主に乳児クラスの保育で取り入れられることが多い複数担任制。何人かの保育士さんが担任としてリーダー・サブ・雑の役割を分担して行う保育のことですが、円滑にクラスを運営するのは難しいようです。今回は、保育士さんが悩みやすい複数担任制をスムーズに行うポイントを紹介します。あわせて、メリットやデメリットもまとめました。
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目次
なぜ複数担任で保育をするの?
保育園のクラス運営のしかたには、基本的に一人担任制と複数担任制があります。
複数担任制とは、何人かの保育士さんが担任として1つのクラスを受け持つ保育方法のことで、主に乳児クラスで取り入れられることが多いようです。
では、なぜ乳児クラスで複数担任制が採用されやすいのでしょうか。以下に示す、国が定める配置基準が関係しています。
- 0歳児:3人に対して保育士1人
- 1、2歳児:6人に対して保育士1人
- 3歳児:20人に対して保育士1人
- 4、5歳児:30人に対して保育士1人
子どもの人数が多い場合、保育士さんが1人だけだと配置基準を下回るため保育所を運営できません。そこで、複数担任制を採用して配置基準をクリアしています。
さらに人数を増やすことで子ども一人ひとりの安全を確保し、しっかりと保育できるようにする目的もあるようです。
出典:幼稚園と保育所の基準の比較【職員配置・施設設備等】/厚生労働省
複数担任制で保育士が担う役割
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複数担任制において保育士さんが担う役割は3つあります。
保育園にもよりますが、日ごとや週ごとに交代してローテーションするのが一般的なようです。
リーダー
リーダーは、子どもたちの前に立って活動を進める役割です。
活動内容を決めたりクラス全体にお話をしたりと、中心となって子どもたちとかかわります。
また、サブや雑の保育士さんをまとめるリーダーとしての役割も担っています。
サブ
サブは、個別に対応が必要な子どもとかかわって援助したり、リーダーのフォローをしたりする役割です。
クラス全体を見て、遅れを取っている子はいないか、活動に入れていない子はいないかなどを確認し、必要に応じて個別のケアを行います。
雑
雑は、活動のための環境設定や遊具の準備、片づけなどの雑務全般を行う役割です。
リーダーやサブと比べて子どもと接することが少ないものの、クラスの円滑な運営を支える存在といえるでしょう。
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複数担任で保育をするメリット・デメリット
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では、複数担任制のもとで保育をする場合、一人担任のときと比べてどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリット
安全性が高まる
複数担任のメリット一つ目は、クラスの安全性が高まることです。
1人で担任をする場合と比べて保育士の人数が多いため、そのぶん子どもたちを見る大人の目も増えます。
子どもの異変やトラブルにも気づきやすくなるので、ケガや事故を未然に防ぎやすくなるでしょう。
業務負担が軽くなる
1人で担任をする場合、保育計画の作成から活動の進行、保育室の後片づけまでほぼ自分で行う必要があります。
しかし、複数担任制であればリーダーが保育計画や保育日誌の作成を行い、雑が机を出したりおもちゃを片づけたりといった環境設定を行います。
複数人で業務を分担できるので、一人ひとりの負担が少なくなるのはメリットといえるでしょう。
困ったときはお互いにフォローし合える
複数担任の場合、わからないことや困ったことがあった場合にすぐ相談して、お互いにフォローできるというメリットがあります。
例えば新人保育士さんがリーダーを担当する場合、「どんな風に子どもに声をかければいいのか」「スムーズに次の活動にうつるにはどうすればよいのか」など戸惑うことがあるかもしれません。
そういった場合に他の役割を担当している先輩保育士さんにアドバイスを求めれば、その場ですぐに解決できますね。
デメリット
保育観や方針が合わないとストレスになることも
