仕事を終えた帰宅後の時間。ゆっくりと自分の時間を過ごしたいのに、帰ったらすぐに寝てしまう保育士さんは多いようです。ストレスがたまり「帰宅後は疲れて動けない」、「何もできない」といったことに悩む声も。今回は帰宅後にすぐに寝てしまう原因や解決方法について紹介します。
polkadot/stock.adobe.com
仕事を終えて帰宅後にすぐに寝てしまう原因とは
保育士さんの仕事は業務量が多く、常に時間に追われながら多忙な毎日を過ごしている方も少なくないでしょう。
特に人手不足の保育現場では、多くの業務を抱える状況が続いてしまい、保育士さんの疲労やストレスの負担が非常に大きくなるのではないでしょうか。疲れが顕著に感じられる場合もあれば、無意識のうちに疲労が蓄積していくこともあるでしょう。
多忙な毎日を過ごすことによって、帰宅後は何もできずすぐに寝てしまい、その状況に悩む方もいるかもしれません。
まずは、帰宅後にすぐ寝てしまう原因についてみていきましょう。
疲労とストレスの蓄積
適度な疲労やストレスであれば、家に帰ってからや休日にゆったりした時間を過ごしてリラックスしたり、好きなことをしたりすることで、解消できることもあるでしょう。
しかし、過度な疲労である場合、自分がまだ起きていたくても、睡眠をとることで脳が身体の回復をはかろうとします。その結果、自分の意志とは関係なく眠くなってしまい気がついたら朝になってしまうこともあるようです。
また、精神的なストレスも心に大きな負担がかかり気持ちが疲れてしまいます。
朝、仕事にいきたくないと感じる日もあるでしょう。そのときに眠気がとれずに睡魔が襲ってくるのも、身体が回復をはかろうと睡眠を必要としている表れかもしれません。
夜中に目が覚めて睡眠不足
帰宅後に疲れて何もできないと感じたとき、そのままの状態で寝てしまうことで、眠りが浅く、夜中に目が冷めてしまうこともあるのではないでしょうか。
夕食や入浴など、帰ってからリラックスする時間をとれないまま寝てしまうことで、睡眠の質が下がったり、熟睡できなかったりする場合も多いかもしれません。
また、夜中に目が覚めると、目が冴えてしまい、その後は寝つけなくなる方もいるようです。この状態を繰り返すことでトータルした睡眠時間が不足し、さらに疲労が溜まるという悪循環に陥りやすくなってしまうでしょう。
緊張が解けて脱力感に見舞われる
仕事中は子どもの保育だけではなく、職場の人間関係や保護者の方への対応に神経を使うことも多く、緊張状態にある保育士さんも少なくありません。
自宅に帰ると、仕事中に張りつめていた緊張の糸が切れたように、強い脱力感に襲われることもあるかもしれません。
日頃からさまざまなことに気を遣い、常に気を張っている状態でいると、その反動が大きく出てしまい家に着くと一気に疲労に襲われて、もう動けないと感じるケースも多くあるようです。
保育士さんの退職理由で一番多い理由は「人間関係」という調査結果もあります。職場の雰囲気が悪いと身体に大きな負荷がかかり、精神的なストレスは蓄積されるでしょう。
家具やインテリア配置に問題がある
自宅の家具やインテリアの配置によって、帰ってすぐに寝てしまいやすい状況を作り上げているケースもあるでしょう。
例えば、身体に負担がかかりにくいソファベッドや、枕にできるクッション・タオルケット類が出入口のすぐそばにあり、帰宅後にそのまま寝てしまえる環境の方もいるのではないでしょうか。
リラックスできる環境はストレスの解消や疲労回復には望ましいかもしれませんが、帰宅後そのまま眠ってしまうことも多くなるでしょう。
家具やインテリアの配置を工夫して、自分が寝つきにくい状況にすることで、つい寝落ちしてしまう回数も減らすことができそうです。
お問合せ&資料ダウンロード
採用課題・経営課題に関する個別ご相談受付やサービスガイドなどの資料DLはこちらからどうぞ。
まずはお気軽にお問合せください!
