保育園の運動会での挨拶の内容や言葉選びに迷う園長先生もいるのではないでしょうか。面白い表現や子どもがわかる簡単な話し方に悩むこともあるかもしれません。また、新型コロナウイルスにより、例年通りの開会が難しいケースもあるでしょう。今回は、保育園運動会の挨拶について聞きやすい話し方のポイントや例文を紹介します。
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運動会での園長先生挨拶のポイント
保育園の運動会では、園長先生が開会式や閉会式で挨拶をすることが多いでしょう。
毎回内容を考えるのに苦労したり、子どもが飽きないように面白い言い回しがないか考えたりと、挨拶の文章作りに悩む方もいるかもしれません。
まずは、保育園の運動会で挨拶をする際の話し方のポイントをみていきましょう。
「主役はこども」ワクワクする言葉と応援の言葉を伝える
園長先生が挨拶を行う場面では、保護者の方や役員の方へ向けた言葉が必要になることが多いため、つい大人向けの言葉が多く浮かんでしまうということもあるかもしれません。
しかし、あくまでも主役は子どもたちです。
開会式では、子どもが運動会を楽しめるように気分を盛り上げる応援の言葉を投げかけ、閉会式では頑張った子どもたちにお疲れ様の言葉をおくりましょう。
「まけるな」「じょうず」という言葉は使わない
運動会は完璧に行うことではなく、子どもが「頑張ること」「楽しんで参加すること」が目的です。
失敗しても、他の子よりうまくできなくてもよいことを前提として、子どもが一生懸命やろうと思える応援のメッセージを伝えられるとよいでしょう。
簡単に、わかりやすい言葉で話す
子どもは長い時間、じっと話を聞くことが難しい場合が多いでしょう。
「明るく」や「一生懸命」「みんなで助けあって」など意味がすぐにわかる簡単な言葉を使い、できるだけ短く明確に話すことを意識するとよいかもしれません。
大きな声で、ゆっくり話す
何度も挨拶を経験している先生でも、大勢の前で話すときは緊張してしまう方も多いかもしれません。
そのため、緊張から自身でも気づかないうちに声が小さくなったり、早口になってしまったりすることもあるでしょう。
しかし、相手が子どもの場合は「聞こえにくい」と思ってしまった時点で集中力も途切れ、ざわついてしまう可能性が高くなるかもしれません。
まずは声のボリュームを上げることを意識するとよいでしょう。
大きな声で話すと口の開き方も大きくなるため、小さい声で話すときと比べて話すスピードは物理的に遅くなるようです。
大きな声ではっきり話すことを念頭に置いて、それでも緊張からスピードが早くなりそうなときは言葉を一つ一つ丁寧に話そうと意識してみましょう。
言葉を聞き取りやすいように丁寧に発音することで、話す速度を少し抑えられるかもしれません。
先生方、保護者、来賓の方への挨拶も忘れずに
子どもの応援に時間を作って来てくれた保護者の方や、来賓の方への挨拶も一言添えましょう。
また、運動会のためにこれまで一生懸命準備をしてくれた先生方へ、感謝の言葉をきちんと伝えられるとよいですね。
長い文章ではなく、一言ずつ言葉を添えるイメージで考えてみるとよいでしょう。
開会式や閉会式の挨拶の構成
具体的な内容を考える前に、挨拶の流れを整理しておくと話す言葉もまとめやすいかもしれません。
挨拶の中に入れる項目を決めて、あとは順番通りに話すというイメージを持っておくと、進めやすくなるでしょう。開会式と閉会式の流れの一例を紹介します。
開会式の挨拶の流れ例
①始まりの挨拶
子どもたちに向けて、元気に挨拶をするところからはじめましょう。
②自己紹介「園長の〇〇です」
意外と抜けてしまいがちですが、保護者の方や来賓の方に向けて自身の名前を名乗ります。
③天気について
