腰痛で悩んでいる保育士さんは多いかもしれません。なかには苦痛のあまり仕事を休むことや、転職を考える方もいるのではないでしょうか。今回は、保育士さんが患う腰痛について、事前に予防する方法や骨盤ベルトを使った改善策などを紹介します。あわせて、労災認定や腰痛になりにくい保育の仕事についてもまとめました。
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目次
保育士が腰痛になりやすいシーンとは?
保育士さんは、保育のなかでしゃがんだり立ったりすることが多く、腰痛になりやすい仕事といえるでしょう。
子どもを抱っこしたまま他の業務をこなしたり、机や布団など重い荷物を運んだりするときに、腰に痛みを感じることがあるかもしれません。
保育士さんが仕事のなかで腰痛を引き起こしやすいシーンとして、以下が挙げられるでしょう。
- 子どもを抱っこしたりおんぶしたりする
- しゃがんだり立ったりする
- 前かがみの姿勢になる
- 体をねじるなど無理な姿勢をとる
- 重いものを持ったり運んだりする
乳児クラスを受け持つ保育士さんのほうが、抱っこやおんぶをする時間が多いため腰痛になりやすいと思われがちかもしれません。
しかし、幼児クラスの子どもを受け持っていても、子どもの目線に合わせて中腰の姿勢をとるなどして、腰に負担をかけることはあるでしょう。
関わる子どもの年齢に関係なく、腰痛で悩んでいる保育士さんは多いと言えそうです。
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【シーン別】保育士のための腰痛の予防方法
腰痛が原因で退職を考える方もいるでしょう。
しかし、保育中の動作に注意を払えば、ある程度予防できるかもしれません。
ここでは、保育園の場面ごとに腰痛の予防策をまとめました。
子どもを抱っこするとき
子どもを抱っこする際に、腕を伸ばしたまま腕の力だけで子どもを持ち上げようとすると、腰に負担がかかってしまいます。
自分の体に子どもの体を引き寄せ、膝を使って体全体で持ち上げるようにするとよいでしょう。
食事の介助をするとき
食事の介助を複数の子どもへ同時に行うことがあるでしょう。
体を斜めにひねって対応するなど、不自然な姿勢により腰痛を引き起こしてしまうことが考えられます。
介助を担当する子どもの数を減らすなど、無理のない体制をとれることが望ましいですが、子どもの座る配置を工夫することで、腰にかかる負担を軽減できるかもしれません。
トイレの介助をするとき
子どものトイレの介助をする際の姿勢にも、注意が必要です。
狭い空間で体をひねって対応したり、立ったままの姿勢で前かがみになったりすると、腰を痛める要因につながるでしょう。
腰を落としてしゃがんだ姿勢で介助をすることで、腰への負担はやわらぐかもしれません。
保育士さんがトイレの床にしゃがむことをためらわないよう、トイレを清潔に保つことも大切といえそうです。
おむつ交換や着替えをするとき
前かがみになる姿勢が続くと、腰に負担をかけてしまいやすいでしょう。
おむつ替え専用の交換台を使うなど、可能な限り高い位置でおむつ交換ができるとよいかもしれません。
もし低い位置で作業をする場合には、両膝を広げて座り、腰を伸ばした姿勢を保つように意識するとよさそうです。
授乳をするとき
床の上に直接座って授乳をすると、腰に負担をかけてしまうでしょう。
できる限り背もたれのある椅子やソファーなどに座って授乳を行うと、腰への負担を軽減できるかもしれません。
ベビーカーに乗せるとき
ベビーカーの仕様によっては、子どもを抱きかかえて乗せる必要があるでしょう。
また、複数の子どもを乗せるベビーカーは重量が重くなるので、動かす際に腰に負担をかけてしまうかもしれません。
可能であれば、ベビーカーの仕様を変えたり平らな道を歩いたりするようにすると、腰への負担を軽減できるでしょう。
重いものを持つとき
保育園では食事の度に机を出し入れしたり、昼寝の時間に人数分の布団を敷いたりと、重いものを持つ機会は多いかもしれません。
保育士さん同士で協力し合い、一人に力仕事を任せ過ぎないように配慮することが大切でしょう。
このように、保育園では保育士さんが腰痛になりやすいさまざまなシーンがあることがうかがえます。姿勢を意識したりやり方を変えたりして、腰への負担を軽減させられるよう心がけるとよいですね。
