入園時や休み明けなどに多い「登園しぶり」の対応に困る保育士さんもいるかもしれません。保護者の方と離れられなかったり、泣いていたりすると接し方に迷うこともあるでしょう。今回は、「新しい環境への不安」「生活リズムの変化」など登園しぶりの原因や子どもと保護者への対応方法を詳しく紹介します。
ANURAK PONGPATIMET/shutterstock.com
登園しぶりの対応に困る保育士
登園しぶりとは何らかの理由で子どもが「園に行きたくない」「保育園の中に入りたくない」と登園を拒否する状態のことを言います。
特に入園・進級時の1〜2週間や長期の休み明けなどに保護者の方と離れる寂しさから、泣いてしまう子どもが多いかもしれません。
保育士さんは子どもたちが気持ちを切り替えるように笑顔で対応するものの、接し方がわからずに悩むこともあるでしょう。
登園しぶりとなる原因を把握して、子どもたちが笑顔で園生活を送ることができるように、対応方法を考えられるとよいですね。
登園しぶりが起こる原因
まずは登園ししぶりが起こる原因を紹介します。
新しい環境に適応できない
入園や進級時は環境の変化になかなか適応できず、登園を拒否する子どもがいるでしょう。特に1歳〜3歳頃は、人見知りや場所見知りなどで不安を抱く場合もあるかもしれません。
また、進級時には、新しい担任や友だちと上手くコミュニケーションをとれないことで登園しぶりが起こる可能性があるでしょう。
保護者と離れることがさみしい
maroke/shutterstock.com
保護者と離れることに寂しさを感じて登園を拒否する場合も多いものです。
入園当初はわからなくても、徐々に「保育園はお母さんと離れ離れになる場所だ」と認識して、登園前に自宅で泣き出してしまうこともあるようです。
特に2歳以降に入園する場合は、それまで一日中いっしょにいたお母さんと離れてしまうことに不安を感じて「保育園に行きたくない」「お母さんと離れたくない」と言葉で伝えることもあるでしょう。
生活リズムに問題がある
休み明けは生活リズムが戻らず、眠かったり、機嫌が悪かったりして登園を拒む場合がありそうです。
体調が優れない場合もあるため、子どもたちの様子を注意して見る必要があるでしょう。
園で嫌なことがあった
園で嫌なことがあったときに、登園したくないという気持ちを表す場合があるかもしれません。
行事の練習が上手くいかなかったり、嫌いな遊びに参加したくなかったりと、さまざまな理由で登園をしぶることもあるようです。
友だちと仲よくすることが難しい
友だちと仲よく遊べないことに不安を感じて登園を拒否することもあるでしょう。
特に年長クラスになると仲がよい子とグループになって遊ぶことも多くなります。その際に友だちができなかったり、自分の気持ちを伝えることが難しかったりすると、登園に対して前向きになれないケースもあるかもしれません。
簡単1分登録!転職相談
転職に関するご質問や情報収集だけでもかまいません。
まずはお気軽にご相談ください!
読んでおきたいおすすめ記事
保育士をサポート・支える仕事特集!異業種への転職も含めた多様な選択肢
保育士の経験を経て、これからは保育士のサポート役として働きたいという方はいませんか?責任の重い仕事だからこそ、人の優しさや支えが必要不可欠な仕事かもしれませんね。今回は、保育士さんをサポートする・支え...
在宅ワークで保育士資格を活かせる仕事とは?自宅でできる保育関係の仕事を徹底解説
通勤時間なく働ける在宅ワークをしたいと考えても「保育士は無理なんじゃないか……」とあきらめている方はいませんか?保育園の事務職や保育ママ、保育園業務のサポートなど、保育士の経験や資格を活かして自宅でで...
病院内保育とは。役割や仕事内容、病院内保育士として働くメリット
病院内保育とは、病院や医療施設の中、または隣接する場所に設置されている保育園のことです。保育園の形態のひとつであり、省略して院内保育と呼ばれることもあります。転職を考えている保育士さんの中には、病院内...