帰宅後にすぐ寝てしまうことによる悪影響
帰宅後に何もできない・動けない状態になり、そのまま寝てしまうことでさまざまなリスクが起こる可能性があります。ここでは、帰ってすぐに寝てしまうことで起きる悪影響について考えてみましょう。
入浴ができない
仕事の後、入浴せずに寝てしまうと睡眠の質の低下を招く恐れがあるでしょう。
老廃物が体の中にたまると、体温が上がりにくくなります。本来、身体の温度が上がることで脳が体温を下げようと熱を体外に排出します。熱の放出によって体温が下がる過程で身体は眠気を感じて深い眠りに入ることができます。
しかし、入浴せずに寝てしまうと体温が上昇せず熱の放出が行われないことから眠りが浅くなり、睡眠の質の低下につながることもあるようです。
寝ているのに疲れがとれにくい場合、睡眠の質が低下していることも原因のひとつかもしれません。
自律神経が乱れる
浅い眠りや寝落ちしてしまうことにより、疲労やストレスを解消できない状況が続くと、自律神経への悪影響につながってしまうこともあるようです。
自律神経が乱れると、過食になったり倦怠感がとれなくなったり、人によっては便秘や冷え性などが悪化することもあるでしょう。
精神面では不安やイライラなどがおきやすく、安定した状態で仕事をすることが困難になることも少なくありません。
慢性的に疲労が蓄積する
質の高い睡眠がとれないことから、身体や精神が休まらず継続的な疲労状態に陥るでしょう。
疲れやだるさを感じる中で、多岐に渡る保育業務を行うことは保育士さんをより一層辛い状況に追い込むことにもつながるでしょう。
疲労感は身体だけではなく心の余裕もなくしてしまうことが多々あります。常に子どもと接する保育士さんの心の負担は、自分にも周囲の子どもにも悪影響を及ぼしてしまう可能性があるかもしれません。
読んでおきたいおすすめ記事
【採用担当者向けコラム】保育士の新卒採用やることリスト。テンプレに使えるチェックシートを紹介
新卒採用は計画的に進めることが重要。保育士を目指す学生の動きは年々早期化しているとも言われるため、事前に「やることリスト」をまとめておくとスムーズです。そのうえで、早め早めに動くことが採用成功の近道で...
【採用担当必見】保育施設のお悩み対策診断。今、あなたの園に必要な対策は?
保育施設の運営にまつわる課題は、採用・定着・園児集客など、園によって本当にさまざまです。一体、自園にとって必要な対策は何なのか?「保育施設のお悩み対策診断」を使って調べてみましょう。 &n...
【採用担当者向けコラム】保育士の意向調査実施マニュアル。来年度に向けた準備のポイント
保育士さんに向けて来年度の就業意思を確認する意向調査では、どんなことに配慮して進めるとよいでしょうか。今後の園の運営や保育士さんの育成に関わることなので、慎重に行なうことが大切です。今回は、意向調査の...
【採用担当者向けコラム】意向調査で「退職希望」を示している保育士の引き止めはできる?
意向調査で退職の希望を示している保育士さんの引き止め方を知りたいと感じる採用担当者の方もいるでしょう。保育士不足が続く中、頼りにしていた保育士さんが抜けてしまうと運営が苦しくなりますよね。今回は、意向...
【2024最新】保育士不足が続く原因は?解消に向けた国・自治体・園の対策も解説
なぜ保育士不足が続くのでしょうか。子育て支援の重要性が増す中で、資格を持ちながらも保育士として就業する人が少ない状況を受け、国や自治体ではさまざまな対策を行なっています。今回は、深刻な社会問題でありな...
【2024年最新】学童保育の補助金はいくら?開業や運営に関わる助成金について
全国的に共働き家庭が増えたことで、小学生の居場所となる学童保育の拡充が求められています。実際に学童保育の開業や運営を目指す場合、国や自治体からいくらの補助金を受け取れるのでしょうか。今回は、学童保育の...
【採用担当者向けコラム】保育士の人材紹介手数料は高い?相場や会社による違いを解説!
保育士採用でも利用される「人材紹介」。手数料が何十万にも上ったという話を聞き、利用を迷っている採用担当者の方もいるかもしれません。今回は、保育士の人材紹介について、手数料の相場と費用が高いと言われる理...