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保育士のための腰痛を感じたときの対処方法
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気をつけていても、保育をするなかで腰痛を引き起こしてしまうことがあるかもしれません。
ここでは、腰痛を感じた際の対処方法についてお伝えします。
ストレッチをする
こまめにストレッチをすることで、腰痛の緩和を期待できそうです。
腰を反らせたり伸ばしたりして、腰回りの筋肉をほぐしてみましょう。
保育中に前かがみになるなどして腰に負担をかけた場合には、体を後ろに反らせて元に戻すことを意識するとよいかもしれません。
腰痛ベルトを使う
こまめにストレッチを行うことが大変だと感じる人もいるでしょう。
仕事にも支障なく着用できるので、腰痛ベルトを使うのもひとつの手です。
腰痛ベルトを使うと、以下のような効果が期待できると言われています。
- 骨盤のズレを正す
- 腰の安定感を保つ
- 体を支える筋肉の働きを助ける
- 腰にかかる負担を軽くする
素材や硬さはさまざまなので、腰の痛み具合や目的に合わせて使い分けるとよいかもしれません。
病院や整体に通う
痛みが走るなど辛い腰痛を患った場合、我慢するなどして適切な処置を怠ると慢性的なものになってしまうかもしれません。
ヘルニアなどになっている可能性もあるので無理をせず休むようにし、病院や整骨院などで早めに検査を受け、治療することが大切といえるでしょう。
保育士が腰痛を患った際の労災認定について
保育士さんが仕事において腰痛を患った場合、労災として認定されるのか気になる方もいるかもしれません。
厚生労働省の資料によると、労災認定される腰痛には、「災害性の原因による腰痛」と「災害性の原因によらない腰痛」の2種類があるようです。
仕事中に急激な力が作用したことにより腰痛を引き起こした場合などは、「災害性の原因による腰痛」として、労災認定されることがあるようです。
一方、「災害性の原因によらない腰痛」のほうは、日々の業務による腰部への負荷が徐々に作用して発症した場合の腰痛とされています。
いずれにしても、医師により療養の必要があると診断されることが条件となっています。
保育士さんの仕事内容で考えてみると、重い荷物を運んだ際や、子どもを抱きかかえたまま無理な姿勢により腰痛を患った場合、労災の認定事例に該当する可能性があるかもしれません。
つまり労災認定されるポイントは、保育業務と腰痛との関連性を認められるかどうかといえそうです。
腰痛になりにくい保育士の仕事とは
どうしても腰痛が辛いとき、仕事を休むことを考えたり、転職をしようかと悩んだりする保育士さんもいるかもしれません。
保育園での仕事が原因で腰痛になったのであれば、このまま同じように働き続けていては悪化してしまう可能性があるでしょう。
自分の体のことを考え、思い切って転職するのもひとつの手かもしれません。
とはいえ、保育の仕事を続けたいと希望するのであれば、できるだけ腰に負担のかからない仕事ができる施設で働くことを検討してみるとよいでしょう。
一例として、病児保育士の仕事があります。
病児保育は病気になった子どもを保育するので、外遊びを行うことはないでしょう。
また、座ってできる遊びが中心になるため、病児にとってはもちろんのこと、保育士さんの体にかかる負担も少ないかもしれません。
これらのことより、病児保育士の仕事は腰痛になりにくい環境といえそうです。
保育士がなりやすい腰痛について、予防策と改善方法を知っておこう
今回は、保育士さんが悩みの一つである腰痛についてまとめました。
保育士さんの仕事は、子どもと目線を合わせるためにしゃがんだり中腰になったりと、腰痛を引き起こしやすい態勢になることが多いでしょう。
日頃から姿勢を正すことを意識するだけでも、腰痛が緩和されるかもしれません。
痛みがひどくなると、仕事を休むことだけでなく日常生活にも影響を及ぼしかねないでしょう。
どうしても辛いときには無理をせず、転職を検討してみるのもよいですね。
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