職促進給付のひとつです。
再就職手当の支給を受けている方が再就職先に6カ月以上雇用され、再就職先での6カ月の賃金が離職前よりも低くなった場合に手当が支給される仕組みです。
基本手当の支給残日数の40%を上限として、低下した賃金の6カ月分がもらえるので、再就職の際には覚えておくとよいでしょう。
出典:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~/厚生労働省
保育士も受け取れる再就職手当について知っておこう
今回は、復職を検討している保育士さんに向けて、再就職手当について解説しました。
再就職手当とは、基本手当の受給中に再就職した際に支給される制度で、パートやアルバイトとして働く保育士さんにも受給資格があります。
基本手当を満額もらう前に早めに再就職するほど多く受け取れる仕組みで、いつ再就職したかによって金額が異なります。
なお、新たな職場の契約期間が1年未満だと支給されないなど、受給するためにはいくつかの条件が定められています。
保育士として再就職するときに備えて、再就職手当を受け取れる条件について押さえておきましょう。
保育士バンク!には、保育士資格を活かせる園の求人を多数掲載中!
登録から転職サポートまで完全無料でお使いいただけます。
転職相談や情報収集だけでも大歓迎!
「自分に合う保育園に再就職したい」と新たな職場をお探しの方は、下記より必要項目をご入力ください。
保育業界に精通したキャリアアドバイザーがあなたのご希望に合う求人を提案+転職のサポートをするので、この機会にご相談してみませんか?
保育の求人を紹介してもらう