【採用担当者向けコラム】真面目な人ほど急に辞めるのはなぜ?保育士が突然退職する理由と対策
真面目な人から急に辞めると告げられて、「何がよくなかったのか…」と頭を抱える採用担当者の方もいるのではないでしょうか。おとなしい人や優秀で勤勉な保育士さんほど、職場にストレスを抱えているかもしれません...
【採用担当者向けコラム】人材紹介会社が保育士さんを紹介してくれないのはなぜ?原因と対策
人材紹介会社を利用したにもかかわらず「保育士さんを紹介してくれない」と悩みを抱える方はいませんか?採用活動がスムーズに進まないと人材不足が解消されず、運営に支障をきたすケースも。今回は人材紹介会社から...
転職フェア出展は意味がない?採用できない?保育士を集客するためのポイント
多くの保育士さんと出会い、自園の魅力を直接伝えられる「転職フェア」。人材確保のチャンスになる機会ですが、出展しても意味がないのでは、採用できないのではと不安を抱く方もいるでしょう。今回は、転職フェアで...
放課後等デイサービスの職員採用の方法は?求める人材に出会うコツ
保育・福祉業界では人材不足が深刻化しており、放課後等デイサービスについても採用に苦戦する施設があるでしょう。特に児童発達支援管理責任者(児発管)の不足は、全国的に大きな課題となっています。今回は、放課...
時短勤務とは?保育園が導入するメリット・デメリットや注意点
2009年度の育児・介護休業法によって制度化された「時短勤務」。正式には短時間勤務制度と呼ばれ、3歳に満たない子を療育する労働者を対象に多くの方が利用しています。今回は時短勤務の概要や対象者、導入状況...
学童保育の経営に必要な基礎知識!開業の流れや必要コスト、成功のポイント
学童保育の開業を考えている方は、開業の流れやランニングコストの目安を把握しておくことが大切です。学童保育を経営するうえで必要な基礎知識をチェックしていきましょう。今回は、学童保育の経営に関する内容や成...
【採用担当者向けコラム】保育士採用で合同説明会に出展するメリット。成功の秘訣
保育事業者にとって合同説明会への出展には、どのようなメリットがあるのでしょうか。採用の成功率をアップするために、出展を検討する採用担当者の方もいるかもしれません。今回は保育士さん向けの合同説明会の活用...
学童保育の採用に人材紹介サービスを利用するメリットと注意点。活用するポイント
学童保育の採用に人材紹介サービスを利用するべきかと悩む事業者の方はいませんか。「手数料が高いのでは?」「希望する人材の紹介が受けられるのか」と不安を抱くこともあるでしょう。今回は、学童保育の採用に人材...
【採用担当者向けコラム】退職代行を使われた時はどうする?保育園に連絡が来た時の対処法
職員から退職代行サービスを利用して退職の申し入れがあった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。連絡が来た時点で直接該当の職員とやり取りすることが難しいため、戸惑ってしまいますよね。今回は退職代行...
ジョハリの窓とは?4つの窓の内容や注意点、具体例をわかりやすく解説
「ジョハリの窓」という自己分析ツールはご存じですか。「開放」「秘密」「盲点」「未知」の4つの窓を用いて、自分や他者からの印象を認識していく手法です。今回は、ジョハリの窓の概要や企業内での導入時の注意点...
今、重要視される「学び直し」は保育士に必要?園側が取り組む具体例
社会人の学び直しが注目されている昨今、雇用側の環境整備が求められます。今回は、保育士の学び直しが必要なのか、園側の取り組みや具体例についてわかりやすく解説します。保育士がやりがいをもって働ける職場を作...
人的資本経営とは?保育園経営に活用するメリットや保育士育成のポイント
人的資本経営とは、企業の人材を「資本」と捉え、人材の価値を高めることで企業価値の向上を目指す経営手法です。近年注目されている経営手法のひとつで、さまざまな企業で導入されています。今回は、人的資本経営の...
学童保育を開業するために必要な資格・条件・補助金制度について徹底解説!
全国的に学童保育の拡充が求められている今、学童保育施設を開業するためには何が必要なのでしょうか。今回は学童保育の開業に必要な条件や手続き、補助金制度などを紹介します。学童保育の開業は主に自治体から業務...