複数担任制のデメリットとして挙げられるのが、活動の内容や一日の流れを決める際に、保育方針がマッチしていないとストレスに感じる場合があることです。
保育士さん同士で認識を統一できていなければ保育の質が下がる可能性もあるため、定期的に話し合いの機会を設けて意見交換をすることが大切ですね。
他の保育士さんに気を遣う
他の保育士さんに気を遣ってしまうのも、複数担任制のデメリットといえるかもしれません。
特に、経験が浅い新人保育士さんは自分がリーダーになった場合、「こういう風に活動を進めてもよいのか」など不安に思ってしまうこともあるでしょう。
サブや雑の保育士さんから見られていることをプレッシャーと感じ、やりづらさを感じてしまう場合もあるようです。
その場合は、自ら積極的に「今日の対応で問題なかったですか?」など助言を求めに行くようにすれば、スキルアップできるうえに仕事への自信にもつながりそうですね。
連携や情報共有が難しい
意思疎通や仕事の連携が難しいことも、複数担任制のデメリットといえるでしょう。
子どもの様子やクラス全体のことに関しては、担任が同じ認識をもっていることが重要です。
うまく連携できていないと、保育士さんによって判断や対応が変わるなどして、子どもや保護者に迷惑をかける恐れもあるでしょう。「報告・連絡・相談」の重要性を再認識し、話し合うことが大切ですね。
保育士が複数担任で上手にクラスを運営するためのポイント
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さまざまなメリットやデメリットがある複数担任制ですが、どのようなポイントを意識してクラス運営をするとよいのでしょうか。
定期的に話し合いの時間を設ける
先述したように、複数担任では情報の共有や仕事の連携が難しい場合が多いようです。
そのため、定期的に話し合う時間を設けて、保育士さん間の認識のズレや違和感をそのままにしておかないよう努めましょう。
「毎朝欠かさずミーティングをする」「子どもの降園後に一日の内容を報告し合う」など、時間やタイミングを明確にして話し合いを習慣化するとよさそうですね。
報告・連絡・相談をマメに行う
報告・連絡・相談は仕事をするうえでの基本です。
まとまった話し合いの時間以外でも、気になることやすぐに対処が必要なことがあった場合はきちんと報告や相談をしましょう。
子どもの様子や活動内容など、業務に必要な情報はこまめに共有して、スムーズな連携をとれるよう努めてみてくださいね。
お互いに助け合うことを意識する
保育士さん同士で、お互いに思いやりや助け合いの意識をもつことも重要なポイントです。
一人ひとりが助け合いの意識を持たなければ、足並みがそろわずにクラスのまとまりもなくなってしまうかもしれません。
例えば、体調がすぐれなかったりお休みになったりした保育士さんがいた場合は残りの保育士さんで業務を分担するなど、困っているときに助け合う姿勢をもつことが大切です。
積極的にコミュニケーションをとる
複数担任を務める保育士さん同士が良好な関係を築くためには、日頃からのコミュニケーションを大切にすることがポイントです。
毎日の挨拶や「お疲れさまです」「ありがとうございます」などの些細な声掛けが、話しやすい関係を築くうえでの重要なステップになるでしょう。
何かあったときに相談したり意見を出し合ったりできる雰囲気を作れるよう、毎日積極的にコミュニケーションをとるように意識してみてくださいね。
複数担任制では、保育士同士のコミュニケーションが大事
今回は、保育における複数担任制とは何か、メリットやデメリットなどを解説しました。
複数担任制とは、1つのクラスを複数人の保育士さんで受け持つ保育のやり方です。主にリーダー・サブ・雑の役割に分かれて業務を分担しています。
複数担任制には、子どもの安全性が高まる、保育士さん1人の業務負担が減るなどのメリットが挙げられるでしょう。しかし、仕事の連携が難しかったり他の保育士さんに気を遣ったりするなどのデメリットもあるようです。
定期的に話し合いの時間を設けて同じ認識を持てるように努めたり、お互いに助け合う意識を持ったりして、複数担任のもとでスムーズにクラスを運営できるとよいですね。
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