当日の天気ついて「晴れてよかったですね」や「今日は青空いっぱいの運動会日和になりました」など、簡単な一言を添えると話に入りやすくなるでしょう。
④子どもへの応援メッセージ
今日まで種目や出し物を一生懸命練習してきた子どもたちに、応援の言葉を伝えましょう。
「今日は、今までいっぱい練習してきたことを、元気いっぱいやっていきましょうね!」「お友だちといっしょに仲良くがんばろうね」など、わかりやすい言葉で話すように意識するとよいですね。
⑤保護者への挨拶
運動会のために仕事などを調整して来園してくれた保護者の方も多いでしょう。
保育園の行事に来てくれたことへのお礼と、子どもたちの頑張りを見守ってもらえるよう、挨拶の言葉を伝えていきましょう。
⑥閉めの挨拶
元気よく頑張りましょうなど、閉めの言葉を添えて挨拶を締めくくります。
これから運動会が始まるため、子どもたちに「頑張ろう」というやる気を感じてもらうことがポイントです。
応援の言葉の中では、実際に子どもたちが行う種目や内容を入れて、ワクワク感を感じられるように話すと、運動会がはじまることへの期待が膨らむかもしれません。
閉会式の挨拶の流れ例
①終わりの挨拶
運動会に参加してくれた全員に向けて、お疲れ様でしたなどの言葉を伝えましょう。
②頑張った子どもへのねぎらい
一生懸命頑張った子どもたちへ、「〇〇クラスはみんな元気いっぱいのかけっこで頑張っていましたね」など感想を添えながら、褒めやねぎらいの言葉を伝えましょう。
③応援してくれた保護者へのお礼
子どもたちが頑張っている姿を見守り、応援してくれた保護者の方の方へお礼を伝えましょう。
また、長時間屋外で過ごされているため、「帰宅後はゆっくりお休みください」など保護者へのねぎらいの言葉を添えてもよいかもしれません。
④先生方へのねぎらい
準備から当日の運営まで頑張って動いてくれた先生方へのお礼をしっかり伝えましょう。
先生方がいたからこそ開催できた運動会であることを、改めて感謝の言葉でねぎらえるとよいですね。
⑤閉めの言葉
無事に運動会を終えられたお礼などを伝え、挨拶を締めくくります。
閉会式は、1日頑張った子どもたちへのねぎらいを伝えることが大切なポイントです。
実際に園児が行ったことへの感想を伝えて「頑張ったね」「すごかったね」と子どもに対するあたたかいメッセージを届けましょう。
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保育園運動会の園長先生の挨拶文アイデア
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ここでは、挨拶に利用できる具体的な言葉のアイデアを紹介します。
一般的に使える保育園運動会の挨拶例
天気についての言葉
- 今日は、お天気に恵まれ青空がいっぱいに広がりました。太陽の下でみんなといっしょに運動会ができることがとっても嬉しいです!
- 今日は、運動会のために雨も止んでくれました!この後みんなの元気いっぱいの姿をみて太陽が顔を出してくれるくらい、力いっぱい頑張っていきましょうね。
その日の天気について触れましょう。天候が悪いと自然と気分が落ち込みがちになることもあるかもしれません。
仮に天候がよくなくても当日の天気にふれて「この後晴れるといいね」「みんなの元気で雲を吹き飛ばそう」など励ましの言葉を伝えて、頑張ろう!という気持ちにつなげていきましょう。
子どもへの応援の言葉
- みなさんは、今日の運動会のために〇〇や〇〇などたくさん練習をしてきました。今日は、今まで一生懸命に練習してきたことを、思いっきりだして元気に頑張ってくださいね。
- かけっこやダンスの練習を毎日頑張ってしてきましたね!今日は力いっぱい動いて、お父さんやお母さんたちに頑張って練習してきたことをみてもらいましょう!