- 同じカテゴリの記事一覧へ
帰宅後すぐに寝てしまわないための解決策
metamorworks/stock.adobe.com
帰宅後すぐ寝てしまう場合の、解決アイデアを紹介します。
すぐに入浴する
帰宅後、なるべく早い段階で入浴しましょう。
入浴は、睡眠の2~3時間前がよいとされています。余裕があれば眠りたい時間から逆算して入浴のタイミングを調整できるとよいですが、少しでもゆっくりしてしまうとそのまま寝てしまうこともあるでしょう。
帰宅後できるだけ早いタイミングでお風呂へ向かってもよいかもしれません。
ただし、熱すぎるお風呂は交感神経が活発になり興奮状態に近くなってしまうため、寝つきが悪くなることもあるようです。高温ではなく、ぬるめのお湯で入浴するとよいでしょう。
何か作業をするまで座らない
家に帰ってから「夕飯を作る」「入浴する」などの作業を終えるまで座らないという方法もあるでしょう。
座ってしまうとそのまま動けない状態になってしまい、寝てしまう場合が多いかもしれません。その場合は、あえてソファや椅子に座らず、先に行なおうとしていた作業に取り掛かるとよいでしょう。
ただ、身体が強い疲労を感じているときは無理をせず「できるところまで」少しずつ行なうと、負担を感じずに取り組めるかもしれません。自分に合ったペースではじめてみるとよいでしょう。
適度な運動をする
休日や通勤の時間を利用して、運動をしてみてもよいでしょう。
「一駅分歩く」、「散歩をする」など自分が行ないやすいもので構いません。適度な運動は気分のリフレッシュ効果を生むこともあるでしょう。
緑の多い場所を歩いたり好きな音楽を聞きながら動いたりすることで、ストレスの解消につながることもあるかもしれません。
朝型に生活スタイルを切り替える
帰宅後にどうしても眠くなってしまう場合は、時にはそのまま欲求に従ってもよいでしょう。眠気は身体が必要としているから出てくるものでもあるため、まずは睡眠をとることも悪いことではありません。
その代わり、少し早起きをして「朝活」を取り入れ、朝の時間帯にやりたかったことなどを行なうとよいでしょう。仕事以外何もできないという状況は、プライベートな時間を持てず、さらなるストレスにもつながりやすいためです。
余暇は夜だけと決めずに、朝に活動することで心のリフレッシュをはかってみてもよいかもしれません。
転職を考えてみる
さまざまな対策をとっても疲れがとれない場合は、働き方や職場環境に問題があるかもしれません。転職して働き方や環境が変わることで、ストレスが減り身体の調子にも影響が出てくることも考えられるでしょう。
転職を考えるなら、まずは保育士さん専門の求人をチェックしてみるのはいかがでしょうか。全国の豊富な保育士求人を見てみると、保育園だけでなくさまざまな施設で保育士資格や経験を生かして働けることが分かるはずです。
施設形態や職種ごとに絞り込んだり、「こだわり条件」で探したりできる検索機能を活用して、帰宅後にも疲れを残さず、自分らしく働ける職場を探してみるのも一つの手段かもしれません。
帰宅後すぐに寝てしまう原因を払拭して時間を有意義に
今回は、保育士さんが帰宅後にすぐに寝てしまう理由と改善アイデアについて紹介しました。
多忙な保育士さんは、自分のための時間を作りにくく疲れやストレスを溜め込んでしまうことも少なくないでしょう。自分に合った方法で、できるところから取り組んでみることが負担の軽減につながります。
無理をせずに、自分の身体と心のバランスをとりながら余暇を過ごしてみてくださいね。
保育士バンク!では、保育士さんのお悩みや転職に関する豆知識など、保育士さんが今知りたい情報を発信しています。
また、保育士さんの転職・求職サポートも充実しています!
「仕事が忙しくて限界…」「ストレスのない職場に転職したい」など、保育士さんの働き方に関わるお悩みをなんでもご相談ください。
すぐに転職を考えていなくても、相談や登録しておくだけでも大歓迎♪ 保育士バンク!にお声がけください。
お問合せ&資料ダウンロード
採用課題・経営課題に関する個別ご相談、お問合せはこちらからお願い致します。