子ども・赤ちゃんと関わる仕事31選!資格の有無や保育士以外の仕事を関わる子どもの年齢別に紹介
子どもと関わる仕事というと主に保育園や幼稚園を思い浮かべますが、それ以外にも意外とたくさんあります!今回は赤ちゃんや子どもと関わる仕事31選を紹介!無資格で活躍できる職場もまとめました。子どもと携わる...
保育士を辞める!次の仕事は?キャリアを活かせるおすすめ転職先7選!転職事例も紹介
保育士を辞めたあとに次の仕事を探している方に向けて、資格や経験を活かせる仕事を紹介します。ベビーシッターなど子どもと関わる仕事はもちろん、一般企業での事務職や保育園運営会社での本社勤務といった道も選べ...
保育士から転職したい!転職先としておすすめの異業種22選。保育士以外の仕事やメリット・デメリットも
保育士以外から異業種への転職を考えている際、どのような転職先がおすすめなのでしょうか。今回は、次の仕事として保育士から転職しやすいおすすめの異業種22選を紹介します。保育士から異業種に転職するメリット...
保育園運営会社の仕事内容とは?本社勤務でも保育士資格は必要?働くメリットや求人事情まで
保育園運営会社にはどんな仕事があるのでしょうか?保育園運営会社で働くことは「本社勤務」とも呼ばれ、保育園の運営に携わる仕事として、主に一般企業に就職したい保育士さんにとって人気の高い職種のようです。今...
【2024年最新】保育士に人気の転職先ランキング!異業種や選ばれる職場を一挙公開
保育士の資格を活かして働ける人気の転職先をランキング形式で紹介!企業主導型保育園や病院内保育所、ベビーシッターなど保育士経験やスキルを活かせる職場はたくさんあります!今回は保育施設や異業種別に詳しく紹...
【完全版】保育士資格を活かせる仕事・働ける企業25選!
保育園で保育士として働くのが辛いと感じて、転職を考えているという方がいるかもしれません。しかし、せっかく取得した保育士資格を活かして働きたいですよね!保育士として得たスキルや経験は一般企業や福祉施設、...
【2024年最新版】幼稚園教諭免許は更新が必要?廃止の手続きや期限、対象者をわかりやすく解説
幼稚園教諭免許は更新が必要なのか、費用や手続き方法などを知りたい方もいるでしょう。今回は、2022年7月1日より廃止された教員免許更新制について詳しく、そしてわかりやすく紹介します。幼稚園教諭免許を更...
保育士は年度途中に退職してもいいの?理由の伝え方や挨拶例、再就職への影響
「年度途中で退職したい...けれど勇気が出ない」と悩む保育士さんはいませんか。クラス担任だったり、人手不足だったりすると、退職していいのか躊躇してしまうこともありますよね。そもそも年度途中で辞めるのは...
幼稚園教諭からの転職先特集!資格を活かせる魅力的な仕事18選
仕事量の多さや継続して働くことへの不安などを抱え、幼稚園教諭としての働き方を見直す方はいませんか。幼稚園教諭の転職を検討中の方に向けて、経験やスキルを活かせる18の職場を紹介します。保育系の仕事から一...
【2024年度】放課後児童支援員の給料はいくら?年代別の年収やこの先給与は上がるのかを解説
放課後児童クラブや児童館などで働く「放課後児童支援員」の平均給料はいくらなのでしょうか。別名「学童支援員」とも呼ばれ、「給与が低い」というイメージがあるようですが、国からの処遇改善制度などにより、これ...