当日まで子どもが頑張ったこと、その成果を存分に発揮できるように応援の言葉をおくりましょう。実際の種目名や演目名を使うと、具体性が増してよいかもしれません。
保護者の方への言葉
- 本日は、お忙しいなか登園の運動会にお越しいただき誠にありがとうございます。お弁当づくりや子どもたちの運動会の準備など、大変だったのではないかと思います。
- 今日は、元気いっぱいで頑張る子どもたちの姿をぜひ見守ってあげてください。
- 一生懸命頑張る子どもたちを、お父さんお母さんたちの声援で精一杯支えてあげてくださいね。
運動会のために子どものサポートをしてくれたこと、忙しい中当日保育園まで足を運んで行事に参加しれくれたことへのお礼を伝えましょう。
感謝の気持ちと共に、いっしょに子どもを応援し、頑張る姿を見守ってほしいことにも触れられるとよいですね。
先生方へのねぎらいの言葉
- プログラム構成から種目の設定、園児の指導や会場装飾とさまざまな準備を行い、当日の運営にあたってくれた先生方へ、改めてお礼申し上げます。
- 運動会開会のために奮闘してくれた先生方の労力は大変なものであったと思います。先生方のおかげで、今日は無事に運動会を行うことができました。本当にありがとうございました。
行事の準備や運営は、日々忙しい先生方にとっては大きな負担になることも多いかもしれません。
多くの業務を抱える中で、子どもたちのために頑張ってくれた先生方の気持ちを汲み取り、感謝の言葉を述べましょう。
雨天で屋外での運動会ができない場合の挨拶例
- 今日は残念ながら雨がふってしまったので、外での運動会ができなくなりました。でも体育館でも運動会はできます!みんなで頑張って練習してきたことを、今日はおうちの人たちにみてもらいましょうね!
- ご来賓の方々、そして保護者の皆様、本日はお足元の悪い中お越しいただきありがとうございます。今回は屋内での開催となりましたが、子どもたちは今日のために一生懸命練習してきました。今日も体育館の中で、元気いっぱいにその姿をみせてくれると思います。ぜひ、たくさんの声援で頑張る子どもたちを応援してあげてください。
雨がふってしまい屋外から屋内での実施に切りかえなくてはならない時もあるでしょう。
その際に気分が落ちてしまわないように、子どもを元気づけたり保護者の方へ応援で子どもたちのサポートをお願いしたりなど、前向きに子どもが参加できるような言葉を伝えていきましょう。
新型コロナウイルスによる規模の縮小時などの挨拶例
みなさまもご承知のとおり、登園においても、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が大きく、さまざまな面で例年とは異なる形式での運用を余儀なくされて参りました。
この度の運動会につきましても、ご来園いただく保護者の方の人数制限や開催種目の縮小など工夫を凝らしながらの開会となります。
しかし、子どもたちはみんなでできることに一生懸命に取り組んで練習してきました。大変な中でも真っ直ぐに頑張る子どもたちに、ぜひあたたかい声援を送ってあげてください。
今日は、元気いっぱいに頑張る子どもたちといっしょに楽しんで運動会に参加していただけますと幸いです。
新型コロナウイルスの影響で、例年通りの運動会が開会できないこともあるでしょう。
子どもが楽しめる行事にするために、通年とは異なる運営への理解を仰ぎ、できる範囲で子どもといっしょに参加してもらえるよう保護者への呼びかけを行うことも大切なポイントです。
話し方のポイントを押さえて、子どもたちのために運動会の挨拶を準備しましょう
今回は保育園の運動会における挨拶のアイデアを紹介しました。
園長先生の挨拶は、さまざまな方面への気遣いが必要であったり、みんなが聞きやすいように簡単にするにはどうすればよいか悩んだり、考えたりすることで時間がかかる場合も多いでしょう。
無理に面白い話をしようとせず、誰に何を伝えるのかを明確に整理し、話す順序を組み立てることで、まとまりやすくなることもあるかもしれません。
ポイントを整理して、主役となる子どもたちへの応援の言葉を伝えていきましょう。