保育士が働ける保育士以外の仕事21選。資格や経験を活かせるおすすめの就職先
保育園以外の職場に転職・就職先を探す保育士さんもいるでしょう。今回は企業内保育所や託児施設、児童福祉施設など、保育士さんが働ける保育園以外の職場を21施設紹介!自身の働き方や保育観を見つめ直し、勤務先...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
保育士が登園しぶりに対応する方法:子ども編
原因を把握する
まずは子どもたちの様子をきちんと観察して登園しぶりとなる原因を把握しましょう。
入園時や休み明けは保護者と離れることに寂しさを感じている子が大半ですが、環境に慣れてきた頃に登園を拒否する場合は、園生活や友達関係が原因の可能性があります。
また、子どもの中には登園拒否の原因を担任に話したくても、友だちや周りの大人に聞かれたくないと感じることもあるでしょう。空いている保育室などを使って1対1の状況を作り、話ができる環境を整えることも大切かもしれません。
好きな遊びに誘う
ucchie79/shutterstock.com
登園時に保護者の方と離れることができない場合、「車のおもちゃで遊ぼうか」「おままごとしよう」など子どもの興味をひく遊びに誘うとよいでしょう。
入園前に子どもの好きな遊びをあらかじめ確認する園もあるようです。好きなキャラクターや食べ物の話をして、登園が楽しみになるように接しましょう。
園生活の見通しが立つようにサポートする
子どもの中には、同じ行動を繰り返し行えば、安心して園生活を送ることができる場合もあります。
登園後に「まずは靴を脱いで次に保育室に行こうね…」とひとつひとつの行動を保育士さんといっしょに取り組み、時系列に見通しを立てられると、登園しぶりがやわらぐかもしれません。
子どもたちの様子を見ながら、対応方法を工夫していきましょう。
保育士同士で連携する
子どもが登園拒否している場合は、その様子を保育士同士で共有することも大切です。勤務時間によっては、子どもが登園したときに担任が対応できない場合もあるでしょう。
子どもたちの様子や登園しぶりの原因を共有し、園全体でサポートできるような体制を作れるとよいですね。
保育士が登園しぶりに対応する方法:保護者編
登園後に保育園に長居しないことをお願いする
入園や進級時は、保護者と離れたくない一心で泣いている子どももいるでしょう。保護者の姿が見えていると気持ちが切り替えにくい場合もあるかもしれません。子どもたちが登園後にスムーズに保育室に入ることができるよう、保護者の方には長居せず、対応を任せて欲しいことを伝えてみましょう。
なかなか子どもが気になって離れられない保護者の方もいるかもしれません。その場合は、気持ちを汲み取りながら、「大丈夫ですよ」「昨日も泣いた後に元気に遊んでいました」など安心できる声かけを意識するとよさそうです。
連絡をこまめにとる
milatas/shutterstock.com
登園しぶりの際は、保護者へのケアを大切にして、こまめに連絡をとることを心がけましょう。
慣らし保育期間は、働き始めたばかりの保護者の方も多いかもしれません。不安を抱いている場合はその気持ちを受け止められるよう、登降園時などに会話する時間を設けましょう。
家庭の様子を把握する
0歳〜3歳ごろまでは自分の気持ちを言葉で話せず、態度や行動で表す子どもがいるでしょう。泣いていることが多く、どのように対応すればよいか迷う保育士さんもいるかもしれません。
子どもたちの変化を見落とさないように保護者の方から家庭の様子を詳しく聞いて、一人ひとりの性格や興味のある遊びなどを知ることも大切です。
保護者の方も登園しぶりに誠実に対応する保育士さんの姿勢を見れば、「この園を選んでよかった」「安心して子どもを任せられる」という気持ちを抱いてくれそうですね。
登園しぶりに対応して保育士として成長しよう
特に新人保育士さんは経験が浅いことから、登園しぶりの対応方法に迷うこともあるでしょう。
「どうすれば泣き止むかな」「設定保育が始まってしまう。どうすればいいのだろう」と不安を抱く方もいるかもしれません。
先輩保育士さんと協力しながら経験を重ねれば、徐々に対応の仕方が身につくでしょう。
子どもたちの楽しい園生活を支えることができるよう、保護者や子どもに寄り添った対応方法を考え、保育士として成長できるとよいですね。
保育士バンク!では、日々の保育に役立つ情報から、転職に関する情報なども公開しています。
「もっと自分の理想とする保育観に合った職場で働きたい」「キャリアアップできる園で働いてみたい…」など、転職に関する不安やお悩みがある場合は、保育士バンク!にお気軽にご相談ください!
転職に関する情報収集のみでもOK。自分に合う働き方を見つけませんか?